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【歴史コラム】人類史上最大の敵…その悪魔の名は『飢餓』

人類史上最大の天敵とは?

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春…

 

厳しい冬の寒さを凌ぎ、ようやく訪れる温暖の季節。巷には花たちが咲き乱れ、一年のうちで最も美しい風景を作る季節とも言われます。

 

このように、明るく華やいだイメージのある「春」ですが…実は古来、春こそは最も恐ろしい季節でもあったのです。

 

筆者紹介

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飽食の時代

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現代の社会は、飽食の時代と言われています。コンビニエンスストアでは24時間食品が溢れていますし、Uber Eatsなどでは、家でスマホを弄れば食品が自宅まで届けられる時代ですよね。

 

現代に生きる人類(ホモサピエンス)が生まれてからおよそ500万年。そんな永い年月を経て生活する我々現代人には想像しにくくなっていますが、人類には、その歴史上避けて通ることができない天敵がいました。

 

長い長い歴史の中で…常に人類の存在を脅かし続けた、人類最大の敵。それは…『飢餓』、つまり餓えです。

 

餓死者が最も増えるのが春f:id:traveler-cipher:20230226180017j:image

実は、日本史の世界では、最も餓死が多い季節こそが…「春」だと言われています。

 

前年秋に、充分な量の米が収穫できていれば、もちろん問題ありません。通常の収穫量があれば、収穫し蓄えた米で、翌年まで充分に生活をしのぐことができます。

 

しかし、干ばつや低温などによって、思うように収穫量が上がらなかった場合は…翌年に悲劇が待っています。秋冬は何とか越せたとしても…蓄えた食糧が尽き、絶望的な食糧不足と対面しなくてはならなくなるのが「春」なのです。

 

初夏になり、本格的に夏麦が収穫される時期になると、餓死者は劇的に減ると言われています。しかし、その麦の収穫前の時期、つまり「春」こそが…最もが餓死者が増える時期なのです。

 

『飢餓』『餓死』というと…はるか昔に起きた悲劇のように思えますが、実はそれほど昔のことではありません、

 

江戸時代最大の飢饉とも言われた天明の大飢饉は、わずか200年ほど前の話です。この時は、東北地方を中心におびただしい数の餓死者を出しました。津軽藩で8万人、南部藩で10万人、仙台藩で40万人(!)といいますから…餓死の境をさ迷った人はその倍以上は居たことでしょう。

 

我々の人体は『飢餓』と戦えるように作られている!

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人類の歴史は、常にこの『飢餓』との戦いに多くの時間と労力を割いてきました。いかに糖質(穀物)を確保し、飢えから身を守れるか…これこそが人類の生きる目的と言っても良いくらい。

その証左は、我々の人体の設計にも現れています。

 

現代病の代表格とも言われる病気のひとつが「糖尿病」です。

この糖尿病は、1型糖尿病2型糖尿病のふたつに分けられます。このうち2型糖尿病は、いわゆる「生活習慣病」とされ、食べ過ぎや運動不足などによって、高くなりすぎた「血糖」を下げる働きが機能がしなくなる病気です。

 

1型糖尿病膵臓から分泌されるはずの「インスリン」が分泌されず、高過ぎる血糖を下げられなくなる病気で、原因不明とされています。

 

糖質は、穀物から接種される人類の生活に欠かせない物質です。米や麦、芋や蕎麦やとうもろこしなど、世界中であらゆる手段をもって栽培されている、命の源とも言える物質です。

 

我々の人体には、この「血糖」をコントロールする機能(内分泌ホルモン)がいくつか備え付けられています。あるホルモンは血糖を上げ、またあるホルモンは血糖を下げる。そんな役割分担を持って、人体の血糖をコントロール(糖代謝)しているのです。

 

血糖をコントロールする代表的なホルモン

インスリン

・グルカゴン

・アドレナリン

ノルアドレナリン

コルチゾール

・アルドステロン

・カテコールアミン

甲状腺ホルモン

・成長ホルモン

・ソマトスタチン


これら糖代謝を担うホルモンの中で、「血糖を上げるホルモン」がいくつあり、「血糖を下げるホルモン」がいくつあるか…ご存知ですか?

 

実は、これら血糖コントロールホルモンのうち、「血糖を下げるホルモン」は「インスリン」ただひとつしか存在しません。その他は全て「血糖を上げるホルモン」ばかりなのです。

 

これが何を意味するか…お分かりになりますか?

 

そう。人類とは本来『飢餓』に抵抗するために、わずかな食料でも血糖をキープできるようにそもそも作られた存在だということ。

 

つまり、現代の先進国のように『飢餓』から解放された状態は、長い長い人類の歴史でも異例中の異例!ごくごくここ最近数百年足らずのことだけなんです。

 

言うなれば、人体にとって『飢餓状態』こそがノーマル。少ない糖質をいかに高めるか、飢餓にどれだけ耐えられるか…をテーマに、我々の人体は作られていると言っても過言ではないのです。

 

逆に言えば我々の人体は、現代のような『飢餓』を知らない飽食の時代を生きることなど想定して作られていません。糖尿病(Ⅱ型)という、それまでの人類の食生活では考えられない病気が増えているのも、それを現すひとつの証拠と言えるでしょう。

 

先進国では確かに『飢餓』や『餓死』は忘れられた存在となりつつありますが、しかし現在も世界中には餓えに苦しむ人々がたくさん存在しています。

 

現代の先進国のように、食物がいつでも手に入るのは、決して当たり前ではありません。特に…米以外の食料自給率が著しく低い我が国。いつ何時、外国からの食糧輸入がストップし、再び『飢餓』との戦いの時代に戻されるやもしれないのです。

 

いざ再び食糧難の時代に戻されたとしたら…飽食に慣れた我々現代人は、どれだけ耐えられるでしょうか。

 

現代に生きる我々が『飢餓』を感じることなく生活できているのは、先人たちの努力の賜物なのです。