世界自然遺産・知床の核心部!ヒグマ活動期の『知床五湖ガイドツアー』は絶対参加すべき!
世界自然遺産・知床のほぼ中央部。5つの湖沼群が集まる『知床五湖ガイドツアー』に参加して参りましたのでレポートします!
筆者紹介
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『知床五湖』散策の基本!
北海道を代表する観光地のひとつ「知床半島」。この知床半島は、世界自然遺産にも登録された豊かな自然が残る貴重なエリアです。
知床半島は、先端まで道路が敷かれていないため、車でアクセスできる観光スポットはごくわずか。そんな数少ない観光スポットが、今回ご紹介する『知床五湖』です。世界自然遺産・知床でも、最も立ち寄りやすいところなので、例年、多くの観光客が訪れる人気スポットになっています。
そんな『知床五湖』は、知床半島のほぼ中央部に位置する五つの湖沼群の総称です。
『知床五湖』の周辺はヒトの開発がほとんど入っていない手付かずの大自然!貴重な生態系がそのまま残されているエリアなんです!
ここ『知床五湖』の散策は、2つのエリア計3つのコースに別れています。
安全な高架散策路を進む
- 高架木道コース
野生生物も多く行き交う地上散策路を進む
- 地上遊歩道コース 大ループ
- 地上遊歩道コース 小ループ
高架木道コースは、4月半ば~11月初旬まで入場無料で自由に散策することができます。散策路は電気柵等で守られており、例えヒグマが目撃されても、安全に散策することが可能です。入り口から知床一湖の展望台まで1.6km、片道20分ほどで到着できます。
地上遊歩道コース(大ループ/小ループ)は…
- 春の植生保護期 4月半ば~5月初旬
- ヒグマ活動期 5月初旬~7月末
- 秋の植生保護期 8月頭~11月中旬
と、時期によって、そのシステムが大きく変わります。
春と秋の植生保護期は、散策の前のレクチャーを受けたものだけが立ち入ることを許されます。各回のレクチャーは定員50名で、事前予約者が優先されます。もしもこの時期に知床五湖の地上遊歩道を散策なさりたい場合は、念のため予約しておくことをおすすめします。
要注意なのが、5月初旬~7月末までの『ヒグマ活動期』に足を踏み入れる方!この時期は、頻繁にヒグマが目撃され、しかもその攻撃性が高いため、経験豊富なガイド同行でないと、立ち入りすら厳禁になります。
『ヒグマ活動期』の地上遊歩道のガイドツアーは、大ループコースと小ループコースの2パターン用意されています。大ループコースは一周3kmあり、所要時間はおよそ180分。小ループコースは一周106kmあり、所要時間は90分です。
ただし…地上遊歩道内にヒグマの姿が確認されたら、その時点で遊歩道は封鎖!ガイドツアーも閉鎖になります。
それくらい、自然の脅威と隣り合わせの、貴重な観光地であることを予めご覚悟ください。なお、ツアー開始後にヒグマが現れて地上散策路が閉鎖されても返金がないことがほとんどです。その点ご留意ください。
今回は…
- ヒグマ活動期(5月後半)
- 地上遊歩道
- 小ループ
- ガイドツアー前日予約
に参加して参りましたので、当日のガイドツアーの様子をレポートします!
『知床五湖ガイドツアー』の見どころ
『知床五湖のガイドツアー』をはじめ、地上遊歩道に立ち入る場合は、まず敷地内の「知床五湖フィールドハウス」へ立ち寄らなければなりません。
なお、高架木道コースは受付を通る必要がないので、ご自由に進んで大丈夫です。「知床五湖フィールドハウス」左手に高架木道の入り口はあります。
この日は5月の半ば。ヒグマが冬眠から目覚め活発的に動き出す「ヒグマ活動期」でした。この時期に地上遊歩道に立ち入るには、熟練したガイド引率によるガイドツアーへ参加しなければなりません。各ツアー定員10名までで、基本的に事前予約制になっています。前日までにご予約を入れてください。
館内には知床五湖のジオラマが置かれています。点在する5つの湖沼群を全て回るのが「大ループコース」、5つの湖沼群のうち一湖二湖を回るのが「小ループコース」です。どちらも、最終的には高架木道へ入ってゴールになるようです。
受付を済ませて待機していると…いよいよ我々のグループが呼ばれました!ワクワク!この先、地上遊歩道に立ち入るには…まずはここレクチャールームでブリーフィングを受けなければなりません。これは、ヒグマ活動期以外の自由散策期(植生保護期)でも同様です。
レクチャールームは広く、50人くらいは入れそうなお部屋になっています。まずはここで、知床五湖の概要や、立ち入る際の注意点、ヒグマと出会わないような対処法、もしも出会ってしまった時の対応などを学びます。
ちなみに…この日の直近のヒグマ目撃情報がこちら。なんと、足跡や糞は毎日のように発見されている!さらに、その姿が目視されたケースも!大ループコースではこの日の前日に目撃されていますね!
さて、レクチャーを終えて、いよいよ地上遊歩道に足を踏み出します!ここから先は動物たちが主の世界。我々人間は「お邪魔する」気持ちで立ち入ります。
まずはガイドさんを先頭に遊歩道を進みます。先行きの見通しが悪いポイントに着くと…不意に…
「ほっ!ほっ!」と声を出したり
「パンパンパン!」と手を叩いたり!
これは、ヒグマ避けのための行動。本来ヒグマは臆病で、敢えて人間を襲うようなことはありません。声を出したり手をたたくことで、「ここに人間がいるそー」とヒグマに知らせることで、彼ら自発的に立ち去るそうなんです。
遊歩道を歩いていると、早速動物の痕跡を発見!これは…シカでしょうか。糞を落としていますね。ガイドさんによると、このような遊歩道はシカやヒグマにとっても歩きやすい道だそうで、彼らは頻繁にこの地上遊歩道を行き来しているようです。
突然ガイドさんが立ち止まりました。そして振り返り…「ヒグマの痕跡がありますよ…」と、傍らの木の幹を指差します。
なんと!木にはクッキリ残された爪痕!ヒグマは木登りも上手なようで、木に登っては木の実を食べたりもしているらしいんです。それにしても…この爪痕の鋭さと大きさ!ヒグマの住む世界に足を踏み入れている実感を強く感じましたね!
地面には色々な花も咲いています。これは尾瀬で人気の水芭蕉!5月半ばながら、もう既に花は咲き終えているようです。ちなみにこの水芭蕉の根っ子部分は、ヒグマも好物なようで、あちこちに食い散らかしたような痕跡が残っていました。
遊歩道は、湿地帯へと延びています。足元が悪くなる部分では、ご覧のとおり木道が設置され、とても歩きやすく整備されています。
歩くことおよそ30分でこのコースの最大の見どころ!知床五湖のひとつ「二湖」に到着しました。
この日は5月とはいえ天気も良く、少し汗ばむくらいの陽気。遠くの知床連山も霞んでいますね。
さらに遊歩道を進みます。この辺りになると、木々からは鳥や虫の鳴き声が良く響いているのが分かるようになります。
この時期、最も大きな声を響かせていたのが…なんとセミ!本州ではまだまだ春ですが…ここは季節の進みが早いんでしょうか。エゾハルゼミというセミがまるで鳴き声をシャワーのように響かせていました。
さて、そうこうしているうちに、我々ツアー一行は知床五湖のひとつ「一湖」へとたどり着きました。この一湖は、知床五湖遊歩道入り口に最も近く、高架木道からも良く見えます。
晴れていれば絶景でしたね!遠く霞んでいるのが羅臼岳をはじめとする知床連山。残雪の残る峰々が池に映って美しい…はず!残念ながら霞んでしまっていますが(笑)
さて、ここから先は、高架木道コースに合流します。高架木道との出入口は一方通行ですので、地上遊歩道側から高架木道へしか進入することができません。
高架木道に入ると、そこは木道のクライマックス!「一湖」と知床連山を見渡す展望台になっています。
ここから先は安全な高架木道をのんびり散策します。ここは、地上3mほどの高さもありますし、根元には電流柵も作られいるのでヒグマが出ても安全ですし、目撃情報があっても閉鎖されることはほとんどありません。
高架木道は高さがあるので見晴らしが素晴らしいですね。実はかつてこの地には牧場が存在した時代があったようで、その時の開発で木々は切り倒され、現在は低木が生い茂っています。
あ!そんな低木の間で見つけたのが…エゾシカちゃん!見えたのはお尻だけでしたが、草木を一生懸命に食べている姿が印象的でした!こういった野生生物は、普通にその辺を歩いていますので、よーく目を凝らしてみてくださいね!
今回ガイドしてくださったオホーツク自然堂のUさんと一枚。この度は素晴らしいガイドありがとうございました!とても詳しい解説でたくさんの学びがありました。Uさんおすすめの…真冬の知床へも、いつか来てみたいものです。
5月~7月のヒグマ活動期は、ガイドツアー必須になる『知床五湖』の地上遊歩道。この時期ならではの大自然を満喫できますので、ぜひご参加なさってください!今回は時間の関係で小ループコースのみでしたが…それでも充分満足でした!むしろお子さま連れのファミリーなどは、こちらのコースの方がちょうど良いかもしれません。
『知床五湖』へのアクセス/駐車場
『知床五湖』は、知床観光の拠点・ウトロより車で20分ほどのところに位置しています。カーナビの目的地設定する場合は、『知床五湖フィールドハウス』を目印にして頂ければ分かりやすいかと思います。
女満別空港からは車で150分、中標津空港からは90分ほどかかりますので、ガイドツアーの予約時間には余裕を持ってお越しください。
知床五湖には100台ほどが止められる大きな有料駐車場があります。付近にはこの駐車場以外ありませんので、必ずこちらに駐車なさってください。
公共交通ご利用の場合は、ウトロ温泉バスターミナルから路線バスか、タクシーでのアクセスになります。路線バスは夏ダイヤですと1日6往復、最盛期には臨時便も運航されるようです。
【北海道 道東ひとり旅】4日目がスタートしました。この日は、今回の旅の目玉『知床五湖ガイドツアー』から始まり、羅臼へ抜けて中標津空港へと至る行程です。次回は、知床横断道路をドライブ!あの絶景ポイントに立ち寄ります!お楽しみに!
『知床五湖ガイドツアー』の基本情報
アクセス
女満別空港より車で150分
営業時間
8:00-18:30
※冬季短縮あり
定休日
11月初旬~4月半ばまでは冬季閉鎖
入場料金
ヒグマ活動期はガイドツアーのみ立ち入り可能
大ループ 大人5000円~
小ループ 大人3500円~
※高架木道散策のみは無料
※ヒグマ活動期以外の地上遊歩道散策は大人250円
駐車場
有料駐車場あり
アドレス
0152-24-3323