すぐ目の前に北方領土・国後島!『羅臼国後展望塔』で思ったこと。
北方領土・国後島を望む展望が知床羅臼にあります。そこには、すぐ目の前に横たわる北方領土がありました…。
筆者紹介
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・こちらの記事は【北海道 道東ひとり旅】よりシリーズでお届けしております。
『羅臼国後展望塔』の見どころ
知床半島南岸の町・羅臼町。町の中心街の裏山に当たる高台に、今回ご紹介したいスポットがあります。それが…『羅臼国後展望塔』!羅臼町から直線でわすが30kmの場所に浮かぶ国後島を展望できる場所です。
羅臼の中心街から車でおよそ5分。標高167mの高台の上に作られたこの展望塔からは、まさに目と鼻の先に見える北方領土・国後島を遠望できます。
国後島は…太平洋戦争で日本がポツダム宣言を受諾した後で攻め寄せてきたソ連軍によって占領された北方領土四島のひとつです。面積は1490㎡と、現在日本最大の離島とされる沖縄本島1199㎡よりも広い!なお、国後島の東に浮かぶ択捉島は3139㎡と、さらに2倍以上の面積を有しています。
『羅臼国後展望塔』は、1階が資料館、屋上が展望台になっています。入場は無料ですので気軽に訪れることができますね。
1階には北方領土に関する資料が豊富に展示されています。我が国の立場と主張、ソ連・ロシアとの交渉の歴史…一方的に占領された北方領土について詳しく学ぶことができます。領土問題とは…双方の国民感情も刺激するため、かくも複雑で難しい問題になるということを実感します。
さて、屋上の展望台に上がって見ましょう!展望台は360°ぐるっと見渡せる解放感抜群の作りになっています。北側を眺めると、先ほど下ってきた知床峠や知床連山の峰々がよく見えます。ウトロ側から見ると、残雪はほとんどありませんでしたが…こちら羅臼から見ると、北斜面に当たるため雪の残りが多いですね。くっきり晴れていたら絶景だったろうなー!
さて目を転じて海側を向くと…水平線にうっすらと島影を見ることができます。あれが…まさしく北方領土・国後島です。晴れていれば、国後島の最高峰・爺爺岳もくっきりと見えるそうですよ。
さて…日本とソ連(ロシア)間で争いの火種となっているこの北方領土問題。
ソ連(ロシア)の主張によると、ポツダム宣言やサンフランシスコ講和条約、日ソ共同宣言に明記してある「千島列島」は、最北部の占守島から最南端の択捉島、国後島、色丹島、歯舞諸島まで全てを含んでいるという認識のようです。
しかし、日本の主張では、条約に明記された千島列島は、択捉島の北にあるウルップ島まで。択捉島以南の四島は、明治時代以降一貫して日本領であり続けたことを根拠に「千島列島には含まれない日本固有の領土」と主張しています。
これ…戦後の混乱があったとはいえ、日本人の契約下手、交渉下手が原因とも言えなくないですよね。
条約に記載されている「千島列島」が、どこからどこまでなのか…?を当時きちんと議論していれば、こんな事態にはならなかったかもしれません。
そしてもうひとつ。
沖縄や奄美、小笠原諸島などを返還してくれたアメリカとの対比も交渉に影響があったかもしれません。
沖縄ほかを占領統治していたアメリカは、1953年に奄美群島を、1968年に小笠原諸島を、1972年に沖縄諸島を…と次々に日本へ返還しました。
この経験が「戦後処理で占領された領土もいずれ返してもらえる!」という淡い期待を抱かせる遠因になっているかもしれません。これがソ連(ロシア)に足元見られる原因かも…?
ともかく…島国である日本では、多国の領地を直に見ることができる場所はほとんどありません。知床へお越しの際は、ぜひ一度『羅臼国後展望塔』へお越しいただき…今は渡れない北方領土の島影を目に焼き付けてください。いつか…自由にあの島々へ旅行に行ける日を信じて。
『羅臼国後展望塔』へのアクセス/駐車場
『羅臼国後展望塔』は、知床半島の南岸の町、羅臼の中心部から登った山の上にあります。山頂までは車道が延びていますので、案内に沿って車を走らせれば5分ほどで到着します。施設の目の前には無料の駐車場もありますので、そちらをご利用ください。
こちらへは、路線バス等は走っていませんので、公共交通機関でアクセスする場合は、羅臼の街中まで路線バスで移動し、そこからタクシーを利用する形になります。
【北海道 道東ひとり旅】のシリーズも次回最終回!知床羅臼でランチをいただき、中標津空港を目指します。次回は羅臼のおすすめランチスポットをご紹介します!お楽しみに!
『羅臼国後展望塔』の基本情報
アクセス
中標津空港より車で80分
道の駅知床・らうすよりタクシー
営業時間
9:00-17:00
※秋冬は短縮あり
定休日
毎週月曜日
年末年始(12/29-1/5)
入場料金
無料
駐車場
無料駐車場あり
アドレス
0153-87-4560