『磯工芸館』で幻のガラス工芸品「薩摩切子」が甦る!!
かつて薩摩藩が誇ったガラス工芸品「薩摩切子」。実は、一度その技術は絶たれ…絶滅しているんです。現代に甦った幻のガラスとは?
筆者紹介
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幻のガラス「薩摩切子」の歴史
幻のガラス工芸品「薩摩切子」をご存じでしょうか?
この「薩摩切子」の特徴がその色味とぼかし。職人による絶妙なカットが生み出すぼかしとグラデーションが最大の魅力です。
幕末の薩摩藩主・島津斉彬らによって、薩摩藩は近代工業化の扉を開きました。現在、世界遺産に指定されている「尚古集成館」の一帯では、反射炉による製鉄や蒸気機関の研究など、積極的に欧米列強の技術を受け入れた殖産興業が促進されていたのです。
そんな薩摩藩が誇る工芸品のひとつに「薩摩切子」がありました。
これは、当時江戸で評判を呼んでいた江戸切子を発展させたものです。江戸から技術者を招き積極的に技術開発を進めたことで誕生した薩摩藩独自の発色を持つガラス工芸品で、当時から大人気を誇ったようです。
「切子」とは、透明のガラスにさらに色ガラスを被せ、その色味部分をカット(切子)を入れることで生まれるデザインを言います。
「薩摩切子」は、それまでどこも作れなかった赤色のガラスを開発したことで評判を呼び、将軍家に献上したり、大名外交に用いたりたと、薩摩藩の特産品として高い価値を生みました。
しかし…!
この「薩摩切子」の生産は、わずか20年ほどでストップしてしまいます。原因は3つ。
薩摩藩の近代工業化は、開明派の当主・島津斉彬の存在が大でした。
しかし志半ばにして、斉彬は急死します。その結果、薩摩藩の近代化のスピードは鈍化してしまうのです。さらに、薩摩藩が国を挙げて倒幕活動やその後明治新政府に参画したため、「薩摩切子」の技術継承は大いに鈍ります。さらに、明治10年の西南戦争が起きたことで国土は荒廃。やがて「薩摩切子」の技術は完全に途絶えてしまったのです。生物でいえば…絶滅ですね。
当時の「薩摩切子」は現存数が極めて少なく、全世界でもわずか200点ほどしか残されていないと言われています。その価値は最低でも300万円は下らないと言われています。
そんな…一度絶滅した「薩摩切子」を復活させたのが、島津家が直々に運営する「島津興業」です。
1985年、彼らは、失われた「薩摩切子」を復活させるために資料をあたり、当時の技術を復活!現代に甦らせました。そんな薩摩切子工場に併設している公式ショップがここ『磯工芸館』です。
『磯工芸館』の見どころ
世界遺産「尚古集成館/仙巌園」に併設する『磯工芸館』では、「薩摩切子」に代表される工芸品を展示販売しています。
実はこの建物は、島津家の吉野植林所という明治時代に建てられた洋館を活用したもので、建物そのものも登録有形文化財に指定されているという貴重なものです。
『磯工芸館』に入ったら…ぜひ天井を見上げてください。天井には色とりどりの薩摩切子ランプが飾られ、まるで舞踏会のような雰囲気!
館内は「薩摩切子」の作品が展示販売されています。ひとつひとつが、職人さんの手による芸術品!見ているだけでもうっとりするほどの美しさです。
中にはまるでクリスタルのような作品も。ここまでくると…もはや宝石ですね!入館は無料ですので、その美しいガラス工芸品を鑑賞して、気に入ったものがあればぜひお土産に買ってみてください。一生の宝物になるはずです。
登録有形文化財のスタバも併設!
ここ『磯工芸館』の敷地内には、スターバックスコーヒーの店舗も建てられていますが…ここもまたすごい!なんと国指定の登録有形文化財である建物をそのままスタバ店舗にしているんです!
ここは、全国で3店舗しかない登録有形文化財スタバ!その3店舗とは…
の全国にわずか3店舗しかないうちのひとつなんです!スタバファンなら、必ず行かなきゃいけませんね!そのレトロな外観がもうとっても素敵です!
『磯工芸館』へのアクセス/駐車場
『磯工芸館』は、世界遺産『尚古集成館/仙巌園』と同じ並びに建てられていますので、それらと合わせて訪問するのがおすすめです。
アクセスは、鹿児島中央駅から路線バス。およそ20分ほどで到着します。
お車の場合は、鹿児島しがいみから15分ほど、九州自動車道の鹿児島ICからは30分ほどです。『尚古集成館』の駐車場は有料ですが、こちらは無料駐車場があります。
【宮崎鹿児島種子島7泊8日旅行記】7日目。この日は鹿児島市内のスポットを巡っています。この後は、この日のお宿である霧島温泉へと向かいました。次回はまるでプールのような大浴場のあるお宿紹介です!お楽しみに!
『磯工芸館』の基本情報
アクセス
九州自動車道 鹿児島ICより30分
営業時間
9:00-17:00
定休日
年中無休
入場料金
無料
駐車場
無料駐車場あり
アドレス
099-247-8490