NHK大河ドラマ『どうする家康』第12話コラム
こんばんは!旅行ブロガーにして、歴史地理コラムニストの旅人サイファです。毎週日曜日夜は、NHK大河ドラマ『どうする家康』コラムをお届けします。
筆者紹介
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かつて海道一と評された今川家。しかし、桶狭間の戦いで太守・今川義元を討ち取られてからは、その家勢は衰える一方。ついに北の甲斐から武田信玄が、そして西の三河から徳川家康が攻め寄せ、その命運は風前の灯になっています。
当主・今川氏真は、家康より5歳年長です。共に駿府で青春時代を過ごした2人。今回、劇中でも出てきましたが、2人は実際の兄弟かのように思いあっていたかもしれません。
『己を鍛えることを忘れぬ者であれば、いずれ天賦の才を凌ぐ。』
父・今川義元は、氏真を努力の人とみていたと描かれていました。
父が偉大すぎるがゆえに…その父の亡霊に振り回された節もある今川氏真。しかし、これは特別な例ではなかったようです。やがて信玄の後を継ぐことになる武田勝頼も…同じような境遇に陥りますし、また家康自身にとっても、その家を継ぐ嫡男・秀忠に同じ影がつきまとうことになります。「偉大すぎる父」と「小粒に見られがちな跡継ぎ」…歴史の皮肉ですよね。
なお、今川氏真は、掛川城の落城後、正妻の実家である小田原の北条家の元に身を寄せます。北条家では、敵対した武田への攻勢として、氏真を旗頭に駿河奪還を試みますが…その派兵は身を結ぶことはありませんでした。
こうして、北条家でも立場を失くした氏真は、ここで家康の元へ身を寄せます。家康も、かつては兄と慕った旧主君の子。特別な扱いながら家臣団に加えたようです。
氏真とその子供たちは、武蔵国内にいくつか知行地を与えられ生活していました。そのうちのひとつが、武蔵国豊島軍井草村。現在の東京都杉並区今川です。ここには、今川一族の菩提寺「観泉寺」があり、今川氏真の墓もここに現存しています。
かつては駿河、遠江、三河と100万石を越えたであろう領地を有していた今川氏真。戦国時代の武士にしては珍しく、戦に敗れ、国を失い、名誉すらもなくしてもなお生き続けた氏真。彼は晩年何を思い生きたのでしょうかね…。
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