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【歴史コラム】小麦と人類の物語!『人類は小麦の奴隷』?

小麦は人類の社会を変えた革命植物!人類は小麦の奴隷となった?

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人類が手にした偉大なる植物のひとつ「小麦」。人類は小麦などを栽培することで…農耕を覚え定住するようになりました。

 

筆者紹介

こちらは本業の傍ら全国47都道府県を旅して年間平均40泊!旅行プランナー/ブロガー「旅人サイファ」が執筆運営しております。

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こちらの記事は【歴史コラム】シリーズからの記事をお届けしています。

 

 

先日、Twitter(X)でこんなクイズに出会いました。

 

瀧波 一誠 | 地歴・教養と珈琲 on X: "答え:③大麦 やはり穀物類は、国土面積がモノを言います。トップ2はロシアとオーストラリア。 ちなみに大麦は、年間生産量がおよそ1.5億トン。主要産地にはヨーロッパ諸国が名を連ねていますが、オーストラリアがそこに食い込んできているという構図です。… https://t.co/664yZVO6bh" / X

 

この方は地理講師をされている方で、Twitter(X)にて「地理 日めくりクイズ」といういつも興味深いクイズを提供してくださっています。

 

この日のクイズは「大麦」が正解でしたが、その解説の中で「小麦は製粉しないと食べない」という記述がありました。

 

言われてみれば…たしかに?パンやパスタ、その他の麺類、はたまた餃子の皮など、小麦使った料理は世界中に溢れていますが、それらはほぼ全てら小麦を製粉して粉にしてから作られています。


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そもそもなぜ?小麦はなぜそのまま食べずに、「小麦粉」として製粉してしか食べられないのでしょうか?

 

大きく実った麦を製粉して粉にするには…非常に手間がかかります。そして、どうしても周辺に舞い飛び散ります。米を一粒でも残そうものなら、烈火のごとく怒られる日本人からしてみると…どうしてそのまま(粒のまま)食べないの?なぜ、わざわざ粉にするの?という疑問をかねてから筆者は感じていました。

 

もちろん粉にしたからこそ…パンにも麺にもパスタにも、様々な形に、自由自在にその姿を変えることができたのです。そのおかげで、我々はたくさんの美味しい料理をいただけるのですが…。

 

小麦はなぜ粉にして食べるのか? 粉が導く"麺"という魅力(山田 昌治) | 

 


小麦はなぜ粉にして食べるのか? 粉が導く"麺"という魅力(山田 昌治) | ブルーバックス | 講談社(1/4)

 

この疑問をGoogleで調べてみると…なかなか興味深いページにたどり着きました。

 

結論から言うと…

『小麦はその皮部分の風味が極めて悪いため、それを取り除くために粉にするようになった』

と、いう理由からのようです。

 

都市部に住む我々には、製粉される前の小麦に接する機会はほとんどありません。そのため、皮部分の風味が極めて悪いということも、ほとんど知られていません。

 

「小麦粉」という、わざわざ手間をかけて製粉するには…やはりそれなりの理由があったんですね。飛び散るからもったいないとか考える前に、美味しく食べるためには必要な行程なんですね。


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この「小麦」は、日本列島における「米」と同じように、人類の社会と歴史を大きく変えた植物です。

 

それまで自然のままの狩猟採集に頼っていた旧社会から、大陸では小麦、アジアや日本では米という、主食となり得る植物の栽培を覚えたことで、人類は農耕社会という新たなステージへと進むことができました。小麦も米も、人類を次のステージへ押し上げた「革命植物」とも言えるものです。

 

こうして生まれた農耕社会は、必然的に人類をひとつの土地に定住させることになります。そして、収穫した大量の穀物は人類を繁栄へと導き、爆発的に人口を増加させることになるのです。

 

そりゃそうです。狩猟採集時代には自然の恵みをそのままいただける分しか食物を摂取できません。

 

しかし。

 

小麦や米を栽培し、農耕生活を始めた人類は、食物の大量生産を背景に人口を増やせるようになり、地球上を席巻するようになりました。この「小麦」や「米」の獲得こそが、現代までつづく人類大繁栄時代のスタート点と言っても差し支えないと思います。

 

だがしかし。

 

この農耕社会は、人類が自らのために産み出したものでしょうか…?

 

人類の腹を満たすために大々的に栽培されるようになった「小麦」や「米」の立場になってみるとどう見えるか…?

 

「小麦」や「米」にとってみると、人類は最大の庇護者です。「小麦」や「米」にとって農耕社会とは、まさに天国のような世界です。

 

なにせ、麦や米が育ちやすいように、人類はその総力をあげて保護してくれる。小麦や米が育ちやすい環境を、自ら努力することなく人類が作り上げてくれる。さらに、害虫や病気から守ってくれるし、ぐんぐん育つように肥料まで与えてくれる。

 

小麦や米の立場から見ると、こんなに楽に自分たちの「種」の拡大を支えてくれる、大変ありがたい存在はありません。「小麦」「米」の最大の庇護者こそが、我々人類なのです。

 

そんな小麦や米からしてみると、人類は、種の最大の保護者。なんなら「人類を奴隷化し労働させて」て、小麦や米を守らせているともいえます。もしかしたら…我々人類は、「小麦」や「米」に支配されている側なのかもしれません。

 

特に小麦は、その原産地はメソポタミアの砂漠地帯。標高1000mを超える水の少ない高原地帯です。そんな過酷な環境でしか生息して居なかった小麦が、今や世界中で生産され食されている。これ、人類と共に…というより、個体数で言ったら人類以上に繁栄した生物とも言えませんか?

 

なお、堀江貴文氏が代表を努める「小麦の奴隷」というパン屋チェーンも、この「社会を維持するために小麦を育てつづける奴隷となった」という説から名付けられているようです。

 

果たして、主は人類か?それとも小麦や米か?よくよく考えてみると…一筋縄ではいかない難しい問いかけですよね。