えー!せっかく行ったのに!「写真撮影NG」な観光スポットは魅力も半減?
SNS全盛の現在。「旅行」にとって「写真」は切っても切り離せないツールとなっています。
近年ではむしろ…旅行の目的を「映え写真」の撮影に置く層も増えています。かく言う筆者もご多分に漏れず…一度旅行に行くと1日200枚近くを撮影しています。
しかし…そんな旅行者を悩ませるのが『撮影禁止』スポット!
筆者紹介
こちらは本業の傍ら全国47都道府県を旅して年間平均40泊!旅行プランナー/ブロガー「旅人サイファ」が執筆運営しております。
旅人サイファ実績
・スキルマーケット「ココナラ」にて旅行お出かけカテゴリ売上実績No1
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・スマートニュース/Yahoo!ニュースほかメディア掲載実績多数
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こちらは【旅行コラム】からの記事をお届けしています。
いまや国民全員がカメラマン?
スマホ全盛の現代社会。統計データによると、16歳~60歳の現役世代に限れば、なんとスマートフォンの普及率は95%以上!とされています。
※出典 Yahoo!ニュース「携帯電話の普及率の現状を詳しくさぐる(2023年公開版)」
携帯電話の普及率の現状を詳しくさぐる(2023年公開版)(不破雷蔵) - エキスパート - Yahoo!ニュース
スマートフォンには、全ての機種にカメラ機能が付属されていますよね。特に近年の機種はカメラ機能の高性能化は著しく、ハイエンドクラスになると10万円は軽く超える価格帯になってきています。
これはつまり、現役世代のほぼ全員が「高性能カメラを持ち歩くカメラマン」であるとも言い換えることができます。
そんなスマホと共に隆盛を誇っているのが、InstagramやTwitter(X)といったSNSです。
高性能化したスマホカメラで撮影した映え写真を、SNSで公開し称賛を集める。特にスマホネイティブの若い世代にとって「バズる」は最大の誉れと言っても差し支えありません。
これは、旅先での行動にも現れています。
近年人気を集めている観光スポットは、鏡に映したようなリフレクションや、何万球もの光に照らされたイルミネーションなど、「写真映え」するスポットが多数。また、これまでは中高年に人気だった日本庭園や寺院も、美しい写真が撮れるということで、近年は若者たちの姿が多く見られるようになってきています。
そんなスマホ世代を見ていると、彼らにとって「旅行の目的は映え写真の撮影」という層が増えているように思います。
現地に行かなければ見れない景色を撮影し、SNSに上げ、称賛を得る。それこそが、旅行の醍醐味…と考える若者が増えているんです。
そんな彼らが旅行している際…突如大きな壁が立ち塞がることがあります。
それが…
『撮影禁止』の4文字!
写真撮影禁止スポットは意外と多い!
国内外からも屈指の人気を誇る観光都市京都。実は意外と、京都の寺院などでも『撮影禁止』のスポットは多いのです。
最も多いのが寺院の「堂内撮影禁止」。
寺院や神社は、本来は宗教施設ですので、これは分かる気がします。神聖な仏像や御神体は被写体ではなく祈りの場です。撮影禁止なのもやむを得ないと思います。これは海外でも同じようで、例えばバチカンのシスティーナ礼拝堂なども内部は撮影禁止です。
また、祇園や花見小路などでは、路上の撮影そのものが禁止されているエリアもあるほど。これは、舞妓さんなどを執拗に追い回す事例が増えたことで仕方なくルール化されたケースのようです。
また寺院や庭園の中には、敷地内全面撮影禁止としているスポットもわずかながら存在します。
特に、期間限定公開のスポットは、一定エリアより先は一切の撮影を禁止としているところも多いのです。
筆者が先日訪れた西本願寺の「飛雲閣/滴翠園」も、一切の写真撮影が厳禁でした。
当然、美しい写真を撮影できるものだと思って訪れた旅行者にとって、エリア内全面撮影禁止だった場合の落胆はかなりのものです。
特に、期間限定の特別公開スポットの場合は、拝観料金が1000円を超えるところも多数。そこそこ高い拝観料金を支払っており、次にいつ来れるか分からない貴重なスポットなのに「撮影禁止」とされることに、「撮影させて欲しい!」「納得できない!」という声も実際に多数耳にしました。まあ、これについては「そういうルール」になっている以上、仕方なく受け入れるしかありません。
もちろん、写真にばかり執着せず「しっかりとその美しい風景を目に焼き付けろ」という意見も分かります。確かに、現代に生きる我々は何もかも写真をに残そうとしすぎかもしれません。
ですが…人間の記憶は曖昧です。せっかく堪能した絶景。写真データに残したいと思うのも心情かと思います。たった一枚でも写真が残せれば、それを見返すことで記憶がありありと甦ってくることもあります。
救済措置を設けてはどうか?
また、同じように撮影禁止とされているスポットに「温泉施設」があります。これは、当然ですよね。様々な人が裸になる完全プライベート空間ですから。
ですが…先日宿泊したお宿では、面白い取り組みがなされていたんです。
それが…「撮影タイム」。
なんと、毎朝9:40-9:50の浴室清掃時間のみ、男湯も女湯も、内湯も露天風呂も、全て自由に立ち入って撮影しても良いという試みでした。
近年、温泉旅館の中には絶景露天風呂をアピールするお宿が増えています。
富士山が一望できる露天風呂や、海と繋がるかのような錯覚を覚えるインフィニティ風呂など、いかにも写真映えするお風呂が全国に誕生しています。
しかし…せっかくの絶景風呂でも、やはり浴室。大っぴらに撮影するのはNGです。
しかし、先ほど紹介したお宿のように「ある一定の時間内であれば、自由に立ち入って撮影してもOK」とする試みはかなり良いアイディアではないでしょうか?
実際、このお宿の撮影タイムは大変好評で、多くのお客さんがカメラやスマホを手に撮影を楽しんでいました。
せっかく、絶景風呂をアピールするのでしたら、「絶景をカメラにおさめたい」というニーズも充たす方法を模索しても良いのではないでしょうか?
ちなみにこの写真が、この「撮影タイム」を利用して撮影したものです。温泉をこのように堂々と撮影できる機会は非常に貴重で、とても良い思い出に残っています。
特別料金で撮影可とする試み
また寺院や庭園などの場合、「撮影可能な時間帯を特別料金で開放する」という試みはいかがでしょうか?
例えば、開園前の8:30-9:00や、閉園間際の16:30-17:00のみ、通常拝観料に加えて特別料金を支払うことで撮影を許可する…といった試みです。
この方法であれば、静かに寺院や庭園を鑑賞したいニーズと、写真を撮影したいニーズを分けることも可能になりますので、とても有効かと思います。
写真をデータでプレゼント
また、全面撮影禁止とする場合は、写真データのダウンロードしてプレゼントするという形でもニーズを充たせると思います。
例えば、拝観出口付近にQRコードを設置し、予め運営側が撮影していた画像をダウンロードできるようなシステムです。
従来、絵葉書を販売することで旅の記念写真代わりにするところも多かったですよね。ですが…デジタル世代にはこれはイマイチ。写真をデータで欲しいというニーズは充たせません。
この場合、拝観料金にはじめから「写真データ」ダウンロード権を上乗せする形で付与したり、オンライン決済で50円~100円程度で写真ダウンロード権を販売しても良いかと思います。かなり売れると思いますけどね?
まとめ
いまや、旅行にとって欠かせないツールになっている「カメラ/写真」。美しい写真を撮るために旅行に出かける…という層もかなり増えています。
ただし、文化財や景観を守る意味でも、撮影禁止など一定のルールを敷かざるを得ないのは仕方ありません。
その一方…せっかく拝観料を払っているのに、その美しい景観を撮影できないのはとても残念と感じるニーズも存在します。
例えば特別な撮影可能タイムを設けたり、写真データを配布/販売するシステムを作ったりという救済措置があれば…「旅行先で写真撮影をしたい」というニーズも充たせるかと思いますが、いかがでしょうかね?