『石上神宮』は神の剣を祀る歴史ある神社!古事記に「神宮」と書かれるのは伊勢とここだけ!
地上界を平定した天界の神が持っていた剣「布都御魂」を祀る神社が、奈良県天理市にある『石上神宮』です。
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こちらの記事は【紅葉の京都奈良旅行記】よりシリーズでお届けしております。
『石上神宮』の歴史
奈良県天理市にある『石上神宮』の御祭神は「布都御魂大神(フツノミタマ)」という神様です。
実はこの神様…神話にも登場する霊剣「布都御魂剣」という剣に宿る神様なんです!
布都御魂剣は、神話にも度々登場する剣です。
- 素戔男尊(スサノオ)が八岐大蛇を退治した際に持っていた(※異説あり)
- 国譲り神話で建御雷神(タケミカヅチ)が、葦原中つ国(日本列島)を平定するために用いた
- 神武の東征にて熊野でピンチに陥った際に神託があり神武天皇の手に渡った
…など、日本神話の様々な場面で登場する本邦でも有数の霊力をもつ剣です。
もともとこの「布都御魂剣」は、古代の軍事一族である物部氏によって宮中で祀られていました。しかし、崇神天皇の時代に宮中から出され、山辺郡布留山へと移されたのが『石上神宮』の創建と伝わっています。
当時は物部氏の管理のもと数多くの神宝や武具が納められていたようです。一説にはヤマト政権の武器庫としての役割もあったとか?物部氏は古代の軍事氏族ですしね。
驚くことに、当時の『石上神宮』には本殿はなく、拝殿の奥にある「禁足地」を聖地としてお祀りしていたようです。これは、日本最古の神社とされる「大神神社」なと同じ!そのため、ここ『石上神宮』も日本最古級の神社ではないか?とも言われています。
しかも興味深いのが、この禁足地!明治時代に周辺を発掘したところ…禁足地であったまさにその場所から布都御魂剣や天羽々斬剣(アメノハバキリ)とされる剣などが実際に発掘されているのです!
また、古代に百済国から送られたという「七支刀」(国宝)も、ここ『石上神宮』に保管されていますから…まさにここは霊剣の聖地!現在はかつて禁足地だった場所に本殿が作られています。
ちなみ…古事記において「神宮」と称されるのは伊勢神宮とここ『石上神宮』のただふたつのみ!非常に重みのある、日本を代表する神社のひとつともいえますね。
『石上神宮』の見どころ
『石上神宮』は天理市の市街地東方、少し坂を上った高台に鎮座している神社です。駐車場に車をとめて歩くと…鬱蒼とした森の中にお社があるのが分かります。
鳥居で一礼して参道を進みます。山の一画を切り開いて神社としたのでしょうか。細かなアップダウンがありますね。緩やかにのぼりながら本殿を目指します。
少し開けたところに出ました。正面に見えてきたのが本殿のあるエリアです。
この周辺では鶏の鳴き声が響いています。彼らは神の使いとされ、境内で大切に飼われています。東天紅や烏骨鶏といった堂々とした鶏さん多く、時々境内を放し飼いでお散歩している姿も見られますよ!
早速本殿へ…と思うところですが、まずは右手の高台へ。ここにあるのは、なんと国宝の「出雲健雄神社拝殿」!元々は、鳥羽天皇によって創建された「内山永久寺」の境内に建てられていたもので、寺が廃絶した後でこちらへ移築され保存されているんです。
知らないとスルーしてしまいがちですが…超貴重な文化財ですのでお見逃しなく!
この出雲健雄神社の周囲には、摂社のお社が並んでいますので、ぜひゆっくりご参拝ください。
さて、いよいよ本殿へ!本殿へは楼門をくぐって参拝します。
この楼門もまた見事!屋根の反りが特徴的ですね。どこか京都の石清水八幡宮の楼門にも近いイメージがあります。この楼門も国の重要文化財に指定されています。
楼門を抜けると、正面に拝殿が見えてきます。この拝殿は国宝指定!白河天皇によって皇居内の神嘉殿を移築したものとの伝承もあります。
この拝殿は、丹色で非常に奥深く落ち着いた色合いをしています。あまり傷んでいるようにも見えませんが…これで1000年近く前の建築物ですからね?驚きです。
拝殿の向こう側には本殿の屋根がわずかに見えています。この本殿が建てられているのが、かつて「禁足地」とされていた場所。ここから、伝説としか思われていなかった二本の剣が発掘されているんです!
また、ここ『石上神宮』に伝わるもうひとつの伝説の剣が、国宝「七支刀」!ゲーム等でも登場していますから、ご存じの方も多いかも!
この「七支刀」は古代に百済王家からヤマトの天皇家へと送られたものとされ、表裏に61の文字が刻まれています。この「七支刀」の実物は、この『石上神宮』の神庫にて厳重に保管されています。
『石上神宮』へのアクセス/駐車場/所要時間
『石上神宮』は、奈良県天理市の市街地東方に鎮座しています。天理市といえば…天理教が有名ですが、その天理教の本部のちょうど裏手に当たります。
JRや近鉄の天理駅からは、徒歩30分ほどかかります。路線バスもありますが本数が少ないため、タクシー利用がおすすめです。
お車の場合は、名古屋方面からは名阪国道の天理東ICより5分ほど、大阪方面からは東名阪自動車道の天理ICより15分ほどです。境内に参拝者用無料駐車場がありますので、そちらをご利用ください。
ひと通り参拝するだけでしたら、30分ほどあれば回ることができます。境内をじっくり見て回りたい場合は、45~60分ほどかけると良いでしょう。
【紅葉の京都奈良旅行記】2日目。この日は奈良方面のスポットをめぐっています。国宝の「石上神宮」の参拝を終えた後は、戦艦大和ゆかりの神社に向かいました。次回もお楽しみに!
『石上神宮』の基本情報
アクセス
名阪国道 天理東ICより5分
西名阪自動車道 天理ICより15分
開門時間
5:30-17:30
定休日
年中無休
参拝料金
無料
駐車場
無料駐車場あり
アドレス
0743-62-0900