こんばんは!旅人サイファです!
NHK大河ドラマ【鎌倉殿の13人】ざっくりコラムをお届けします。※今週も訳あって一日遅れです。
まさかこんな形で曽我兄弟の敵討ちを描くとは!三谷大河恐るべし!
富士の巻狩に合わせた謀反劇!曽我兄弟は、当時「武家の誉れ」とされていた敵討ちのために蠢動します。
そもそも工藤祐経は、領土の後継争いで伊東祐親(あのじさまです)と揉めていました。実はじ彼は、本来自分が継ぐはずだった伊東領をじさまに奪われていたという過去があったのです。
この措置を深く恨んだ祐経は、長年じさまを付け狙います。そして、郎党に命じてじさまを襲撃!じさまは討ち漏らしたものの、お共をしていたじさまの長男・河津祐恭の殺害に成功します。
その殺害現場には、祐恭の子供がふたり残されていたといいます。彼らは、やがて母親に連れられて、再嫁した曽我祐信の子として育てられます。そのふたりの遺児こそが…曽我兄弟!
これまでの一般の物語では、曽我兄弟による義憤という、まことに天晴れなストーリーとして語られるのが常でした。
しかし!今回『鎌倉殿の13人』で描かれた敵討ちは…これまでのものとは様相が異なりました。
曽我兄弟が狙ったのは、父の仇敵・工藤祐経ではなく、ターゲットは鎌倉殿…頼朝その人!そう!もはや敵討ちでも何でもなく、頼朝暗殺計画だったのです。
災難だったのが、工藤祐経でした。
本来はターゲットでなかったはずの彼は、頼朝に頼まれて身代わりとして寝所で休んでいたところを、頼朝本人と勘違いされて討ち取られてしまいます。
寸でのところで難を逃れた頼朝でしたが、このまま暗殺犯を処刑にしてしまうと御家人たちに動揺が走ります。
ここで…近頃、色濃い陰を纏うようになったブラック北条義時の出番です。
曽我兄弟による謀反劇を、曽我兄弟による敵討ち劇にストーリーを変えてしまうことで、周囲の御家人も、てんやわんやの騒ぎになっていた鎌倉の動揺も抑えてしまうのです。
曽我兄弟には「敵討ちは天晴れ」としながらも、騒ぎを起こした責任を取らせ処刑。見事に辻褄の合うストーリーとしてしまいます。
結果的に、父親の仇を討つことができ、しかも後世に「日本三大敵討ちのひとつ」とも称されることになる、曽我兄弟の敵討ち。
政治家、そして参謀でもあるブラック義時の面目躍如といったところでしょうか。
ちなみに、工藤祐経の子孫は、姓を伊東に戻し、やがて日向国に下向します。幕末まで飫肥藩主として残った伊東氏は、彼の子孫です。
そして、前半の主役であった、頼朝の嫡男・万寿。巻狩では頼りない姿を見せてしまいました。しかしいざ暗殺劇の混乱の現場では、冷静に判断し指揮を取る姿は、さすが源氏の嫡男!
そんな彼にも…やがて悲劇がやって来ることを、我々は知っています。
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