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【島根】必ず出雲大社参拝の前に!『稲佐の浜』は神々が降り立つ聖地!

稲佐の浜』は日本中の神様が降り立つ聖地!ここは神話・神事の現場!

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出雲大社へ参拝する前に…ぜひ立ち寄っておいて欲しい場所があります。それが、大社の西にある海岸!ここは『稲佐の浜』と呼ばれる神々が降り立つ聖地でもあるんです。

 

筆者紹介

こちらは本業の傍ら全国47都道府県を旅して年間平均40泊!旅行プランナー/ブロガー「旅人サイファ」が執筆運営しております。

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こちらの記事は【サンライズ出雲で行く出雲神社めぐり旅行記】よりシリーズでお届けしております。

 

 

稲佐の浜』の歴史

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出雲大社」の西1kmほどのところにある浜辺は、『稲佐の浜』と呼ばれる海岸線が広がっています。

 

ここ『稲佐の浜』は、出雲神話における重要な場所!出雲の聖地のひとつともされる大切な場所なんです。

 

国引き神話

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スサノオノミコトが降り立ったころの出雲の国は、国土も狭く国として不充分でした。

 

スサノオの子孫ともいわれる八束水臣津野命(ヤツカミズオミツヌノミコト)は、この狭い国土を憂い、日本海の沖合いを遠望したところ…朝鮮半島能登に、誰も住んでいない余った土地があることを発見します。

 

彼は、絶対に切れないような頑丈な綱を用いて、片側を大山、もう片側を三瓶山に縛り付け、それらの余っていた土地へと引っかけてここ出雲に持ってきます。

 

新羅(朝鮮半島南部)、隠岐能登などから引っ張り持ってきた土地は、現在宍道湖の北方に横たわる「島根半島」となった…とされています。

 

なお、この時に土地を引っ張ってきた二本の綱は、西側は薗の長浜(稲佐の浜)、東側は弓ヶ浜(皆生温泉のあるあたり)になったとも伝わっています。

 

つまり!ここ『稲佐の浜』は、神が引っ張った綱の後なのです!あくまで神話上のお話ですけどね。

 

国譲り神話

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また、天照大神(アマテラスオオミカミ)が派遣した使者と、出雲のオオクニヌシが話し合った「国譲り」の現場もここ『稲佐の浜』であったとされています。

 

天界である高天原から地上に追放されたスサノオは、ここ出雲の土地を開拓し、実り豊かな国へと育てました。

 

高天原から地上を見ていたアマテラスは、栄える出雲国を見て(地上界を我が子孫に治めさせよう)と、使者を送ります。

 

この時、出雲を治めていたのはスサノオの娘を妻としていた大国主命(オオクニヌシノミコト)でした。

 

オオクニヌシの元へやってきたアマテラスは使者として「経津主神(フツヌシ)」「建御雷神(タケミカヅチ)」を派遣します。

 

彼らは地上に降りると、出雲の『稲佐の浜』へ赴き、オオクニヌシと会談します。そして「天照大神は我が御子がこの国を治めるべきと申されておる」と要請を伝えます。これは会談といっても…むしろ脅迫に近い圧迫でした。

 

このオオクニヌシは「分かった。子の事代主神(コトシロヌシ)が代わりに返答する」と答えます。

 

そこで、使者は島根半島突端の美保で漁に出ていたコトシロヌシの元へ赴きます。彼は使者たちの圧迫に「畏れ多いことです。お言葉通りこの国を差し上げましょう」と伝えると、船をひっくり返して海の底へと姿を消してしまいました。これは、使者たちに呪いを返す行動だったとも言われています。

 

使者たちが『稲佐の浜』へ戻ると、オオクニヌシのもうひとりの息子「建御名方神(タケミナカタ)」が異を唱えてきました。

 

タケミナカタは力自慢で知られた武神。彼は『稲佐の浜』で、アマテラスの使者「タケミカヅチ」と一対一の対決に挑みます。しかし…この戦いはタケミカヅチの圧勝!

 

タケミナカタは東へと逃げに逃げ、やがて信濃国諏訪で降伏します。そして、今後一生この地を出ないという条件で赦されます。タケミナカタは…「諏訪大社」の神として現在も祀られています。

 

神迎祭

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古来、日本の10月は「神無月」と呼ばれる月でした。これは、日本国中の神様がみな出雲へ終結し、その年の行く末を決める会議「神議り」が行われるためです。

 

日本中の神様が不在となり皆が出雲に集まる…ということは、全国の他の町は「神無月」でも出雲だけは逆!出雲に取ってみれば、神様だらけの超重要な月なんです。そのため…ここ出雲のみは10月のことを「神在月」と呼ぶそうなんです。実際、出雲大社では11月(旧暦10月)に「神在祭」が行われています。

 

その全国からの神様が集まる場所、つまり出雲の入り口となるのが…『稲佐の浜』!ここで「神迎祭」という神事を行い、神様たちは出雲大社へと移動するのです。

 

出雲大社の西方1kmにある稲佐の浜で、神々をお迎えする神迎神事(かみむかえしんじ)が行われます。

夕刻7時、浜で御神火が焚かれ、注連縄が張り巡らされた斎場の中に神籬(ひもろぎ)が2本、傍らに神々の先導役となる龍蛇神が海に向かって配置され、神事が斎行されます。(浜での神事は20分~30分ほど)

神事が終わると、神籬は両側を絹垣で覆われ、龍蛇神が先導となり、高張提灯が並び奏楽が奏でられる中、参拝者が続き、浜から出雲大社への「神迎の道」を延々と行列が続きます。

 

ちなみに、日本中の神様が出雲に集合して行われる「神議り」では、この年の農作物の収穫量や人同士の縁などもここで話し合われていると言います。つまり!良縁があった人は…前年、出雲での「神議り」で結び付きが決められていたってこと…!らしいですよ(笑)

 

稲佐の浜』の見どころ

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神話の現場であり、10月になると日本中の神様が集まる『稲佐の浜』。穏やかな砂浜が広がる、美しい海岸です。

 

稲佐の浜』のシンボルは波打ち際近くにどーん!とそびえる弁天島です。巨大な一枚岩で、垂直に伸びる崖の上には鳥居が建てられています。

 

ここは、旧暦10月の「神在月」に、日本中の神様が上陸し集まる場所!まさに聖地とも言える場所なんです。


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駐車場に車をとめて、砂浜を歩くと、目の前に大きな弁天島が見えてきます。この『稲佐の浜』は、以前は海水浴場としても開放されていたようですが、2019年以降は遊泳禁止とされています。

 

また、弁天島は近年崩壊が著しいようで…落石事故も多く発生しているようです。充分ご注意を。


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ここ『稲佐の浜』に…旧暦10月10日になると日本中の全ての神様が集結する…!そう考えるとものすごい場所ですね。まさに「聖地」といって過言はありません!神様の皆さんも、この弁天島を目印に上陸するんでしょうかね?

 

ちなみに、筆者が訪れたこの日は旧暦9月27日。あと3日で「神在月」に入るというタイミングでした。惜しい!

 

なお、旧暦10月10日の「神迎祭」当日には、ここ『稲佐の浜』は白幕が張られ、神事が行われます。観光イベントではないので一般の方は見学できませんが…とても厳かな雰囲気に包まれるんでしょうね。

 

稲佐の浜』へは出雲大社参拝前に訪れること!

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ここ『稲佐の浜』は、出雲大社に参拝する前にぜひ訪れて欲しい場所です。それは…「御砂」を頂戴するため!


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「御砂」を持ち帰ることができる御社はどこですか?

瑞垣の外、御本殿後方の八雲山裾に鎮座の「素鵞社(そがのやしろ)」です。この御社殿の床縁下の御砂をいただき帰って御守としたり、また屋敷の土地、あるいは田畑に撒き清めて神様のご加護をいただくという信仰が古くからあります。

これは、ただいただいて帰るだけではいけません。まず、日本海に臨む稲佐の浜出雲大社より西へ約800メートル)の浜辺の砂を掻き採って素鵞社をお参りし、稲佐の浜で搔き採ってきたその砂を床縁下に置き供え、そして、従来からある御砂をいただいて帰るというものです。

実は、ここ『稲佐の浜』にある弁天島近辺の砂を採集し、その砂を出雲大社本殿後方にある「素鵞社」に納めると、その代わりに「素鵞社」軒下にある「御砂」をいただいて帰ることができるのです!

 

この「御砂」は強大なパワーを持つ神の砂!先に『稲佐の浜』へ行って砂を集めておかなければ受け取れない大切な砂になりますから、出雲大社参拝の前に必ず『稲佐の浜』を訪れるようにしてくださいね!


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筆者も…雨の中、手のひらくらいの砂を頂戴して参りました。この後、出雲大社へ行く際に持参します!

 

稲佐の浜』へのアクセス/駐車場/所要時間

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稲佐の浜』は、出雲大社の西1kmほどのところにある海岸です。

 

JR出雲市駅からは日御碕行きのバスでおよそ40分ほどです。

 

お車の場合は、山陰自動車道の出雲ICから15分ほど。駐車場は浜の手前に大きな無料駐車場が設けられています。

 

稲佐の浜』の見学は、15分ほどあればざっと見てまわることができます。弁天島の砂を採集する場合でも、30分ほどあれば充分です。

 

サンライズ出雲で行く出雲神社めぐり旅行記】2日目。神々が集う出雲の玄関口『稲佐の浜』を訪れました。この後は、日の沈む聖地と言われる神社へ向かいます。次回もお楽しみに!

 

稲佐の浜』の基本情報

アクセス

JR山陰本線 出雲市駅より路線バス

山陰自動車道 出雲ICより10分

 

営業時間

24時間自由

 

定休日

年中無休

 

入場料金

無料

 

駐車場

無料駐車場あり

 

アドレス

島根県出雲市大社町杵築北稲佐

0853-31-9466(出雲観光協会)