本日放送のNHK大河ドラマ『青天を衝け』ざっくりコラムです。
ついに…時代が動きました。
場所は京都二条城。
徳川慶喜は、京にいる自らの家臣を集めこう宣言しました。いわゆる…『大政奉還』です。
(現代語訳)
○十月十四日の徳川慶喜の奏聞。
天皇の臣である、この慶喜が、謹んで日本の歴史的変遷を考えてみますと、昔、天皇の権力が失墜し藤原氏が権力をとり、保元・平治の乱で政権が武家に移ってから、私の祖先徳川家康に至り、更に天皇の寵愛を受け、二百年余りも子孫が政権を受け継ぎました。そして私がその職についたのですが、政治や刑罰の当を得ないことが少なくありません。今日の形勢に立ち至ってしまったのも、結局は私の不徳の致すところであり、全く恥ずかしく、また恐れ入る次第であります。まして最近は、外国との交際が日に日に盛んになり、ますます政権が一つでなければ国家を治める根本の原則が立ちにくくなりましたから、従来の古い習慣を改め、政権を朝廷に返還申し上げ、広く天下の議論を尽くし、天皇のご判断を仰ぎ、心を一つにして協力して日本の国を守っていったならば、必ず海外の諸国と肩を並べていくことができるでしょう。私・慶喜が国家に尽くすことは、これ以上のものはないと存じます。しかしながら、なお、事の正否や将来についての意見もありますので、意見があれば聞くから申し述べよと諸侯に伝えてあります。そういうわけで、以上のことを謹んで朝廷へ申し上げます。以上
本来、天子さま(天皇)から政権を預かっているにすぎない。諸外国との外交の最中、国をひとつにまとめねばこの国は滅びる。現在幕府が預かっている政権を一度天子さまの元へ結集し、政(まつりごと)をひとつにせねばならぬ。
この慶喜の英断によって、薩摩長州との全面戦争は回避されましたが…そのせいで、慶喜はやがて朝敵として追われることになります。
慶喜の目論見としては、過去500年も政治から遠ざかっている朝廷では、日本国の政治を行っていいくには心もとない。いずれ、この徳川宗家を首魁にした連合政権が成立するはず…と考えていたようです。
徳川追放に強く舵を取ることで、無理矢理に朝廷主導の国造りへと突き進んで行くことになります。
今回秀逸だったのは、慶喜による大政奉還の発表の言葉を北大路欣也扮する徳川家康が聞く…というシーン。
家康は、子孫であるこの慶喜の演説をどのように聞いたでしょうか。
一言も言葉を発せず、表情だけでその想いを表した演技は見事でしたね。
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