本日放送のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』ざっくり解説記事です。
冒頭の信長が参上したシーン。
ちらりと将軍義昭へ冷たい視線を投げたのを見逃しませんでしたか?
アップにするでもなく、プレイバックするでもなく、一瞬の目線だけの演技!
演出の真髄を見る思いでした。
前回の金ヶ崎の退き口以来、将軍義昭と信長の間に吹き始めた隙間風。
やがて大風となって吹き荒れることになります。
さて今回、明智光秀の命運を握る人物の一人である筒井順慶(つついじゅんけい)が登場しました。
やがて明智光秀の与力として、細川藤孝と並ぶ両巨頭になる存在です。
筒井順慶の家は大和に古くから続く豪族。
大和という土地柄、東大寺や興福寺といった寺社勢力と関係の深い家柄です。
この筒井順慶は紆余曲折、波乱万丈の人生を送ったことでも知られています。
父の若死により、わずか2歳で家督を継ぐことになった筒井順慶。
この時、筒井家の家来衆は、先代の死を秘すために「木阿弥(もくあみ)」という配下の僧を影武者として立てました。
やがて、跡継ぎの順慶が成人した後に影武者は不要となり、「木阿弥」は僧として寺に戻されます。
これまで影武者として重宝それていた木阿弥でしたが、お役御免になった途端…ただの一僧侶としての人生に戻ってしまうのです。
この故事は『元の木阿弥』という諺として、現在までも伝わっています。
筒井順慶は晩年、もう一つの諺として名前を残すことになります。
それは…明智光秀の運命を左右する一大決断になるとは…まだこの当時は誰も知りません。
いずれ重要なポジションを担うことになる筒井順慶。
この人も戦国という時代に翻弄された一人です。
次回です
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