京都三大葬送地とは?京都の地名で「野」が付いていたら要注意!
鳥辺野、蓮台野、化野…京都盆地の周辺部には「~野」と付く地名が散見されます。これ実は…曰く付きの土地なんですよ。
筆者紹介
こちらは本業の傍ら全国47都道府県を旅して年間平均40泊!旅行プランナー/ブロガー「旅人サイファ」が執筆運営しております
旅人サイファ実績
・スキルマーケット「ココナラ」にて旅行お出かけカテゴリ売上実績No1
・グルメサイト「ニッポンごはん旅」公認ライター
・スマートニュース/Yahoo!ニュースほかメディア掲載実績多数
・「にほんブログ村」旅行ブログPVランキング1位を記録
こちらは【歴史コラム】シリーズより記事をお届けしております
京都の地名には秘密がある?
1000年の都と称される京都。平安京が作られてから、天皇のお膝元として栄えた、日本史上でも最も重要な場所のひとつです。
東山、北山、西山…と、三方を山に囲まれた盆地に作られた京の都は、特徴的な地名が多く付けられています。
そんな京都の地名のうち、「鳥辺野」「紫野」といった「野」が付く地名が京都盆地外れに散らばっているのをご存じですか?
京都で「~野」という地名があったらそこは…?
京都盆地で特に有名な「~野」と付く地名がこちらです。
- 鳥辺野
- 蓮台野
- 化野(あだしの)
実は…これらはすべて「埋葬地」なんです。
古代まで、庶民の葬式は風葬や土葬が主流でした。現代のように火葬が一般化したのは明治半ば以降と言われています。
平安時代、京都の町には10万人前後の住民がいたそうです。しかも…当時はたびたび疫病が発生し、そのご遺体の処理は大きな課題でした。
そのため京都では、盆地の平野部から山へと向かう斜面地帯に埋葬地を設け、死体は野ざらしにして風葬にしていたとされています。鳥に食べさせてご遺体を処理する、鳥葬を行った例も多かったともされています。
そんなご遺体の処理を行っていたのが、先ほど挙げた場所なんです…。
東の鳥辺野
京都盆地の東の端、清水寺や大谷本廟があるあたりが「鳥辺野」です。今でこそ清水寺の参道を中心に観光客で賑わうエリアですが、本来は京都の東端で寂しいところでした。
親鸞の墓所である大谷本廟があるのが、そもそも鳥辺野ですし、藤原道長もここ鳥辺野で荼毘に付されています。
大谷本廟の裏手には、浄土真宗の広大な墓地があるのも、葬送地としての鳥辺野の名残でしょう。
北の蓮台野
現在、船岡山の西側には「蓮台寺」という寺院を中心としているのが「蓮台野」です。東山の鳥辺野と同じく、北山に向けて傾斜が始まる登り口に辺ります。
現在は周辺の都市化もあり、葬送地としての雰囲気はほとんどが失われています。
西の化野
嵐山の北、嵯峨野の最奥地にあるのが化野(あだしの)です。ここには浄土宗の「あだしの念仏寺」があり、かつての葬送地の雰囲気を今もよく残しています。
あだしの念仏寺の境内にある「西院河原」には、無数の石仏石塔が並んでいますが、これらはかつてこの地に葬られた人々のお墓!長い年月を経て無縁仏になっていたものを集めて、この地で供養しています。
この他にも、京都には…
- 平野
- 北野
- 紫野
- 嵯峨野
- 大原野
といった「野」が付く地名もあります。もちろんこれら全てが葬送地ではないでしょうが、もしかしたら…これらも、古くは葬送地であったかもしれませんね。