30NHK大河ドラマ『どうする家康』第31話コラム
こんばんは!旅行ブロガーにして、歴史地理コラムニストの旅人サイファです。毎週日曜日夜は、NHK大河ドラマ『どうする家康』コラムをお届けします。
筆者紹介
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遂に始まりました…徳川家康と羽柴秀吉による最初で最後の直接対決!いわゆる「小牧長久手の戦い」へとステージが進みました。
あ。ちなみに…この「小牧長久手の戦い」という名称は、ちょっと勘違いを生む要因になっています。
この戦いの戦場は尾張北部。
徳川軍は本拠地を小牧山城に置き、羽柴軍は本拠地を犬山城→楽田城へと移しています。
この戦いの大部分はこの「小牧」と「楽田」での睨み合いがに終始します。さすがは両者とも戦巧者。簡単に兵を出してはそこから戦局に綻びが出ることを恐れたのでしょう。双方大軍を要しながら、大規模な会戦は行われませんでした。
今回描かれたのは、そんな両者ジャブを打ち合う探り合い。お互い本腰を入れた総力戦ではなく、小勢力同士を出し合う小競り合いがメインでした。この睨み合いを後世の人は「小牧の戦い」と呼びました。
そんな中、羽黒の小競り合いで陣地を失った人物がいます。
彼は、羽黒の小競り合いで、家康方の酒井忠次に散々痛め付けられ、その陣地を失います。面目丸つぶれですね。
そんな森長可の後ろ楯になっていたのが、その岳父である池田恒興です。
池田恒興は、面目を失った婿殿の名誉回復のために大軍を起こします。目の前の、主力が籠る小牧山城を無視し、家康の根拠地である三河岡崎城を攻めるという「中入り」作戦。
実は、次回描かれるであろうこの作戦の舞台となるのが長久手なのです。いわゆる長久手の戦い」の現場ですね。
本戦は「小牧」での睨み合い。そんな中で最大の局地戦となったのが「長久手」。
「小牧長久手の戦い」というと、小牧と長久手はすぐお隣のように勘違いしがちですが、このように「小牧」と「長久手」間はおよそ20km、徒歩4時間もの距離があるんです。この辺の地理感覚は、次回描かれるであろう「長久手の戦い」で大切になりますので、ぜひ覚えておいてください。
この「小牧長久手の戦い」は、徳川家康とその家中においてもターニングポイントになります。
これまでは、石川数正と酒井忠次による両家老が家康を支える体制でしたが、この戦いを機に次世代の家臣団へとパワーバランスが大きく動くきっかけになるのです。
後世、徳川四天王と称される
彼ら新しい家臣たちが…この天下分け目の戦で躍動し、その実力と名声を高めることになるのです。この辺りの世代交代のきっかけとなるのが今回描かれた「小牧長久手の戦い」でした。
なお…酒井忠次は続投していますが、なぜか「徳川四天王」から、石川数正の名前は消えていますよね。この、石川数正が消えるのも、徳川家中に更新される大きな一因となっています。
今作「どうする家康」では、家康に次ぐ準主役的な役割を担っている石川数正。なにせ、物語末の「どうする家康紀行」のナレーション役でもありますしね。
もしかしたら…「どうする家康紀行」のナレーションも、あと数回で役割を終えるかもしれませんね。
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