糺の森を歩いて美人の神様を祀る『河合神社』へ!
下鴨神社の南方に広がる糺の森。その森の一角にある『河合神社』は、日本三大随筆のひとつ「方丈記」の作者・鴨長明ゆかりのお社です。御祭神は神武天皇の母君・玉依姫で美人の神様としても知られています。
筆者紹介
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こちらの記事は【初夏の京都~名古屋庭園巡り旅行記】よりシリーズでお届けしております。
『河合神社』の歴史
『河合神社』は、下鴨神社の摂社のひとつです。摂社とは、大きな神社に付属する小さなお社のことで、本社の神様と関連ある神様が祀られいることが多いものです。
ここ『河合神社』の御祭神は、神武天皇の母君である「玉依姫」。この神様のご利益はなんと「美人になれる」こと!?全ての女性がより一層美しくなりたい…という願望を叶えてくれる神様として知られているんです。境内には…美人になれるように…という願いを込めて奉納する面白いものもありますので必見ですよ!
ところで皆さん…「日本三大随筆」って…ご存じですか??恐らく…中学校時代古典の授業で習ったはずですが…覚えていらっしゃいますか?
正解はこちら!
このうちのひとつ「方丈記」の作者・鴨長明ゆかりの社が、下鴨神社の境内にあります。それが、今回ご紹介する『河合神社』でもあるんです。
「方丈記」は、平安時代~鎌倉時代にかけてを生きた鴨長明によって書かれた随筆です。彼が生きた時代は、天皇や貴族の時代から武士の時代へと移り変わる動乱の時代。天皇から上皇へ、上皇から平氏へ、平氏から源氏へ…と権力が常に揺れ動く時代を生きた鴨長明。彼の描いた「方丈記」の根底に流れるテーマは「無常観」です。
原文
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
よどみにうかぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人と棲(すみか)と、又かくの如し。現代語訳
流れる川の流れは絶え間ないが、しかしその水はもとの水ではない。
よどみの水面に浮かぶ泡は消えては生じ、そのままの姿で長くとどまっているというためしはない。
世の中の人と住まいも、これと同じなのだ。
作者の鴨長明は、もともとは下鴨神社の神事を司る禰宜の次男として生まれました。そのまま順調に進めば、下鴨神社やその関連神社の神職に就任し人生を終えたであろう人物です。
しかし…鴨長明が18才の時に、下鴨神社の禰宜であった父が命を落とします。これが人生暗転の始まりでした。
父を失ったことで、下鴨神社の禰宜職は一族の他の者に奪われます。そして、さらに下鴨神社の摂社であった神社の禰宜職への就任すらも流れてしまうのです。
結局…彼はその後、神職になることを諦めて隠棲するのですが…その隠棲先で書かれたのが「方丈記」なのです。
鴨長明は、随筆家として以外にも和歌にも達者でした。百人一首にこそ名を連ねてはいませんが、千載和歌集ほか勅撰和歌集には25首もの和歌が掲載されています。
『河合神社』の見どころ
鴨長明の父がが禰宜職担っていたのが、現在世界遺産にも登録されている「下鴨神社」です。そして、後年、禰宜職を目指し叶わなかった神社こそが、下鴨神社摂社のひとつ『河合神社』です。この社は、下鴨神社境内の最南端、鬱蒼とした森が広がる糺の森の入口に位置しています。
神門をくぐると、境内は摂社とは思えないほど広い!普通にひとつの神社として独立しててもおかしくないほどの規模ですね。
舞殿の右手には、ちょっとした空き地があり…ここには、鴨長明が隠棲した「方丈庵」が復元されていました。
が!筆者が訪れた日は移設されてしまっており…その姿を見ることはできませんでした!ぐぬぬ!※実際に方丈庵があったのは伏見日野と言われています。
さてこちらが拝殿です。本殿はこの向こう側にありますので参拝客から見ることはできません。拝殿は黒屋根を基調として、とても落ち着いた雰囲気がありますね。こちらで、二礼二拍手一礼…旅の安全を祈願しました。
拝殿の周りには…何やら面白い絵馬がたくさん奉納それています。これが、ここ『河合神社』の名物・鏡絵馬!よく見ると、ひとつひとつ顔が異なっています。実はこれ、女性たちが「より美しくなるように…)と祈願をかけてメイクを施したものなんです!
境内にはその名も「お化粧室」が設けられています。あ。男性も入れますのでご心配なく(笑)
お化粧室では、ご覧のようなすっぴんの絵馬が置かれていますので、巫女さんに初穂料(800円)をお納めして、ご購入ください。※すっぴんの顔が描いていないものもあります。
そして、化粧室内の鏡を見ながら、ご自身のメイク道具や備え付けの色鉛筆などを用いて「自分がなりたい顔」にお化粧してあげてください。この日も、たくさん女性たちが一生懸命にお化粧してあげていました!
出来上がったら、絵馬掛けに奉納します。裏側にお願い事と名前も書いておくと効果的…かも!?
『河合神社』へのアクセス/駐車場
『河合神社』は下鴨神社の境内にありますので、下鴨神社参拝と合わせてご参拝いただくのが便利です。下鴨神社からは南に広がる糺の森を出口付近までまっすぐ進むと、右手に河合神社が見えてきます。
先に河合神社から参拝なさる場合は、京阪電車の出町柳駅から歩かれるのが便利です。駅を出て目の前の川を渡ると糺の森入口が見えてきます。森に入ってすぐ左手に『河合神社』の案内板が出てきます。
お車の場合は、京都駅からおよそ30分。河原町通を北上すると右手に鴨川デルタ、その先に糺の森が見えてきます。
河合神社には駐車場はありませんので、市営出町駐車場か、下鴨神社の駐車場をご利用ください。
【初夏の京都~名古屋庭園巡り旅行記】二日目。この日は下鴨エリアを散策しています。女性に人気の美人になれる神社を後にして、次は世界遺産の下鴨神社へと向かいました。次回もお楽しみに!
『河合神社』の基本情報
アクセス
京都駅より車で30分
参拝時間
6:00-17:00
定休日
年中無休
参拝料金
無料
駐車場
なし
周辺コインパーキング利用
アドレス
075-781-0010