北海道に息づく鳥取の誇り!『鳥取神社』は釧路の西半分を作った鳥取県人の心の拠り所!
北海道屈指の港町・釧路。この釧路の町の西半分は、かつて「鳥取町」と呼ばれる工業都市でした。ここは…かつて鳥取藩士たちが艱難辛苦の末に開いた「もうひとつの鳥取」なのです。
筆者紹介
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『鳥取神社』の歴史
明治17年6月9日。釧路港に207人という団体を乗せた船が到着しました。(※翌年さらに306人が到着)
この船は、鳥取県加露港から出港した宿祢丸という船で、旧鳥取藩士とその家族からなる移住船でした。
この船でやってきた人々は、困窮する鳥取の地を離れ新天地を開拓するために、はるか北海道の地を目指し遥々やってきた旧士族を中心とするの一団です。
彼らは、釧路の西方に広がる未開の地に新たな村を作り、入植の一歩とします。彼らが作った村こそ…鳥取村!故郷の誇りを胸に、はるか北海道の未開の荒野に作り上げた「もうひとつの鳥取」がこの地なのです!
彼らが作り上げた「鳥取村」は、やがて「鳥取町」となり、昭和24年隣の大きな市である釧路市と合併して消滅します。しかし、この合併も、釧路市への一方的な吸収合併ではなく、釧路市と鳥取町の対等な新設合併として実施されたものです。現在も、釧路市の西半分は…暑き鳥取藩士の魂を受け継いだ人々によって、町は保たれているのです。
そんな彼らが心の拠り所としたのが…ここ『鳥取神社』です。誇り高き鳥取藩士の魂は…現在もここ『鳥取神社』と共に息づいているのです。
『鳥取神社』は明治24年、故郷山陰の産土神である出雲大社より大国主命の魂を勧請して開かれました。昭和59年には、入植100年を記念して、郷土のシンボルであった鳥取城を模した「百年館」が作られました。内部は、鳥取村開拓00年の資料や、旧藩主池田候より贈られた資料などを展示する資料館となっています。
『鳥取神社』の見どころ
釧路空港から釧路市街地へと車を走らせると、「釧路市鳥取」という地名に多く遭遇します。
実は釧路市の西側は、かつて「鳥取村(町)」と呼ばれる別の町で、昭和24年に釧路市と対等合併し釧路市へと組み込まれた土地です。
そんな「鳥取村」を作り上げた旧鳥取藩士たちが建立したのが、今回ご紹介する『鳥取神社』です。
道東の大動脈である国道38号線沿いに車を走らせると、見えてくる鳥居と城郭を模した建築物。北海道に和式の城郭はほとんどありませんので非常に珍しい光景です。これは、鳥取藩士の末裔として…かつての主君が治めた鳥取城を思い作った資料館「鳥取百年館」という建物です。
この「鳥取百年館」は、入館無料です。普段は鍵がかけられているため、宮司さんに声をかけて内部を見学させていただくことができます。神社は24時間参拝できますが、「鳥取百年館」は10:00-16:00まで、また月曜日・水曜日は休館ですのでお気をつけください。
この「鳥取百年館」が見応えあり!釧路西方の未開の地を開拓した旧鳥取藩士たちの艱難辛苦、そしてまさにゼロから作り上げた鳥取村、鳥取町の歴史を、非常に深く学ぶことができます。今でこそ釧路市に組み込まれていますが、釧路の半分は…鳥取県人たちが作り上げた町なんですね。
なお境内には、かつて鳥取藩主であった池田候やその子孫の方々も度々この地を訪れているようです。鳥取と釧路の絆…当時の開拓者たちの気持ちを思うと、込み上げてくるものがありますね。
それでは…そんな開拓者たちのこころのよりどころであった『鳥取神社』へ参拝しに参りましょう。
『鳥取神社』は明治24年に、出雲大社から大国主命の魂を分祀されて建立しました。それ以来、ここ鳥取村で大切に守られてきた聖地とも言える場所です。
本殿は、木造とコンクリートを組み合わせた珍しいものです。雪の多い北海道、その対策のためか頑丈な作りをしているようですね。さすが出雲大社から分祀されたものですね、どことなく出雲大社の拝殿に似た雰囲気を持っています。
こちらで二礼二拍手一礼して参拝。かつての鳥取藩士たちは、初めて訪れたここ釧路の何もない未開の地で、何を想い何を願ったか…。彼らの困難へ向かう開拓精神に想いを馳せ、しっかり手を合わせて参りました。
『鳥取神社』へのアクセス/駐車場
鳥取神社は、釧路市街地の北西およそ5kmのところに鎮座している神社です。
お車の場合は、釧路市街地よりおよそ15分、釧路空港からはおよそ30分ほどの距離です。境内には参拝者用の無料駐車場がございますので、そちらをご利用ください。
電車バスの場合は、JR根室本線の釧路駅から路線バスで20分ほどです。最寄りバス停は「鳥取神社前」で、バス停からは徒歩1分ほどで辿り着けます。また、JR根室本線の新富士駅こらは1.2kmほどですので、タクシーでアクセスするのも便利です。
『鳥取神社』の基本情報
アクセス
道東自動車道 阿寒ICより30分
営業時間
24時間自由
定休日
年中無休
参拝料金
無料
駐車場
無料駐車場あり
アドレス
0154-51-2404