世界遺産『西芳寺』は『苔寺』とも呼ばれる美しい緑の世界!
まるで一面緑の絨毯!苔の庭園の最高峰とも言われるのが、洛西にある『西芳寺』です。その苔の素晴らしい世界は『苔寺』という別称からも察せられるほどの美しさ!その庭園はまさに「苔の絶景」です!
こんにちは!本業の傍ら全国の隠れた名所をご紹介している旅行プランナー/旅行ブロガーの旅人サイファです。今回は、5月末に訪れた【新緑の京都ひとり旅】から苔寺松尾大社周辺を回った際のレポートです。
『西芳寺/苔寺』へのアクセス/駐車場はある?
『西芳寺/苔寺』は、京都盆地の西の端に位置しています。最寄り駅は阪急嵐山線の「上桂駅」もしくは「松尾大社駅」。それぞれ、徒歩15分~20分ほどでたどり着きます。
京都駅方面からは、京都バスの70系統「苔寺・鈴虫寺」行きのバスに乗り終点まで。終点のバス停からは5分ほど歩くと『西芳寺』の入り口です。
駐車場はありませんので、周辺のコインパーキングをご利用ください。最も近いパーキングは「タイムズ鈴虫寺前第2」です。「苔寺/すず虫寺」バス停のすぐお隣ですが、8台分ほどしかキャパシティがありませんのでご注意ください。
『苔寺』は事前予約必須!拝観の手順は?予約方法は?
ここ『西芳寺/苔寺』の拝観は、完全事前予約制です。予約がない場合は一切拝観させてもらえませんので充分ご注意ください。
ふと思い立っても拝観できない、かなり高いハードルが立ちはだかっています。
拝観方法は2通り
①往復はがきでの申込み
予約期間→2ヶ月前~1週間前まで(必着)
参拝冥賀料→大人3000円
人数→1組5名まで
予約方法→往復はがきに拝観希望日時を記載して投函、拝観日の10日ほど前になると返送されてきます
返送されてきた参拝証がこちら!人数と日時が記載されていますので、指定時間にこの参拝証を持って現地へ行く必要があります。
1977年に事前予約制になってから長らく、『西芳寺/苔寺』の参拝予約は、この往復はがきによる予約が唯一の方法でした。
しかし、ごくごく最近(2021年)になって、ようやくインターネット予約が解禁になっています。
②インターネット予約での申込み
予約期間→1週間前~前日
人数→1組2名まで
参拝冥賀料→大人4000円(筆ペン付き)
予約方法→インターネット(PC/スマホ)
インターネット予約の場合は、予めこちらの都合で日時を指定することができます。ですので、前後の予定を立てやすいのが最大のメリット!その代わりに、参拝冥賀料が4000円とさらに高額に設定されています。
西芳寺/苔寺の歴史は?
遡ること1,300年前の奈良時代、聖武天皇の詔により、行基菩薩が畿内四十九院の法相宗の寺として開山しました。開山前の飛鳥時代、西芳寺があっま土地には聖徳太子の別荘があったと言われています。
平安時代初期には弘法大師が一時住し、鎌倉時代初期には法然上人が浄土宗に改宗。兵乱による荒廃の後、松尾大社の宮司藤原親秀の招請で、暦応2年(1339年)に当時の高僧であり作庭の名手でもあった夢窓國師が禅寺として再興しました。
足利義満や義政をはじめ、西芳寺を訪れて坐禅に励んだ者も多く、後に開山される金閣寺や銀閣寺など、室町時代を代表する庭園の原型になったといわれております。
35,000平方メートルに達する庭園は、国の特別名勝及び史跡に指定されており、平成6年(1994年)にはUNESCOの世界文化遺産「古都京都の文化財」の1つにも登録されました。現在は境内一面を覆う苔の美しさから、通称「苔寺」としても親しまれております。
日本の多くの禅寺は、禅宗の伝来・隆盛と機を同じくして、鎌倉時代に開山されましたが、西芳寺の開山は奈良時代の天平年間(729~749年)と伝えられており、1,200年を超える長い歴史を有しています。この歴史の長さは、宗派を変えながらも、その時代時代に根付き、人々を魅了してきた証でもあります
いやはや驚きです!なんと『西芳寺/苔寺』は、平安京ができるよりも遥か前、1300年もの歴史を持つ寺院だったんですね。
さらに驚きなのが、行基や弘法大師、法然上人、夢想国師といった数々の僧侶だけでなく、足利義満、義政や織田信長までもがこの地を訪れているということ!しかも金閣寺や銀閣寺にも影響を与え、その原型とも言われているとか!
西芳寺/苔寺の拝観順路は?
『西芳寺/苔寺』の拝観は、通常の寺院や庭園の拝観とは一風異なります。
指定された集合時間になると、係の方が門内より出て来られ、拝観の案内や注意点を説明して下さいます。この説明が終わるまで、内部には一切入れませんのでご注意ください。
その後は受付です。往復はがきの参拝証か、インターネット予約の返信メールを提示して受付を済ませます。
この後、参拝者はまず本堂に集められます。参拝証にも記載があるように、参拝者はまず本堂で写経を行います。往復はがきによるご予約の場合は、自身で筆ペンを用意しなければなりませんのでご注意ください。
写経席は本堂内。正座して文机に向かうと気持ちも"しゃん"としますね。足のお悪い方には、椅子席も用意されていますのでご安心ください。
今回行わせて頂いた写経は「延命十句観音経」というお経でした。それほど長いお経ではありませんので15分ほどで書き上げることができるはずです。気持ちを落ち着けて、一字一字に感謝を込めて写経します。
この写経は、持ち帰ることもできますし、本堂に納めることもできます。
この写経体験を終えると…ようやく庭園に足を踏み入れることができます。
西芳寺/苔寺の見どころはどこ?
『西芳寺/苔寺』の見どころは、その圧倒的な苔に覆われた庭園にあります。この緑色に輝く苔庭の見事なこと!
庭園内は、基本的に一方通行になっています。庭園の入り口から右手に1本の園路が延びていますので、分かりやすいかと思います。
園路を歩いてあると、途中、茶室が見えてきます。この茶室は、実は非常に貴重なもの!「湘南亭」と呼ばれるもので、千利休の養子である千少庵が作ったものとされています。
また、幕末の公家・岩倉具視が一時蟄居を命ぜられた折りにも、ここ「湘南亭」で隠棲していたとも言われています。こちらは国の重要文化財に指定されています。
ここ『西芳寺1苔寺』の庭園は中央に広大な心字池を据えた、池泉回遊式庭園になっています。右へ左へ、ぐねぐね曲がる園路に沿って歩いていると、まるで深山幽谷にさ迷い混んだかのような錯覚に陥ります。
それにしても…さすが苔寺!右も左も美しい苔に覆われています。こちらには、全120種余の苔が植えられているそうです…。
小さな起伏があるせいで、しゃがんで目を近付けると、本当に山の中!大草原が広がっているように見えてくるから不思議!
『西芳寺/苔寺』の庭園は、一周すると同じところに戻って来ます。ですから、「もう一度ゆっくり見たい!」と言う方はもう一周することも可能です。筆者も一周を撮影しながら、もう一周は撮影せずにじっくりと…と2周させていただきました。
今回は、偶然にも写経を終えたのが一番乗りでしたので、誰も居ない庭園をぐるり散策することができました。所要時間はおよそ50分ほどでしょうか。
いかがでしたか?京都の世界遺産の中でも最も拝観するハードルの高い『西芳寺/苔寺』。
京都が好きな方、そして庭園お好きな方は、ぜひ一度は訪れることをおすすめします。その美しい苔の世界に…ぜひ迷い込んでみてください!
さて!苔寺の参拝を終えたところで…そろそろ帰りの新幹線の時間が近付いて来ました。ちょうど京都駅行きのバスがやって来たのでそちらに乗り込み、京都駅へ向かいます。次回は、旅の〆に…絶品抹茶パフェを頂きます!お楽しみに!
西芳寺/苔寺
アクセス
阪急嵐山線 上桂駅より徒歩15分
京都バス 苔寺/すず虫寺バス停より5分
拝観時間
完全事前予約制
拝観時間は指定時間による(基本午前中のみ)
定休日
不定休
通常8/14.12/30-31は開門せず
拝観料金
往復はがきでの申込 大人3000円
インターネットでの申込 大人4000円
※小学生以下は拝観不可 年に数回お子さま参拝を実施
駐車場
なし 周辺コインパーキング利用
アドレス
075-391-3631