世界遺産『尚古集成館/仙巌園』!ファミリーで過ごせる半日プラン!
世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成要素ひとつでもある『尚古集成館』と『仙巌園』を見て回る半日プランのご紹介です!
筆者紹介
こちらは本業の傍ら全国47都道府県を旅して年間平均40泊!旅行プランナー/ブロガー「旅人サイファ」が執筆運営しております。
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『尚古集成館』の歴史
尚古集成館は、幕末の薩摩藩主「島津斉彬公」によって進められた、近代工業政策の一環として作られた施設です。
彼が活躍した時代は、黒船来航に象徴される激動の時代。お隣の中国では、西洋列強によるアヘン戦争などが起こり、アジア諸国が次々に植民地化される時代でした。
江戸幕府による鎖国政策を取っていた日本も、これには大変な危機感を覚えます。
「このままでは日本は危ない!」
…と、西洋列強の技術を取り入れて、日本の近代化を目指すようになるのです。
そのリーダーシップを取った人物のひとりが、薩摩藩28代の当主・島津斉彬でした。あの西郷隆盛を見出だし世に出したのも彼です。西郷隆盛の師匠とも言える人物でした。
島津斉彬が行った事業は多岐に渡ります。
- 反射炉での製鉄
- 大砲製造
- 洋式帆船「いろは丸」の建造
- 蒸気船「雲行丸」の建造
- ガス灯の実験
- 紡績の工業化
- ガラス工芸品「薩摩切子」の奨励
これらを1ヶ所にまとめて、アジア発の一大工業基地となるべく作られたのが、島津家の藩主別邸のあった磯庭園周辺。
現在は『尚古集成館』が近代産業革命遺産の資料を展示する博物館として、隣接する『仙巌園』の庭園は国名勝として指定されています。
『尚古集成館/仙巌園』の見どころ
『尚古集成館/仙巌園』は、併設されたひとつの施設です。50000平米という広大な敷地内には、様々な見どころが点在しています。
など…全てをじっくり見て回ると丸1日かかってしまうほど見どころたくさんの施設になっています。
基本的には博物館や庭園など、大人向けの施設ではありますが、地元の小学生が社会科見学で訪れるなど、お子さまでも充分楽しめるところでもあります。
今回は、中学生の娘と小学生の息子を連れて『尚古集成館/仙巌園』を見学して参りましたのでレポートします!
①鶴嶺神社
駐車場に車をとめて、すぐのところにあるのが「鶴嶺神社」です。かつては鹿児島市内中心部にあった神社ですが、照国神社の建立に伴ってこちらへ移転してきました。歴代薩摩藩主をお祀りする神社です。実はここは無料エリアなので入園料を支払わずとも参拝することができます。
②世界遺産センター/反射炉跡
さて、入園ゲートを入ってすぐのところに建てられているのが「世界遺産センター」です。日本が近代工業化する上で尚古集成館が果たした役割などを学ぶことができます。
建物を出てすぐ向かいのところに、石垣の土台に囲われたエリアがあります。ここにはかつて「反射炉」が建てられていました。反射炉とは、熱を反射させることで超高温で鉄を溶かし、製鉄するための施設です。現在、反射炉跡が残されているのは、伊豆韮山反射炉と、萩反射炉跡、そしてここ尚古集成館の反射炉跡のわずか3ヶ所しかありません。
③食べ歩きスポット
反射炉跡を見学して仙巌園方面にあるくと、お土産&軽食棟が見えてきます。ここ、お手軽に鹿児島グルメが楽しめるおすすめスポットです。ぜひ立ち寄ってみてください。
まずはこれ!「両棒餅」と書いて「じゃんぼもち」と読みます。甘いみたらし団子で、ここ仙巌園名物にもなっています。
ひとつのお餅に2本の棒が刺さっていますよね。この様子が、武士が日本の刀を刺しているのと似ていることから名付けられたそうです。もっちりと食べ応えのあるお餅でした!
そしてこれ!「有村屋」のさつま揚げ!れんこん天、人参天、枝豆天、きくらげ天など、美味しいさつまあげを食べ歩きスタイルでいただくことができます。
注文するとアツアツに仕上げてくださいます。これがまた美味!とても美味しいさつま揚げでした。
また、沖縄発祥のアイスクリームショップ「ブルーシールアイス」の店舗もあります。暑い日にはぜひどうぞ!
④仙巌園
いよいよひとつの目の目玉である「仙巌園」になります。元々の表門はこちら。まるで城郭のような重厚な門が、その格式の高さを表していますね。
かつては「磯庭園」「磯御殿」とも呼ばれていましたが、現在は「仙巌園」で統一されています。
「仙巌園」の中央部には藩主たちが生活した母屋「御殿」もそのまま残されています。こちらの内部見学は別料金500円がかかりますが…内部の調度品も素晴らしいですし、御殿から見る庭園もまた素晴らしい。お時間に余裕がある場合はぜひ内部まで見学なさってください。
なお「御殿」では1日6回、内部の見どころを案内してくださるガイドツアーが開催されています。このガイドツアーは非常におすすですので、ぜひタイミング合わせて参加してみてください!
「仙巌園」自慢の風景がこちら!青々とした芝の向こうに雄大な桜島!そしてわずかに見える錦江湾をそれぞれ借景として楽しめるように作られています。
ここ「仙巌園」のすごいところが、計算され尽くした絶妙な設計にあります。敷地の外壁として機能している生け垣の向こう側には、国道10号線や日豊本線の線路があり、自動車や鉄道がビュンビュン走り抜けています。
ですが…ここ「仙巌園」の内部から見ると、自動車や鉄道は絶妙に隠されて…外部の喧騒は全く見えなくなっている!この「司会のコントロール」こそ、日本庭園鑑賞の醍醐味のひとつだと思っています。
ここ「仙巌園」の敷地は広く、様々に表情を変えながらゲストの目を楽しませてくれます。ぜひ歩き回って…その素晴らしい景観をお楽しみください。
⑤体験施設
お子さまと行く場合におすすめなのが、この体験です。筆者の子供は、ここで夏休みの自由研究を済ませてしまいました。
今回体験したのが…これ!名産のガラス工芸品「薩摩切子」の欠片を使用したレジン作品です。
所要時間は45分ほど。体験館の1階で受付を済ませて2階へ行くと、早速レクチャーがはじまります。
まずは型を選びます。根付けになるものや、キーホルダーになるものなど、色々な型がありますからひとつを選択します。
続いて…薩摩切子の欠片を渡されます。藍色や紅色、黄色や紫色など、砕かれた薩摩切子の欠片を組み合わせて、先ほど選んだ型に並べていきます。
真剣に作品製作に挑む長男。色々なガラス片を並べては戻し…と、試行錯誤を重ねていました。
自分好みの模様に並べ終えたら…そこに液体レジンを投入します。せっかく並べたガラス片が崩れてしまわないように…長女も真剣に作業していました。
今回、子供たちが製作した作品がこちら!普通に商品として売られていてもおかしくないレベル!(誉めすぎ?)
⑥尚古集成館本館
※2024年9月までリニューアル工事中
一度エントランスまで戻り、反対側のエリアに建てられているのが「尚古集成館」です。ここは、薩摩藩の近代工業化を作り上げた資料を展示している博物館になっています。今回訪れた際はリニューアル工事中でしたが、過去に見学した際はここの見学で60分近くかかりました。
50000平米という広大な敷地を持つ『尚古集成館/仙巌園』。大人向け施設ではありますが、意外とファミリーにも楽しめる場所にもなっています。ぜひ一度、のんびりと時間を持って訪れてみてください!
『尚古集成館/仙巌園』へのアクセス/駐車場/所要時間
『尚古集成館/仙巌園』は、鹿児島市街地の北方に位置しています。市内より国道10号線を北上すると左手に見えて来ますので、すぐに分かるはずです。
鹿児島市の中心街からは車で15分ほど。有料ですが駐車場も完備されています。
公共交通機関でお越しの場合は、JR鹿児島中央駅より路線バスでお越しください。
見学の所要時間は、『尚古集成館』と『仙巌園』をざっと見て回るだけで90分。食事をしたり体験をしたりするのであれば半日(3.4時間)は必要になります。
【宮崎鹿児島種子島7泊8日旅行記】7日目。この日は種子島から戻り、鹿児島市内の名所を巡っています。『尚古集成館/仙巌園』を見学した後は、お隣の薩摩ガラスが美しい資料館を見学しに行きました。次回もお楽しみに!
『尚古集成館/仙巌園』の基本情報
アクセス
九州自動車道 鹿児島ICより30分
営業時間
9:00-17:00
定休日
年中無休
入場料金
大人1000円
小・中学生500円
駐車場
有料駐車場あり
アドレス
099-247-1511