日本一の旅館建築!渋温泉『金具屋』は建物そのものが文化財!
渋温泉のシンボル『金具屋』では、宿泊者だけが参加できる特別なガイドツアーが開催されています!それが『金具屋文化財巡りツアー』!
筆者紹介
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こちらの記事は【冬の信州温泉旅行記】からお届けしています。
『金具屋文化財巡りツアー』とは?
長野県渋温泉を代表するお宿『金具屋』。その創業はなんと江戸時代中期!270年もの歴史をもつこの旅館は、実は建築そのものが国の登録有形文化財に指定されているほどなんです!
しかも…この建築は、木造4階建てという非常に特殊なもので、現代の建築基準では同じものを建てることができないという大変貴重なものなのです。
しかも…この建築自体が、遊び心に富んだとても興味深い建築になっており、随所に洒落た仕掛けが施されているんです!
ここでしか入ることができない自家源泉とともに…宿泊するゲストを存分に楽しませてくれるここ『金具屋』は、日本一の温泉旅館であると胸を張って言えるでしょう!
実は、ここ『金具屋』では毎日夕方、宿泊者のみが参加することができる特別なツアーを開催しています。
それこそが『金具屋文化財巡りツアー』!8代目金具屋平四郎である店主らが、『金具屋』の建築に隠された秘密を解説するツアーをガイドして下さるのです!
この『金具屋文化財巡りツアー』の参加費はなんと無料!宿泊者ならどなたでも参加できまので、もしもここ『金具屋』に宿泊するチャンスを得たならば、絶対に参加してください!
今回は、『金具屋』宿泊者限定で参加できる『金具屋文化財巡りツアー』の参加レポートをお届けします。
『金具屋文化財巡りツアー』の見どころ
現在宿泊することができる『金具屋』は、明治、大正、昭和と時代ことに異なる建築が複雑に混在して存在しています。
敷地内には
- 「斉月楼」
- 「神明の館」
- 「居人荘」
- 「潜龍荘」
がという木造3~4階建ての建築が並んで建ち、それらの上部に3階建ての「大広間」が乗るという…世にも稀な地上8階建て!現在の建築基準では到底再現することができない特殊な建築となっているのです!
しかも!このうち「斉月楼」と「大広間」は、国の登録有形文化財に指定されているというから驚き!
『金具屋文化財巡りツアー』は、「大広間」に集合しスタートします。案内人は金具屋の八代目館主自らが務めてくださいました。
ここ「大広間」は3階建て。しかも木造4階建ての本館の上に作られているという得意な建築です。広間部分は130畳もの広さを持ち、舞台や廊下を含めると200畳を越える広大な広間にも関わらず…柱が1本もないという脅威の構造をしています。
さらに、天井は見事な井桁格子天井!まるで芝居小屋に用いられるような複雑な構造をしています。
ここ大広間は階段もまた素晴らしい雰囲気!暖色の吊し照明に、ピカピカに輝く木製の階段は、まるでドラマのセットかと思うほど!
続いて…階下に降りてこちらも登録有形文化財に指定されている「斉月楼」へとガイドツアーは進みます。
「斉月楼」は木造4階建てという、現在では許可のおりないような特異な建築です。にも関わらず、4階部分まで現役で客室として使用している例は全国的にもごくわずか!非常に貴重な建築なのです。
「斉月楼」の客室は、『金具屋』の象徴とも言える面白い造りをしています。
「斉月楼」を作ったのは六代目館主。彼は、昭和初期に隣の湯田中まで鉄道が引かれたことを受け、これからは「観光旅館」の時代になると予見したようです。
そこで、彼が取った行動が面白いものでした。なんと、善光寺などを手掛けた宮大工たちを連れて、全国行脚をするのです。そして、県外含め全国至るところの名建築をつぶさに調べ…ここ『金具屋』内部に様々な趣向を凝らした客室を作り上げるのです!それこそが、ここ「斉月楼」!
例えばこの「斉月楼」4階は、壁紙が紅色に塗られ…どこか艶めかしい雰囲気を作り出しています。雰囲気は京都の落ち着いたお宿のよう。
さらにらこの階段…奥に切られた明り窓が何かの形に似ていると思いませんか?
実はこれ、富士山を模して作られているんです!しかも!その富士山の真上に浮かぶ丸い照明と合わさると…まるで満月に照らされた富士山のように見えませんか!?
また、軒先にアワビの貝殻を乗せた部屋など、客室ひとつひとつがまるで独立した一軒の家屋のように作られているんです!ですので、ここ「斉月楼」の客室には、ほぼ全て軒があり、玄関があり…と、旅館内にいることを忘れさせる仕掛けが施されているのです。
また、2階の廊下には、水車や石臼で使われていた歯車がそのまま埋め込まれていたり…
階段の底には、わざわざアジロを編んで装飾にするなど…遊び心と洒落心に富んだ内装が随所に施されているのです!
そして最も心惹かれたのが…ここ。
ここは、居人荘へと続く廊下なのですが、建物内の廊下にも関わらず、不思議な造りになっていると思いませんか?
そう!建物内なのに屋根瓦が敷かれており、まるでその軒先を見ていると…まるで小さな商店が並んでいるようにも見えます。一瞬、外に出たかと錯覚するほど!
実はこの廊下の天井は青く塗られています。照明をコントロールすることで、昼はその青い天井が見え、夜は天井は真っ暗。昼と夜それぞれで見せ方を変えるという高度なテクニックが使われているんです!
「斉月楼」を作った六代目館主は、宮大工を連れて全国を視察しました。そして、各地で目にした様々な趣向を、そのままここ『金具屋』の建築に注入したのです!
寺社建築には到底使えないような、遊び心たっぷりの演出を、宮大工のテクニックで作り上げるという…世にも珍しい旅館建築!まさに唯一無二!日本一の旅館建築と言っても過言ではありません。
宿泊者のみしか参加することが出来ない特別なツアー『金具屋文化財巡りツアー』は、毎日17:30からおよそ40分間。『金具屋』へ宿泊の際は、ぜひ参加してください。
その他の棟も魅力的!
さて、この『金具屋文化財巡りツアー』は、「大広間」と「斉月楼」の2棟を回ります。ですが、その他の棟もまた魅力的!簡単に紹介しますね。
「潜龍荘」は、この中で最も古い、明治時代後期のもの。昭和、平成に改築されているものの、古き良き湯治宿の名残を残しています。ここには、「浪漫風呂」「岩窟の湯」のふたつの浴室があります。
「居人荘」は、戦後まもなく改築されたため、当時の流行りを取り入れた、和洋混在する建築になっています。レトロなタイルが敷き詰められた廊下や階段など、独特なスタイルが特徴です。館内には「鎌倉風呂」「斉月の湯」という浴室があります。
「神明の館」は『金具屋』で唯一、鉄筋コンクリート造りの客室棟です。昭和中期に完成したもので、なまこ壁やまるで城郭のような扉など様々な趣向が凝らしてあります。こちらには館内唯一の露天風呂「瑞龍露天風呂」があります。
渋温泉のシンボル!『金具屋』へのご予約はこちらからどうぞ!
まとめ
宮大工による巧みな構造ながら、遊び心満載の趣向を凝らした『金具屋』の館内。新しくピカピカの温泉旅館や、豪華な装飾の温泉旅館は数あれど、ここまで作り込まれた温泉旅館は全国見渡しても他にありません!『金具屋』は、日本一の旅館建築と言っても良いでしょう!宿泊者しか参加できない『金具屋文化財巡りツアー』で、その建築美も合わせてご堪能ください!
宿泊者しか参加することができない『金具屋文化財巡りツアー』。次回は、もうひとつの限定ツアー「金具屋源泉ツアー」の様子をレポートします。【冬の信州温泉旅行記】、次回もお楽しみに!
『金具屋文化財巡りツアー』の基本情報
アクセス
参加料金
無料(宿泊者のみ)
所要時間
17:30より40分間
アドレス
0269-33-3131