『後生掛温泉自然研究路』は源泉がボコボコ湧く大自然のパワーを体感できる散策路!
八幡平エリア屈指の名温泉、後生掛温泉にいらした時は…ぜひ立ち寄って欲しいスポットがあります。あまり観光客の姿は多くありませんが、これほど大地のパワーを感じられるスポットはそうそうありません!
筆者紹介
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こちらの記事は【どこかにビューーン!で行く岩手秋田旅行記】よりシリーズでお届けしております。
『後生掛温泉自然研究路』の見どころ
八幡平エリアにある秘境の一軒宿「後生掛温泉」。その温泉旅館の裏側には、知る人ぞ知る、素晴らしい遊歩道が作られているんです。
それが今回ご紹介する『後生掛自然研究路』!後生掛温泉の源泉がボコボコと湧く中を、一周40分ほどで散策できるよう歩道が作られているんです!
ここが…もうスゴかった!
八幡平が誇る大地のパワーをまざまざと見せつけるような!火山帯であることを強く意識させる圧倒的な風景!
もしも「後生掛温泉」に宿泊や立ち寄り入浴されることがあれば…絶対に立ち寄って欲しいスポットです。
『後生掛自然研究路』は、後生掛温泉の正面玄関のすぐ脇から遊歩道が伸びています。この日は前日に季節外れの大雪が降ったため…この風景!お宿の長靴を借りて散策に出ました。
この『後生掛自然研究路』の面白いところは、あちらこちらから、源泉がボコボコ湧いているところ。柵を隔ててすぐ目の前でご覧のように地面からボコボコ泡が上がっているんです。
遊歩道は、源泉地帯のど真ん中をアップダウンしながら伸びています。基本的にはどこも雪景色ですが、源泉が湧いている辺りだけは岩肌が見えているのが面白いですね。
この日の積雪量はこのくらい。15cmくらいでしょうかね?
アップダウンのある遊歩道ですが、歩きやすく整備されているのでそんなに大変ではありません。
歩き始めて5分ほど。『後生掛温泉』の開湯伝説にもある「オナメ・モトメ」へと到着しました。
下の方をのぞくと勢いよく噴出している蒸気孔や湯だまりがいくつか見られます。その中でも右手前直径2mほどの熱湯の噴出口が「モトメ(この地方の方言で 「本妻」の意)と呼ばれ、その右に寄り添うようにして激しく水蒸気を出している小さな孔が 「オナメ (同じく姜妻の意)」と呼ばれています。ここには次のような悲しい伝説が残されています。
昔、ここて牛方をしていた若者がある日重い病気に倒れ、巡礼で立ち寄った娘の手厚い看病で全快しました。やがて二人は結ばれ幸せな日々を送るようになりました。しかし、この若者は岩手県の久慈に妻と子どもを残していたのです。ある日、風の便りを聞いた妻がやってきたことによって悲劇が訪れたのです。巡礼娘は妻と子の幸せを祈り、ここに身を投じてしまい、さらに、清く美しく身を引いた巡礼娘の心に打たれた妻も、夫の声を後ろに聞きながら、後生を掛けて身を投じました。その後、訪れる人はこの場所を「オナメ・モトメ」と呼び、この地を 「後生掛」と呼ぶようになりました。
眼下に見えているのが「オナメ」と「モトメ」の源泉です。男の二股が生んだ悲劇。彼は、二人の女性が身を投げたあと、どのように生きたんでしょうかね?僧侶にでもなったか…?
さて、この先も遊歩道は続いています。ここからは、また坂を下って谷底へと降りる道になっていますね。
こうやって見渡すと、源泉が湧いて地熱が高いエリアは地表が剥き出しになっています。右側の崖上には、なぜか十字架が立てられています。後でお宿の方に聞くと…『後生掛温泉』の宿主がキリスト教徒のようで、それにちなんで立てたそうです。
さて、さらに歩を進めると「紺屋地獄」へと到着しました。
泥湯の泥は天然蒸気の成分であるイオウやそれが地表に出る際、出来た硫化鉄が沈殿したものと、岩石の変質物との混合物です。この沈殿物を蒸気が時々押し上げている様をご覧ください。紺屋というのは染物屋のことで、この池がちょうど染料を煮ているようなところからこの名前が付けられました。温度は94℃です。
この辺りは、泥湯そのもの!至るところで、泥のような沈殿部がボコッ!ボコッ!と湧き出しているのがよく観察できます。もうね、まさに地獄そのもの!
この噴出物が脇出続けると…まるで小さな火山のように噴丘を作るようになります。モクモクと噴煙をあげる様は本当にミニ火山のよう!
紺屋地獄を抜けると、道は左右二手に分かれます。この日は冬季のためか左側から周回するルートは閉鎖されていました。左手のルートをまっすぐ進むと…「大湯沼」へとたどり着きます。
「大湯沼」は、これまで見てきた小さな源泉とはけた違い!湖のような巨大な源泉地帯です。片隅には展望台が作られており、はるか対岸まで見渡すことができます。雪の日の早朝。周囲には誰もいません。もう、今自分がどこにいるのか分からなくなるほど、大自然に包まれる体験をすることができます。
さて30分ほど歩いて、後生掛温泉まで戻ってきました。さすがに少し寒い!もう一度温泉に入ってから…のんびりと朝御飯をいただきました。
『後生掛温泉自然研究路』へのアクセス/駐車場/所要時間
『後生掛温泉』は、八幡平アスピーテラインの入り口に位置する秘境の一軒宿です。
通常期、アクセスルートは3本あります。
八幡平アスピーテライン経由で岩手県から
国道341号線で田沢湖方面より北上
国道341号線で鹿角市より南下
この内、八幡平アスピーテライン経由のアクセスは、例年10月末~4月ごろまで冬季閉鎖となります。
田沢湖方面からのアクセスも、冬季は夜間通行止めになることもあり、最も安全なのが鹿角市方面からのアクセスです。鹿角市からはおよそ45分ほど。駐車場は敷地内に無料駐車場が設けられています。
公共交通機関の場合は、JR花輪線の鹿角花輪駅から送迎バスでのアクセスになります。送迎バスは宿泊者無料ですが、事前予約が必要ですのでご注意ください。
『後生掛自然研究路』を散策の際は、ぜひぜひ!お隣にある後生掛温泉にも宿泊なさってください。自然研究路でボコボコ湧いていた源泉を楽しめる唯一のお宿です!ご予約はこちらのリンクからどうぞ!
【どこかにビューーン!で行く岩手秋田旅行記】3日目の朝を迎えました!当初の予定では、田沢湖角館方面を楽しむ予定でしたが、昨日の雪道トラウマがあり峠越えは断念。この日は鹿角方面を回って岩手県へ戻るかたちとしました!次回は鹿角が誇る寺院をご紹介します。お楽しみに!
『後生掛温泉自然研究路』の基本情報
アクセス
東北自動車道 鹿角八幡平ICより60分
営業時間
24時間自由
定休日
年中無休
※冬季は積雪のため一部閉鎖
入場料金
無料
駐車場
後生掛温泉の駐車場利用
アドレス