東大寺のお隣!『依水園』は奈良で最も美しいともいわれる日本庭園!
奈良東大寺のお隣に、知る人ぞ知る素晴らしい日本庭園があるのをご存じでしたか?それが『依水園』!奈良で最も美しいと言われる日本庭園をレポートします!
筆者紹介
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こちらの記事は【紅葉の京都奈良旅行記】よりシリーズでお届けしております。
『依水園』の歴史
奈良県で最も美しいとも評される日本庭園がここ『依水園』です。この庭園は東大寺に隣接する1.1万平米にもおよぶ広大な敷地を持ち、国の名勝に指定されています。
『依水園』の庭園は、「前園」と「後園」のふたつのエリアに別れていますが、実はこれらは元々別のものでした。
元々この地にあったのは「前園」部分で、江戸時代に奈良晒を扱う御用商人・清須美道清が別邸として作り上げたものと伝わっています。「前園」は周囲を塀や木々に遮られた閉じられた空間となっており、茶室を中心に作られています。
「後園」は、前園とは打って変わって開放的な作りになっています。こちらは明治時代に実業家・関藤次郎が作り上げた池泉回遊式庭園となっており、遠くに見える若草山や東大寺南大門を借景として取り入れているのが特徴です。
昭和初期に、海運業で財を成した中村準策が両園を買い取り、「前園」「後園」を複合した『依水園』として再整備しました。
園内には、中村家が所蔵する美術品などを集めた「寧楽美術館」も併設されています。
『依水園』の見どころ
奈良で最も美しいお庭ともいわれる『依水園』へとやって来ました。こちらは奈良公園のすぐお隣。東大寺へ向かうバス通りから北へ一本入った場所に入り口があります。
ここ『依水園』は前園と後園のニ部構成になっており、それぞれ違った趣きを楽しむことができる作りになっています。
順路通りに進むと、まずは後園を回ってから前園に至るコースで鑑賞することになります。
ですが…ここはちょっとしたウラ技を。受付で拝観手続きをする手前には茅葺きの古民家「三秀亭」が建てられていますが…こちらはお抹茶やスイーツをいただける茶店になっています。まずはこちらでお抹茶等をいただくと!
ご覧の通り!通常は見られない位置から前園を楽しむことができるんです!
邸内の様子はご覧のとおり。椅子やテーブルがいくつか置かれていますので、お気に入りの風景が見える席で、のんびり寛いでください。
筆者はお抹茶&最中付き(1000円)と…
ぜんざい(900円)をいただきました。奈良の町を歩いて疲れた時にはもってこいの休憩場所でもあります。
三秀亭の邸内からは前園を一望できます。ここは池泉回遊式の庭園になっており、周囲は木々が生い茂り視界は狭められています。周囲と隔絶された小世界が作られているんですね。
こんな素敵なお庭を眺めながらお抹茶やぜんざいをいただけるなんて…なんという贅沢な空間でしょうか。
ちなみに、ここは有料拝観エリア外ですので、前園を眺めるだけでしたらここでお茶するだけでもOKですよ。
さて、ゆっくりお茶と前園のお庭を楽しんだら…『依水園』の受付へ向かいましょう。拝観受付は、三秀亭を出て右裏手になります。ここで拝観料を支払います。
もうね。ここからがスゴかった!
受付を過ぎると、目の前に広大な後園が広がっています。こちらも大きな池を中心とした池泉回遊式庭園ですが、前園とは異なり、視界が広く取られています。
池の向こう側には、東大寺南大門の大屋根、若草山、春日山までもが借景に取り入れられています。ものすごいスケール感!空が広く見える作りになっていますので、ものすごく広大なお庭に見えますよね。
この日は無風だったため、池がまるで鏡のように青い空を映しています。うおおおおー!美しいー!
角度を変えて左手を見ると、池を囲む築山にツツジでしょうか?美しい刈り込みが点在しています。その周りにはわずかに紅葉した木々も見えますね。これら全てが池に映って…素晴らしいリフレクション!
順路に沿って歩を進めると…今度は徐々に視野が狭くなると共に小高い坂を上がる形になります。ここまで来ると、先ほどまでの解放感いっぱいの風景とは激変!まるで山の中。深山幽谷の世界へ迷い込んだかのよう…。
池をぐるりと回るように歩を進めると、石組の合間から大池越しの風景が視界へ飛び込んできます。この場面変化の見事なこと!ゲストはその視野を完全にコントロールされます。素晴らしい作庭技術ですね。
後園の散策を終えたら、次は前園へと誘われます。前園は先ほどお抹茶をいただいた茶店を今度は反対側から見る形になります。
こちら前園は周囲を木々で囲われているため、周囲の雑踏から隔絶された空間になっています。後園とは一味違った良さがありますので、こちらを好まれる方も多いはず!
前園後園と、ひとつの庭園の中でも全く雰囲気の異なるふたつのお庭を有する『依水園』!奈良で最も美しいとの噂に違わぬ素晴らしい庭園でした。
奈良といえば東大寺や奈良公園ばかりがクローズアップされがちですが…ここ『依水園』も非常に素晴らしい庭園です。ぜひ合わせてお立ち寄りくださいね!
なお、入園料には併設する「寧楽美術館」の入館料も含まれています。お時間ありましたら、ぜひ内部までご見学なさってください。
『依水園』へのアクセス/駐車場/所要時間
『依水園』は、奈良の大仏で有名な「東大寺」のお隣にある日本庭園です。
最寄り駅は近鉄奈良駅で、駅からは徒歩15分ほど。東大寺や春日大社へ向かう道すがらですので合わせてお立ち寄りください。JR奈良駅からは路線バスでのアクセスが便利です。
お車の場合は、名古屋方面からは名阪国道天理東IC、京都方面かり京奈和自動車道の木津IC、大阪方面からは西名阪自動車道の天理ICから、それぞれアクセス可能です。専用駐車場はありませんので、奈良県庁や東大寺南大門駐車場などをご利用ください。
お庭をざっと回るだけでしたら45分ほどで鑑賞できます。併設する美術館もお楽しみいただく場合は、60分~75分ほどお時間みておくと良いでしょう。
【紅葉の京都奈良旅行記】2日目。この日は奈良方面のスポットをめぐっています。『依水園』の美しい庭園を鑑賞を終えて…次は世界遺産の神社へ向かいました。次回は「春日大社」をレポートします!お楽しみに!
『依水園』の基本情報
アクセス
名阪国道 天理東ICより20分
京奈和自動車道 木津ICより30分
営業時間
9:30-16:30
定休日
毎週火曜日
年末年始(12月末~1月中旬)
入場料金
一般1200円
高校大学生500円
小中学生300円
駐車場
なし
奈良県庁ほか周辺コインパーキング利用
アドレス
0742-25-0781