『門倉岬』は日本に初めて火縄銃がもたらされた歴史の現場!
ポルトガル船が難破し、鉄砲を伝えた日本史の現場がここ『門倉岬』!太平洋の荒波が直撃するこの地から…日本戦史は変わりました。
筆者紹介
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『門倉岬』の歴史
天文12年(1543年)8月25日。この日…日本の歴史が大きく動きました。
大隅国種子島の南端である門倉岬の浜に…一隻の見慣れぬ船が漂着します。
恐る恐る近寄った島民たちが目にしたのは、これまで見たことのない衣装を身に付けた異人たち。
村の長老が、乗組員のひとりであった明の儒者「五峯」と筆談でコミュニケーションをとったところ…船には異国(ポルトガル)の商人が乗っていること、そして彼らは様々な積み荷を載せていたことが分かりました。
その積み荷の中に紛れていたのが…日本史、特に日本戦史を大きく変えることになる品物だったのです。
それこそが…火縄銃!
そう!鉄砲伝来の現場が、ここ『門倉岬』なんです!
この地にポルトガル人がやって来なかったら…日本史はまた違った形で進んでいたかもしれません。
当時、日本は戦国時代の真っ只中でした。種子島の領主・種子島時堯は、保護したポルトガル人から二挺の火縄銃を購入します。そして、島の刀鍛冶にそのうちの一挺を預けて、研究複製を命じます。
火縄銃の複製を命じられた刀鍛冶の八板金兵衛は、わずか2年後には複製品を完成。翌年には国産化に成功しているというから驚きです。
戦国時代末期までに、日本国全体で50万挺を越える火縄銃が生産されたと言われています。この数は、断トツの世界一。当時の日本は、世界最大の陸軍国でもあったんです。
『門倉岬』の見どころ
鉄砲伝来の地『門倉岬』は、種子島の最南端に位置しています。現在は、小さなお社が建てられると共に、美しい展望台として人気のスポットにもなっています。
『門倉岬』の入り口にある小さな鳥居をくぐり
遊歩道へと進みます。傍らには、火縄銃を構える兵士の像もありますね。
遊歩道は岬に向かって下りながら伸びています。ここ『門倉岬』は高台にあるため、眺めが良い!気持ち良いお散歩も楽しめます。
遊歩道の中頃には、洋船を思わせるモニュメントも置かれています。鉄砲を伝えたポルトガル船をイメージしたものでしょうか。手前の巨石は鉄砲伝来を記念した石碑のようです。
岬の先端近くまで来ると…眼下に、ポルトガル人たちを乗せた船がたどり着いた前之浜が一望できます。この浜が…500年前に初めてポルトガル人と接触した歴史の現場。船からは鉄砲が撃たれたとも伝わっていますので、日本で初めて鉄砲が発射された場所とも言えます。
岬の台地上には小さなお社が作られています。これは「御崎神社」と呼ばれるもの。ここは種子島の最南端です。島の西側は東シナ海、東側は太平洋。海の流れが大きく異なる場所でもあるんです。
『門倉岬』周辺からはかすかにお隣の屋久島が遠望できます。お隣の島ではありますが、ここ南種子町あたりまで南下すると、しっかり島影として見えます。実は九州地方最高地点は、あの屋久島の最高所である宮之浦岳山頂なんですよ。
屋久島の姿を見ていると、ポルトガル人らを乗せた船が、より大陸から近い屋久島ではなく、ここ種子島に漂着したのはなぜか?が分かる気がしますね。
屋久島が、最高峰の宮之浦岳を中心とした断崖絶壁の険しい島なのに対して、種子島は砂浜も多い平らな島。より安全に着岸できる種子島をわざわざ選んで助けを求めたのかもしれません。
なお…最近では、ポルトガル人の代理として筆談交渉を行った「五峯」という人物は、当時中国沿海を荒らし回っていた海賊(後期倭寇)の棟梁「王直」その人ではないか?とも言われています。
『門倉岬』へのアクセス/駐車場/駐車場
種子島の最南端である『門倉岬』へは、フェリーターミナルのある西之表港から車でおよそ90分、空の玄関口である種子島空港からでも60分ほどかかります。『門倉岬』の入り口には無料の駐車場が整備されていますのでそちらをご利用ください。
種子島内の交通は、車がメインですので、島内を観光なさるにはレンタカーがおすすめです。路線バス(コミュニティバス)もありますが、平日のみの運行で、かつ1日数本しかございません。とても観光に使えるものではありません。公共交通機関でお越しの場合は、タクシーをご利用ください。
【宮崎鹿児島種子島7泊8日旅行記】6日目。この日は種子島南部を周遊しています。午後に訪れたのは、種子島の最南端である『門倉岬』。あの火縄銃伝来の地です。この後は、種子島の東海岸を北上します。次回もお楽しみに!
『門倉岬』の基本情報
アクセス
種子島空港より60分
営業時間
24時間立ち入り自由
定休日
年中無休
入場料金
無料
駐車場
無料駐車場あり
アドレス
鹿児島県熊毛郡南種子町西之
0997-26-1111(南種子町観光課)