『恐山菩提寺』は死者に会える場所?実は極上温泉にも入れる!
《日本三大霊場のひとつ恐山!境内には温泉も湧き、参拝者は無料で入浴できます!》
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こちらの記事は【下北半島ひとり旅】よりシリーズでお届けしております。
『恐山 菩提寺』の歴史
比叡山、高野山と並ぶ日本三大霊場のひとつがここ『恐山 菩提寺』です。
ここ恐山の歴史は古く、平安時代に慈覚大師・円仁によって開基されました。
古くから霊場として知られており、下北半島周辺では、死者はみな山(恐山)に上るという伝承があり、現在でも「死者が集まる山」とされています。
恐山はカルデラ湖である宇曽利山湖を中央にした釜臥山などの外輪山の総称です。「恐山」という単独峰はありません。
古くは宇曽利山「うそりやま」と呼ばれていましたが、転訛して恐山「おそれやま/おそれざん」と呼ばれるようになったとされています。
恐山が「死」を濃密に連想させるのは…その圧倒的な空間からでしょう。
恐山周辺は、火山ガスが濃厚なため草木がほとんど生えていません。また、宇曽利山湖の神秘的な色は、その性質が酸性のために魚がほとんど生息していないことも影響しているようです。
このような山中の荒涼とした風景が「地獄」を連想させることで…信仰の山として知られるようになりました。
そしてもうひとつ。死者の言葉を伝えるという「イタコ」の存在が、テレビ番組等で多数取り上げられたことで…ここ恐山は、死者の山/霊魂の山として全国的に知られるようになったのです。
なおイタコについて『恐山 菩提寺』は全く関与しておらず、八戸や青森から恐山の開山期間中のみ出張してきているとか。
『恐山 菩提寺』の見どころ
日本三大霊場のひとつ恐山。この地に建つ寺院が『菩提寺』です。
ここ恐山は、全ての死者が訪れる場所…とされ、昭和のころはテレビの心霊番組等でも盛んに取り上げられていました。当時は、ここで写真を撮ると心霊写真が映る…と話題になっていたんです。
たしかに…ここ恐山周囲は火山ガスのためか荒涼とした風景が広がっています。全体的に薄暗く色味の少ない世界が広がっているため…昔の人がここを「死後の世界」だと感じるのも無理はない…。
むつ市の市街地方面から恐山へ向かうと…クネクネと曲がる山道から視界が開け…目の前に宇曽利山湖という火山湖が現れます。
この湖畔に沿って、車をさらに走らせると…赤い橋が見えてきます。
実は、この赤い橋が架かる小川こそが…「三途の川」!これより先は…死者の世界とされています。
広い駐車場に車をとめて、表門へと向かいます。表門の傍らで拝観手続きを済ませて境内へ。
参道を進むと…。あった。ありました。
恐山名物の「イタコの口寄せ」!
イタコとは、東北地方に根付く民間信仰による職業で、霊的感作によって死者や動物などの言葉を伝える巫女のこと。一昔前の霊感番組では、死者の言葉を伝える存在としてクローズアップされていました。
イタコは、恐山には常駐しておらず、例年例大祭期間中になると青森県内から大挙して集まってくるようです。
ちなみに『恐山 菩提寺』は、宗教的にこれらイタコの営業には一切ノータッチ!あくまでも場所を貸し出しているだけ…という立場のようです。
境内には…死者を導くとされるお地蔵さまがたくさん。また、カラカラカラ…と、音を立てて回る風車が印象的です。この日は平日だったこともあり、周囲にはほとんど人がいません。風を受けて回り続ける風車がちょっと不気味。
さて、参道に戻りましょう。参道の中央にはたいそう立派な楼門が建っています。これは山門で、こんな山の中に…?と思えるほどの規模です。門の左右には金剛力士像が置かれています。
参道の両側には…なんだろう?小さな小屋か建てられています。これがまたびっくり!参拝を終えたら中に入ってみましょうね。
参道の突き当たりにあるのが、ご本尊を安置する「地蔵堂」です。こちらでしばし手を合わせました。南無。
っていうか、参道の中央にあるのに本堂じゃなくて地蔵堂なんですね。本堂は先ほど通った参道の脇にひっそりと建てられています。なかなか興味深い作りですよね。
この「地蔵堂」の建物もとても立派なもの。出来上がってからそれほど年月も経過していないように見えますね。ピカピカ。
先ほどの山門といい、この地蔵堂といいかなりの規模ですねこの寺院。さすがです。
地蔵堂の左手から…奥の院エリアになります。実はこの先がまたスゴかった!まさに地獄の世界が広がっているんです!
ですが?この先はまた見どころが多いので…ここから先のレポートは、また次回お届けしますね。
さて、いったん参道に戻って…先ほどの謎の小屋を見に行きましょう。小屋は参道の右側にひとつ。
反対側に2つ。寺務所の裏手にももうひとつあります。
この小屋…扉を開ける時注意してくださいね?扉を開けると…この風景ですから!
どん!
え!?は!?
なんと!温泉!しかも天然温泉かけ流しの硫黄泉なんです!
こんな立派な温泉浴場が…寺院の境内、しかもメイン参道のすぐ脇にあるなんて!こんなの日本でここだけじゃないですか!?
ここ『恐山 菩提寺』の境内には、このような温泉浴場が全部で4つ。
- 古滝の湯(男湯)
- 冷抜の湯(女湯)
- 薬師の湯(男女日替り)
- 花染の湯(混浴)
温泉小屋には「男湯」「女湯」「混浴」の看板が掲げられていますので、間違わないようにご注意ください。
あ。そうそう。この温泉には備え付けのタオル等はありませんので必ずご持参ください。また洗い場もありませんので、湯船に浸かるだけになります。
今回は薬師の湯に入りましたが…ここがまたスゴかった!
小屋に入ったら即脱衣場。そこで服を脱いだら湯船に直行!あ。洗面器は備え付けられているのでかけ湯は忘れずに。
この恐山温泉…入ってびっくり!
なんと白濁の硫黄泉!しっかりと硫黄の薫りが充満しています!天然のかけ流し源泉という極上温泉がね?なんと参拝者は無料!
え!ウソでしょ!?
普通に立ち寄り温泉の料金と考えても安すぎるほどの上質な温泉です。
寺院としても素晴らしい!
景勝地としても絶景!
そして極上温泉までも楽しめる!
ここ『恐山 菩提寺』は…三拍子揃った一流スポットでした!いや…素晴らしすぎるんですけど!?
温泉を堪能したら…次回は、奥の院エリアの絶景をご紹介しますね!
『恐山 菩提寺』へのアクセス/駐車場
『恐山 菩提寺』はむつ市街地から山を登った先に位置しています。
公共交通機関ご利用の場合は、JR下北駅から路線バスまたはタクシーでのアクセスとなります。
お車の場合は、むつ市中心部よりおよそ30分。境内に無料駐車場がありますのでご利用ください。
【下北半島ひとり旅】旅行記2日目。この日は下北半島の東中部を巡っています。日本三霊場のひとつ恐山菩提寺を参拝した後は…奥の院から宇曽利山湖の絶景をレポートします。お楽しみに!
『恐山 菩提寺』の基本情報
アクセス
下北半島縦貫道路 むつ尻屋崎ICより30分
営業時間
6:00-18:00
定休日
11/1~4/30まで閉山
入場料金
大人700円
駐車場
無料駐車場あり
アドレス
0175-22-3825