『上賀茂神社』は平安京建設前から鎮座する京都最古の神社!
平安京建設前から鎮座する、京都最古の神社『上賀茂神社』。この社の南にある「下鴨神社」とふたつでひとつの神社ですが…漢字が違うのはなぜ?
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こちらの記事は【初夏の京都~名古屋庭園巡り旅行記】よりシリーズでお届けしております。
『上賀茂神社』の歴史
京都市街地のの北方に位置する『上賀茂神社』。京都最古の神社として知られていますよね。この神社には、対になるもうひとつの神社があるんです。それが、賀茂川を下流に下ったところにある「下鴨神社」。こちらも同じく世界遺産に登録されています。
実はこの『上賀茂神社』と「下鴨神社」は、その源流はひとつ。現在ではふたつでひとつの「賀茂神社」と総称されます。京都最古のお祭り「葵祭」も、正式名称は「賀茂祭」!『上賀茂神社』と「下鴨神社」合同開催するお祭りなんです。
ここまで読んで…読者さんの中には疑問に思われた方も多いはず。
(上ガモと下ガモ!なんで漢字が違うのさ!)
そう!どちらの神社もそもそもはこの地を治めていた「賀茂氏」の菩提寺です。そんな賀茂の漢字は加茂とも鴨とも書き表されるので混乱しますよね?
上賀茂神社の正式名称は『賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)』
そもそも、ひと昔まで、漢字の当ては厳格には定められていませんでした。ですので、文献によっては「下鴨」「下賀茂」「下加茂」など様々な漢字で表記されているんです。「下鴨神社」の場合、たまたま通りの良かった「鴨」の字が残っただけで、深い意味はない…というのが真相のようですね。
なお、近くを流れる川も、神社の名前に合わせて漢字が異なります。上賀茂神社に近い上流部は「賀茂川」、下鴨神社近くで高野川と合流したあとは「鴨川」となります。
さて、今回ご紹介する『上賀茂神社』の御祭神は「賀茂別雷大神」です。下鴨神社の御祭神である「玉依姫」が生んだ御子こそがこの神様で、後にここ京都一帯を領した賀茂一族の祖ともされています。
この神社の歴史は相当古く、平安京が造営されるはるか前、天武天皇の時代には既に社殿が建立されていたとも言われています。やがて都が平安京に移されると、皇城鎮護の神社として一層篤い尊敬を受けることとなります。明治時代以降は近代社格制度で伊勢神宮に次ぐ官幣大社筆頭とされ、国内でも指折りの神社とされていました。
現在は、下鴨神社と共に世界遺産の構成要素の一つとして登録されており、本殿ほかは国宝、その他41棟は重要文化財に指定されています。
『上賀茂神社』の見どころ
上賀茂神社は下鴨神社から賀茂川沿いに3㎞ほど上流に遡ったあたりに鎮座している歴史ある神社です。一の鳥居をくぐると、そこには青々とした草原と白い玉砂利が印象的な広場に出ます。春には気持ち良いお散歩も楽しめますね。
玉砂利の参道を歩くと突き当りにこれまた大きな鳥居が現れます。こちらは二の鳥居。ここから上賀茂神社の中枢部分に入ります。
中央に建てられているのが「細殿」と呼ばれる建物です。その前に置かれている砂山こそ、上賀茂神社の象徴「立砂」です。この立砂は、上賀茂神社の御祭神が降臨した聖なる山、「神山」をかたどったもの。細殿に向かって右の立砂の上には二葉の松が、左の立砂の上には三葉の松が挿されています。この立砂は、土地を清める「清めの砂(その後清めの塩へ変化)」の発祥とも言われています。
さて、さらに足を進めると、やや右手奥に朱塗りの楼門が見えてきます。これは下鴨神社にも見られる楼門とほぼ同じもので、3階建てくらいの高さがある迫力の楼門です。これも上賀茂神社のポスターなどでよく使われていますね。
この楼門をくぐると、ようやく本殿に参拝することができます。下鴨神社では、ここに干支詣の小社で埋めつくされていましたが、ここ上賀茂神社ではそのようなものは無く広々としています。
下鴨神社は、本殿がふたつあり左右それぞれに御祭神が祀られていましたが、ここ上賀茂神社も同じように「本殿」と「権殿」が左右に並んで祀られています。ただし、ここ上賀茂神社は御祭神が一柱であるため、ひとつは「権殿」と呼ばれる仮の建物と言われています。ちなみに、この本殿と権殿では共に国宝に指定されています。
『上賀茂神社』へのアクセス/駐車場
上賀茂神社へは、電車の駅から離れていますので路線バスでのアクセスが便利です。
京都駅や出町柳駅からは、京都市バス4系統で上賀茂神社前下車、四条大宮駅からは市バス46系統で上賀茂神社前で下車すれば、境内まですぐバス停まで来ることができます。
その他、市バス9系統/37系統で上賀茂御薗橋バス停からでも、徒歩5分ほどでアクセスできます。
お車の場合は、京都駅からおよそ30分。敷地内には参拝者用有料駐車場がありますので、そちらをご利用ください。
『上賀茂神社』の基本情報
アクセス
京都駅より車で30分
参拝時間
8:00-16:45
定休日
年中無休
参拝料金
無料
駐車場
参拝者用有料駐車場あり
アドレス
075-781-0011