新潟県燕三条市?実は燕市と三条市は別地方!
新潟県燕三条市。新潟県内を代表する工業都市として知られていま…え?なに?そんな市はないって?え?あ。そうか!「燕三条市」なんていう市は存在しません!
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こちらは【地理コラム】よりシリーズで記事をお届けしております。
燕三条市は存在しない!
新潟駅へ向かう上越新幹線。新潟駅のひとつ手前に「燕三条駅」という印象的な駅が存在します。
現在では駅名が定着しているため、「燕三条」とセットで扱われることが増えました。
そのせいか?中に「燕三条市」という市があると勘違いしている人も多いかもしれません。
実はこの勘違い、TV番組でもたまにみられるんです。ご覧のようにテロップでデカデカと「燕三条市」と表記したり!TVスタッフですら、「燕三条市」が実在していると思い込んでいる方がいるみたいなんですよね。
しかし!「燕市」と「三条市」は全くの別物!今だかつて「燕三条市」などという自治体が生まれたことはありません!
しかも面白いことに、上越新幹線の止まる「燕三条駅」は、ちょうど「燕市」と「三条市」の中間点、市境に位置しているんです。
JR燕三条駅はその大部分が「三条市」。残りの1/3くらいが燕市になっています。燕三条駅の駅舎は、行政上も三条市の施設となっています。
ちなみに並走する関越自動車道のICは「三条燕」と逆転しているのも面白いですよね。地図上で見ると、この「三条燕IC」は燕市に作られているように見えますが、こちらも登記上は三条市になっているそうです。
なお、時系列的には…
①関越自動車道の三条燕IC完成
と、燕三条駅の方が後にできています。
しかも!ですよ!この燕市と三条市にはもうひとつ知られざる事実があるんです。
実は…新潟県内の地方区分では「燕市」と「三条市」って、別々の地方なんです。
新潟県の4地方
東北部から南西部に渡って、弓なりの県土を持つ新潟県は、県内を4つの区分に分けられています。
北を上とする地図上では、上側に下越地方が来るので違和感ありますよね?
これ、実は古代から区分されいる伝統的な地方分けです。
新潟県の本土部分は、かつて令制国で「越後国」といいました。そして、その越後国のうち、当時の都(京都奈良)に近い方を「上」、遠い方を「下」としたんです。
そのため、地図上で上側に見える東北側が「下越地方」、中央が「中越地方」、下側に見える南西側が「上越地方」と区分されているのです。
燕と三条は地方も別々!?
そんな、「上越」「中越」「下越」の区分ですが、実はちゃんと線引きがされています。
上越地方(旧頸城郡)
燕は下越地方!三条は中越地方!
さてここからが問題!
実は、すぐ近くで隣り合う「燕市」と「三条市」は、元々同じ郡にも属していないんです。
そして…旧西蒲原郡は「下越地方」!旧南蒲原郡は「中越地方」!
ということはつまり!
県内の地方区分ですら、ここに分断線が引かれているんです。
これ、実は当の「燕市民」「三条市民」にもあまり知られていません。
燕市民は、三条市も同じ「下越地方」だと思っているし、反対に三条市民も、燕市を「中越地方」だと思っている場合が多いようです。
ちなみに、2007年には「平成の大合併」の流れを汲んで、燕市と三条市含めた広域合併が協議されたこともあります。
しかし…燕市で行われた住民投票では「合併反対派が多数」!という結果を受けて、合併協議は頓挫したと経緯もあります。
現在では、燕市と三条市をひっくるめた「県央地域」という新たな概念も登場していますが…古来からの「上越、中越、下越」の地方区分に比べると認知度はイマイチです。
上越新幹線の駅名のおかげで「燕市」「三条市」よりも、『燕三条』という駅名称の方が有名になっているために起きた混乱。
しかし!いまだかつて「燕三条市」という市は誕生したことはありません!それに「燕市は下越地方」「三条市は中越地方」と、別々の地方だということも、あまり知られていません。