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『淳仁天皇陵』淡路廃帝の眠る町を散策!【年末年始淡路島&小豆島旅行記】⑦

廃帝(はいたい/はいてい)」という言葉をご存知ですか?

日本でいう「廃帝」とは、即位していた正統な天皇が、内乱等でその座から引きずり落とされ、天皇の身ながら追放されて帝位を廃されることを言います。

 

日本の歴史上で「廃帝」の憂き目にあっているのは、長い歴史の中でわずかに二人だけ。

初代神武天皇から第126代の今上天皇(令和の徳仁天皇)までの間で、たった二人だけが、天皇位を剥奪され、歴史上無かったこととされるという悲劇の境遇に遭っているのです。

 

ひとりが第85代仲恭天皇。この方は、鎌倉幕府と朝廷との抗争である「承久の乱」に連座して廃位させられています。祖父の後鳥羽上皇(隠岐へ配流)や父の順徳天皇(佐渡へ配流)と共に罰せられて天皇の位を取り上げられているんです。

この仲恭天皇は、この当時わずか4歳(!)践祚(天皇位を受け継ぐこと)されてからわずか78日で廃されるという、在位期間が史上最も短い天皇でもあります。

 

この方の場合、践祚はされたものの、その短い在位の間に即位礼や大嘗祭といった儀式祭礼が行われなかったために正統な天皇とみなされず、その死後も諡号(●●天皇という名称)が贈られませんでした。

なんと、明治になるまで「九条廃帝」としか呼ばれなかったという悲劇的な天皇です。

 

そしてもうひとり。歴史上初めて「廃帝」という憂き目にあっていたのが…第47代の淳仁天皇(じゅんにん)、通称「淡路廃帝」です。

この方も「淳仁」と諡号されたのは後世になってからのこと。この方の場合はなんと、天皇に即位して、5年間も正式に政務を取っているにも関わらず…後に天皇位を廃されたために歴代天皇の数にも加えられていませんでした。

「第47代淳仁天皇」とされたのも、同じく明治時代になってからなんです。

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少し前置きが長くなってしまいましたが、こんにちは!旅人サイファです。

今回は、淡路島に訪れた際、どうしても手を合わせたかったスポットを訪れました。それがここ…『淳仁天皇 淡路陵』です。

 

ここ、淡路島に配流された淳仁天皇の悲劇。それは、前代、そして次代の天皇の名前を見るとどんな時代だったかが分かるはずです。

第46代 孝謙天皇

第48代 称徳天皇

実はこの2代の天皇は…同一人物なんです。一度退位した天皇が、再度天皇位に付くことを「重祚(ちょうそ)」といいます。

 

淳仁天皇は、孝謙天皇に指名されて後継者になったにも関わらず、退位したはずの孝謙天皇から失格の烙印を押されて廃位にされています。そして孝謙は、自ら再即位(重祚)し称徳天皇となっているのです。

 

この孝謙(称徳)天皇という人物は、かの道鏡事件の当事者として有名ですよね。淳仁天皇は、孝謙(称徳)天皇道鏡、そして当時の実力者・藤原仲麻呂の間で繰り広げられた政争に巻き込まれて…ここ淡路島に流罪となり、この地で亡くなっているのです。一説には天皇の命によって暗殺されたとも…。

 

淳仁天皇 淡路陵』は、「淡路廃帝」と呼ばれて、正式な天皇に数えてもらうこともできなかった悲劇の天皇の陵墓です。辺りには田んぼが広がるばかり。ほんの少し前まで平城京天皇として君臨していたにも関わらず…その時とは比較にならないほど、寂しい配流生活だったことでしょうね。

 

この日は早朝だったこともあり、他には誰もいません。「淡路廃帝」としてこの世を去った淳仁天皇に手を合わせ、その冥福をお祈りしてきました。

ちなみに、重祚した天皇はこれまでの歴史上で二人だけ存在しています。

重祚については別記事でまとめますね

 

さて、『淳仁天皇陵』へのお詣りを終えて、淡路島南部の中心港「福良(ふくら)」へやって来ました。
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港には大きな道の駅が建っています。この先は、海を隔てて四国徳島県

 
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敷地内には足湯もありました。年末年始のためか?感染対策か?この日はお湯が抜かれていました。残念!

 

あまり意識されて居ない方も多いですが、ここ淡路島南部の対岸に位置するのは、四国徳島の鳴門市です。そう!鳴門の渦潮で有名なところです。

鳴門海峡というのは、ここ淡路島南部と徳島鳴門の間にある狭い海峡で、この狭い海峡を海水が抜ける際に作られるのが「鳴門のうずしお」なんです!


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ですので、「鳴門のうずしお」の半分は兵庫県淡路島のものとも言えますよね。淡路島からも渦潮観光クルーズの船が出ていますので、機会があればぜひ!淡路島からのうずしおクルーズは船がお洒落!こちらは白い船体が美しい日本丸


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そしてこちらは勝海舟が作り、日本産の船として初めてアメリカに渡った船のレプリカ「咸臨丸(かんりんまる)」です。帆を開いた姿は優雅でしょうね!

 

さて!それではいよいよ!大鳴門橋を渡って四国へ上陸です!
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淳仁天皇 淡路陵

アクセス

神戸淡路鳴門自動車道 西淡三原ICより15分

 

拝観時間

24時間自由

 

定休日

年中無休

 

拝観料金

無料

 

駐車場

無料駐車場あり

 

アドレス

兵庫県南あわじ市賀集

0799-43-5232

 

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