なぜ日本一のテーマパーク東京ディズニーランドに観覧車が無いのか?
日本一の入園者を誇る東京ディズニーリゾート。二位のユニバーサル・スタジオ・ジャパンを引き離し、断トツのトップを走り抜けている、日本最大のテーマパークです。
そんな東京ディズニーリゾートですが…遊園地の象徴ともいえるアトラクションが東京ディズニーランドにも、東京ディズニーシーにもありません。
遊園地の象徴…なんだか分かりますか?
ジェットコースター?お化け屋敷?メリーゴーランド?
もうお分かりですよね?ディズニーランドに無い遊園地の象徴とは…そう!観覧車です。
それではなぜ、ディズニーランドには観覧車はないのでしょう?
筆者紹介
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東京ディズニーランドになぜ観覧車がない?
そもそも、ディズニーランドには観覧車に代わるシンボルがありますよね。その象徴といえばなんでしょうか?
そうですね。パークの中央にそびえる、シンデレラ城です。
通常の感覚では、遊園地のシンボルタワーの最上階には、展望台が作られます。観覧車もその役割は同じです。高いところからパーク内を見渡すその眺望で、ゲストを楽しませてくれるはず…なんです。
しかし…?観覧車の代わりにシンボルとなっているシンデレラ城の最上階に展望台はありません。それどころか、ゲストは最上階に立ち入ることすらできません。
これ…なぜでしょうか?通常の遊園地にある観覧車や展望台が東京ディズニーランドには、一切ないのです!
考えてみると不思議ですよね。
これ、東京ディズニーランドは観覧車や展望台あえて作らなかったんです。なにせ、カリフォルニアのディズニーランドには、ちゃんと観覧車があるんですから!
ゲストに見せるべき世界と見せてはいけない世界
大きな理由のひとつが、「バックヤードを見せないようするため」と言われています。
ディズニーランドは、ゲストに「見せるべき風景」と「見せてはいけない風景」とを明確に分けて管理しています。
観覧車や展望台があると、その素晴らしい眺望は間違いなくゲストを楽しませるはずですが…見て欲しくない「パークの裏側」までもが見えてしまいます。
あれ?ミッキーマウスが頭外してるわ。
あ。あんなところにキャストの休憩所があるやん。
え。あそこゴミが集められてる。きったない!
そう。観覧車や展望台からは、ゲストに「見せてはいけない風景」が見えてしまう危険性が高くなります。
それともうひとつ。
東京ディズニーランドって…周りにイクスピアリなどの商業施設やオフィシャルホテルが立ち並んでいますよね。さらに、川を挟んだ隣には、葛西臨海公園の超巨大な観覧車までもがありますよね。
それなのに…東京ディズニーランドのパーク内から、ホテルや葛西臨海公園の観覧車を…見たことありますか?
そう!ほとんとの人が「外の世界」を見たこと無いはずなんです!
東京ディズニーランドは、【ゲストに見せるべき世界と見せてはいけない世界】を明確に区別しています。
東京ディズニーランドに観覧車や展望台が無いのもこれが大きな理由となっています。
パーク内を一望する展望台。もしもこれがディズニーランドにあったら、多くのゲストが足を運ぶはずです。
しかも…ですよ。実は本場アメリカのディズニーランドには観覧車が存在しているんです。にも関わらず!日本に作られた東京ディズニーランドにはあえて観覧車を作らなかったのです!
これは『ゲストの視界をコントロールして夢の世界に閉じ込める』ためと考えられます。
もしもパーク内に観覧車や展望台があったら…を考えてみましょう。
パーク内から外の世界は一切見えないように作られている!
観覧車や展望台からは、その素晴らしい眺望を楽しむことができるようになります。
しかし。
それは諸刃の剣。
ゲストに素晴らしい眺望を楽しんでもらうのと引き換えに、あるものを失わせてしまいます。
それが、夢の世界観。
観覧車や展望台があると、パーク内を見渡すことができますが…その反面、外部世界をも見渡せてしまいます。
外の世界…つまり、パークの外に広がるビルや鉄道が視界に入ってしまうと…どうしても人は俗世間のことが頭をよぎってしまうものです。
(あ。明日学校だった。課題もあるじゃん。最悪。)
(あー。ウチの会社のビルが見えるー。明日朝早くから会議だった。あ。準備しなきゃいけないんだった。)
それまで、存分に浸っていた夢の世界から、俗世間が視界に入った瞬間に、ゲストは夢から醒めてしまうんです。
実は外の世界が見える!!レアスポットがある!?
実は、広い東京ディズニーランドのパーク内から、外の世界が見えるスポットは、ごく限られているんです。これ、ほとんどの人が知らないはず。一度パーク内に入ったら、外部世界を一切視界に入れないように…東京ディズニーランドは計算されて作られているんです!
そんな外部世界が見えてしまうスポットが、私の知る限り2ヶ所あります。
ひとつが、アドベンチャーランドにある「スイスファミリー・ツリーハウス」。
実はここは、コアなファンにだけ知られていたスポットで、最上階にまで登れば、壁の外の世界が見えるレアなスポットでした。
現在は、長期休止中のアトラクションになっていますが…この先も再開されることはないでしょう。理由は恐らく「外の世界が見えてしまうから」だと思います。
もうひとつ、外の世界が見えてしまうのが、ウエスタンリバー鉄道。同じくアドベンチャーランドにある鉄道型アトラクションですね。
ウエスタンリバー鉄道は、進行方向左手は常に壁となっているため、乗車するゲストはほとんどが右手に視線を向けています。
しかし、一瞬だけ…左手にあるものが目に入るんです。これも、コアなファンだけが知っているポイント。
実は、ウェスタンリバー鉄道に乗っていると1ヶ所だけ踏切が見え、その向こうに一瞬だけバックヤードか見えるポイントがあるんです!この踏切ポイントを通過する際には、「右手の駅をご覧ください!」というアナウンスが流れるため、ゲストは自然と右を向いてしまい、左手に存在する踏切にはほとんどのゲストが気付かないという仕掛けまでもがしてあります。
この踏切は、バックヤードに続くスタッフ専用の踏切で、ここでは運搬車や配送業者のトラックなどが普通に行き来しているそうです。
しかし!そこはさすがディズニーランド!踏切の前後には、信号機が付けられており、ウェスタンリバー鉄道が通過するタイミングでは車が通過できない仕組みになっているんです。
ディズニーランドはゲストの視界を徹底的にコントロールしている!
このように…ゲストの視点や視界を徹底的にコントロールしている東京ディズニーランド。
なぜ、東京ディズニーランドに遊園地の象徴である観覧車がないのか?シンデレラ城の最上階に入れないのか?
これは、ゲストに見せるべき「表」と見せてはならない「裏」を徹底して区別しているからなんですね!