『壬生寺』の見どころは新選組だけじゃない?
新撰組ゆかりの寺院として有名な『壬生寺』。実は1000年もの歴史を持つ古刹です。新選組の聖地としても知られていますが、ここ『壬生寺』の見どころはそれだけじゃありません!
筆者紹介
こちらは本業の傍ら全国47都道府県を旅して年間平均35泊!旅行プランナー/ブロガー「旅人サイファ」が執筆運営しております。
旅人サイファ
・スキルマーケット「ココナラ」にて旅行お出かけカテゴリ売上実績No1
・グルメサイト「ニッポンごはん旅」公認ライター
・スマートニュース/Yahoo!ニュースほかメディア掲載実績多数
・「にほんブログ村」国内旅行カテゴリPVランキング1位を記録
こちらは【年末年始京都旅行記】連載からの記事をお届けしています。
『壬生寺』の歴史
『壬生寺』は正暦二(991)年に、三井寺園城寺の僧によって開基されたという、大変長い歴史を持つ寺院です。
かつては園城寺(三井寺)と同じく天台宗の寺院で、開基当初は「小三井寺」とも呼ばれていたそうですが、鎌倉時代に全伽藍を焼失した後に律宗の寺院として生まれ変わりました。律宗の総本山は奈良にある「唐招提寺」です。律宗は戒律を重んじる宗派で、京都市内で律宗寺院はここ『壬生寺』の他数えるほどしかないという珍しい宗派のお寺なんです。
その後長らく、庶民から篤い信仰を受ける寺院として存続していましたが、歴史上その名が、クローズアップされるのが幕末のころです。
京都の治安維持のために結成された浪士組の駐屯地が『壬生寺』隣にある八木邸に指定されたことで、彼らは「壬生浪士組」と呼ばれることになります。そう!後に「新選組」となる組織の前身です。
『壬生寺』は、新選組の練兵場になり、武芸の訓練がここの境内で行われていたと伝わっています。あの近藤勇が、土方歳三が、そして沖田総司がこの場所で剣を振るっていたのです!そう考えると…少し胸がアツくなりますよね!
『壬生寺』へのアクセス/駐車場
『壬生寺』の最寄り駅は、嵐電の四条大宮駅と、ほぼ同じ場所にある阪急線の大宮駅です。両駅から徒歩で10分程度でたどり着きますので、アクセスは悪くありません。
お車の場合は、京都駅から15分ほどです。市街地を通りますので渋滞も考慮してください。京都市外からお越しの際は、名神高速道路の京都南ICが最寄りです。ICからおよそ20分ほどで『壬生寺』まで到着します。ただし、参拝者用の駐車場は用意されていませんので、周辺コインパーキングをご用意ください。
一夜漬けの神様も!?『壬生寺』の見どころ!
『壬生寺』は京都の寺院には珍しく、拝観料なしで自由に参拝させていただけます。境内に入るとすぐ右手に、小さなお社が建っています。
こちらは「一夜天神」と呼ばれる神社です。かの菅原道真公ゆかりの神社です。大宰府への左遷されることになった菅原道真公(天神様)が、壬生にいる親戚に挨拶をするためこの地に立ち寄り一夜を明かしたという逸話からこのお社は建てられました。
学問の神様が一夜を過ごした…ということで、「一夜にして知恵を授かる」という何ともありがたいご利益があるそうで、まさに「一夜漬けの神様」とも言えますよね(笑)単位がヤバい学生さんは…一夜漬けする前にこちらにお参りしてからにしてみてはいかがでしょう?(非推奨)
新選組の聖地「壬生塚」も必見!
参道を進むと右手に「阿弥陀堂」が見えてきます。こちらには、伝来の寺宝阿弥陀如来像が安置されておりお参りすることができます。また、売店も併設されていますので、御朱印やお守りもこちらで受けることができます。
さらに、新選組ファンは必見の「壬生塚」への入り口もここからになります。この先は拝観料が必要になりますが、新選組関連の資料や、初代局長である芹沢鴨ら新選組の志士たちのお墓や供養塔などもこの場所に置かれています。
阿弥陀堂と壬生塚を抜けると、そこにはお地蔵さまが立つお堂が建っています。こちらは「水かけ地蔵」と呼ばれているもので、水をかけて祈ると、ひとつだけ願いが叶うと信じられています。もちろん筆者もお願いしてきましたよ!
参道をそのまま進むと本堂です。こちら『壬生寺』の本堂は、昭和になってからの再建されたものです。実はここ『壬生寺』は昭和37年に放火によって焼失してしまっているのです。その後、宗派の本山である唐招提寺から延命地蔵菩薩を送られ、昭和45年に現在の姿に再建されています。
名物「壬生狂言」は年3回のみ開催!
また、『壬生寺』のもうひとつの名物がこの地で誕生した名物「壬生狂言」で、本堂の北側にある「大念仏堂」で行われています。
もともとは、鎌倉時代にここ『壬生寺』を再興した円覚上人が創始したものと伝わっています。上人は、拡声器などない当時のこと、群衆を前にしても分かりやすく伝わりやすい手法で仏の教えを説きました。それが台詞のない無言宗教劇でした。
現在は春(GW前後)、秋(体育の日前後)、冬(節分前後)の年3回だけ公開されており、なんと700年もの間絶えることなく連綿と受け継がれてきた伝統技能!なんと新選組の面々も当時この「壬生狂言」を鑑賞したという記録もあるそうです。
本堂こそ昭和になってからの再建ですが、その他の建築は当時から残っているものも多数あります。新選組が見た風景が残る『壬生寺』!見どころもたくさんありますので、ぜひ一度ゆっくりお参りにいらしてはいかがでしょう?
【年末年始京都旅行記】3日目はここ『壬生寺』からスタート!四条大宮周辺を朝のお散歩に回りました。この辺りは、穴場スポットが多くあまり観光客が多くないエリアですので、ゆっくり京都の空気を楽しみたい場合はおすすめです。次回は、祇園祭発祥の地へ向かいます。お楽しみに!
『壬生寺』の基本情報
アクセス
阪急京都線 大宮駅より徒歩
京都駅より車で15分
参拝時間
8:00-17:00
壬生寺歴史資料館は9:00-16:00
定休日
年中無休
参拝料金
参拝無料
壬生塚/壬生寺歴史資料館は大人300円
駐車場
周辺コインパーキング利用
アドレス
075-841-3381