「立山黒部アルペンルート」ケーブルカーの乗り換え駅?『美女平』には何がある?
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こちらの記事は2022年10月末に訪れた【立山黒部アルペンルートモニターツアー】からの記事をお届けしています。
「立山黒部アルペンルート」とは?
「立山黒部アルペンルート」は、富山県と長野県の県境にそびえる北アルプス連峰を、様々な乗り物を乗り継いで越える、日本一の山岳観光ルートです。
富山県側から入ると…
- 立山駅→美女平駅 立山ケーブルカー
- 美女平駅→室堂 立山高原バス
- 室堂→大観峰 立山トロリーバス
- 大観峰→黒部平 立山ロープウェイ
- 黒部平→黒部ダム 黒部ケーブルカー
- 黒部ダム→扇沢 関電トンネル電気バス
と、6種の乗り物を乗り継いで長野県側へと抜けることになります。
ルート全てが絶景とも言える、素晴らしい観光ルートなんですが…、ほとんどの観光客…95%以上の方は、「室堂」と「黒部ダム」以外は散策しません。その他のポイントは、ほぼ素通り!ただの乗り換えポイントとしか思われていないかもしれない、残念なスポットになっているのです。
しかし!そんなあまり人に知られていないスポットにも様々な魅力があるはず!今回はそんな「立山黒部アルペンルートの定番の裏を行くモニターツアー」からのスポットをご紹介します。
それがこちら!「美女平駅」です。ここは、一般的には立山ケーブルカーと、立山高原バスの乗り換えスポットとしか認識されていません。しかも、ここは「立山黒部アルペンルート」の中でも最高クラスの混雑スポット!最盛期にはここで数時間の乗り換え待ち時間が発生することもあり、「乗り換えで混むところ」というイメージを強く持たれている方も多いことでしょう!
いやいやしかし!今回のツアーのコンセプトは「定番スポットの裏側」です!あまり人が訪れることのない「美女平」にはいったい何がある?
『美女平』へのアクセス
富山県側からアルペンルートに入った際の最初のチェックポイントになるのが『美女平』です。標高は977m、富山地方鉄道の立山駅からは、立山ケーブルカーでわずか7分ほどで到着します。
この立山ケーブルカーですが、かなりの急勾配を直登して、一気に500m近くの標高を駆け上がります。最大斜度は30°と言いますから…普通に登ろうとすると、這いつくばって登らないととても歩けません!わずかな乗車時間なので軽く見られがちですが、実はかなりすごい乗り物なんです!
ちなみに「立山黒部アルペンルート」は通年でマイカー規制が行われています。お車でのアクセスはできませんのでご注意ください。
『美女平』の見どころ!
先ほど述べた通り、ここ『美女平』は、立山ケーブルカーと立山高原バスの乗り換え地点となっています。そのため、行きも帰りも、先を急ぐ旅人たちは我先にと次の乗り物へ乗り込んでしまい、周辺を散策する人などほとんどいません。
ですが!実はここ『美女平』の周辺は、日本国内でも屈指の巨木が集まる「ツリーウォッチング」の聖地でもあるんです!駅前からは散策路も伸びていますので、立山の厳しい自然の中を生きる木々を眺めながらのトレッキングは最高なんですよー!
『美女平』の由来
そもそも『美女平』とって不思議な名称ですよね。どんな美女がいるのか…!と気になっている方も多いかもしれません。
実は『美女平』の由来となったのは、ケーブルカーの駅舎に隣接しているこの木なんです!
この木は「美女杉」!実はこの杉には伝説があります。
立山は、佐伯有頼によって開山されたと言い伝えられています。
有頼には、許嫁の美しい姫がいました。
ある時、有頼に逢いたい一心で、立山に登ってきましたが、有頼は山を拓くまで帰ることは出来ないと、すげなく姫を追い返しました。姫はしかたなく山を下りる途中、一本の杉に、
美しき 御山の杉よ心あらば
わがひそかなる 祈りききしや
と祈ったところ、後にその願いが成就して、二人はめでたく結ばれたと伝えられています。
そしてその後の世、この杉を「美女杉」と言い、この歌を三度唱えて祈れば、男女を問わず、わが恋は成就すると信仰されています。
また、この美女杉の?ある辺り一帯を「美女平」と呼ぶようになりました。
この美女杉は、ターミナルを出てすぐ隣に植えられていますのでぜひお立ち寄りください!
『美女平』を散策!
標高977mの『美女平』は、ブナなどの広葉樹と立山杉などの針葉樹が混在する森林地帯です。注目すべきは、その木々の巨大さ!樹齢1000年を越えているような巨木の原生林が広がり、その中を3本の遊歩道が伸びています。
- 内回りコース 所要60分
- 中回りコース 所要110分
- 外回りコース 所要150分
今回我々一行は、内回りコースよりもさらに短いおよそ30~45分程度で回れるコースを散策しましたが…それでも見応え充分でした!何せ、息を呑むような巨木があちらこちらに点在!大きなものにはそれぞれユニークな名前も付けられています。
こちらは「子育て杉」!元々2本の杉が合一し、さらにその中央部分に別の木の種が落ちて発芽したものです。まるで、夫婦二人が、真ん中の子供を大切に育てているかのように見えるのが愛らしいですよね。
散策路は、森林地帯の真ん中に道が付けられています。多少アップダウンもありますので、トレッキングシューズが適しています。
ちなみに、ここ立山一帯は、江戸時代は加賀藩前田家の領地でした。この地で育つ「立山杉」は、今で言うブランド木材!加賀藩の許しがなければ切り出すことができなかったとか!雪深い立山の山中で育つため、寒さにも強い木材で、当時からかなり重宝されたようです。
立山の山内でも1.2を争うような巨木があるのもここ『美女平』辺り!数100年~1000年近くを生きてきた立山杉を眺めて歩く、ツリーウォッチングツアーはもう感嘆レベル!長い年月を生きてきた巨木からエネルギーを頂いて散策することができます!
「立山黒部アルペンルート」の中でも、なかなか立ち寄る人の少ない『美女平』。実は巨木に囲まれたパワースポットでもあります。ぜひ一度、ゆっくりと散策してみてください。観光地化しきっていない、生の立山の大自然を味わえますよ!
さて、いよいよ始まった【立山黒部アルペンルートモニターツアー】。今回は、定番コースではほとんど立ち寄らない『美女平』を散策し、改めてその魅力を再発見できました!この次は、こちらもまた立ち寄る人の少ない絶景ポイント「弥陀ヶ原」を散策します!お楽しみに!
『美女平』の基本情報
アクセス
(立山黒部アルペンルート内)
営業時間
ケーブルカー営業時間に準ずる
定休日
11月~4月半ばはルート閉鎖
駐車場
なし(マイカー乗り入れ不可)
アドレス
076-432-2819
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