『小石川後楽園』は東京を代表する大名庭園!
後楽園球場、後楽園ゆうえんち、後楽園ホール…かつて「後楽園」を冠する施設で埋め尽くされていた小石川の一画。その由来はここ!東京を代表する大名庭園『小石川後楽園』から由来しています。
筆者紹介
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『小石川後楽園』の歴史
『小石川後楽園』は徳川御三家のひとつ、水戸徳川家の藩邸が建てられていた場所です。
水戸徳川家の初代・徳川頼房は、家康の11男として京都伏見で産まれました。彼は、七歳にして江戸の北東の守りである常陸国水戸の領地を与えられ、尾張、紀伊と並んで御三家のひとつとして徳川本家を支えました。
水戸家は、石高こそ尾張家、紀伊家の半分ほどでしたが、他の二家や大名家とは異なり、国許に帰ることなく、江戸定府を求められており、将軍のサポート役を担いました。そのため、「天下の副将軍」とも俗称されています。
『小石川後楽園』は、沼や丘のある小石川の地形を活かした庭園作りが為されています。三代将軍の家光は、頼房と年齢も近く、趣味も似通っていたために非常に気があったようで、ここ『小石川後楽園』へも何度も庭園を愛でに訪れたと言われています。その際家光は、神田川から直接船に乗ったまま庭園を散策したとも伝わっています。
『小石川後楽園』を造営した徳川頼房の死後、跡を継いだのが…徳川光圀!そう!あの水戸黄門のモデルとされる人物です。
彼は、水戸徳川家の二代目として、その生涯をほぼここ小石川の水戸藩邸で過ごしました。なお「水戸黄門」に描かれたような諸国漫遊はしておらず、彼自身は関東地方から出たことすらほとんど無かったと言われています。
この水戸光國の時代に、中国明の遺臣である朱舜水に任せ、ここ『小石川後楽園』の庭園を改築させています。『後楽園』という名称も、「士に当たりては天下の憂い先んじて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむなり」という中国故事から付けられたようです。
『小石川後楽園』の見どころ
『小石川後楽園』には、東門と西門のふたつの入口があります。JR水道橋駅に近い方が東門、JR飯田橋駅に近い方が西門です。
庭園そのものの美しさは、どちらから入場しても充分堪能することができますが…この庭園に託されたテーマをより強く感じるのであれば、断然東門から入場することをおすすめします。
また、西門から入場すると…もうひとつ残念な点がありますが、それは後述しますね。
東門から入ると…まず内庭という小さな池の周りからスタートします。
実はここ「内庭」は、元は水戸徳川家のお屋敷に付属する私的空間。あくまでも公的庭園空間である『後楽園』とは別物!内庭にある唐門をくぐると、ようやく後楽園の庭の旅がスタートするのです
ここ内庭の池は常に穏やか。そのため、水面ギリギリまで近寄れば…こんなに美しい水鏡を撮影することができます。
ちなみにこの↑写真、上下反転させているのですが…気付いてました?上が水面、下が現実世界なんですよー!
と…いうウンチクを垂れていたら…オフ会参加の方々も真似してくれました(笑)
内庭にある唐門は、かつてこの地にあったものを、令和2年に復元したものです。通り抜けはできませんが…この唐門をくぐるところから、『小石川後楽園』の旅はスタートします。
先ほどから「旅」というワードを多様していますが、これには理由があります。実はここ『小石川後楽園』のテーマがズバリ「旅」!江戸から中仙道を通り京都まで行く、西への上京の旅を…この都内の庭園で表現しているのです
先ほどの内庭にあった唐門を抜けると、突然周囲は鬱蒼とした森になります。ここは…信州木曽路。細く険しい山道が続く、中仙道の難所を表現しています。まさに本物の木曽路を行くかのように…道は細くクネクネと曲がり、細かなアップタウンが続きます。まさに山道を抜けているかの如く錯覚するほど!
鬱蒼とした木曽路を抜けて山道を降りると…パッと視界が広がります。ここは、美濃路から降りて視界に広がる琵琶湖を表現しているとのこと!山道をわざと鬱蒼と木々深く暗くすることで…一気に視界が開ける様子はまさに感動的!当時の京都へ旅人も…この視界の広がりに感動したんでしょうね。
池のほとりからは、平坦な道に変わります。非常に視界が広々として本当に琵琶湖のよう!遠くに文京シビックセンターのビルが見えますね。
ここ『小石川後楽園』はこのようにまるで旅をするかのように、移り変わる風景を楽しみながら歩けるという…壮大な仕掛けがしてあります。この感動は、東門から入場した者でないと味わえませんので、お越しの際はぜひ水道橋駅側からアクセスしてください。
ちなみに飯田橋駅側から入場すると…
いきなりこの風景。目の前に東京ドームがドカンと視界に入りますので…やや興醒めしちゃうんですよね。
ちなみに、この日は花菖蒲が見ごろでした。例年5月下旬から6月に見ごろを迎える小石川後楽園の花菖蒲、この日もちょうど良く可愛らしいお花で出迎えてくださいました!
花菖蒲園の奥には円月橋という石橋も残されています。こちらは水面に映すと綺麗な満月のように見えることから名付けられています。この辺りは中国風の建築で、光國時代に朱舜水によって作られたもののようですね!
さて、ぐるっと一周しまして…飯田橋駅側の西門へとやってきたところでオフ会も解散!今回も、幹事のN氏をはじめ、参加者の皆様からたくさん勉強になるお話を伺い…とても素晴らしい経験をさせていただけました!ご同行していただいた皆様!ありがとうございました!
『小石川後楽園』へのアクセス/駐車場
『小石川後楽園』の入り口は、JR水道橋駅側の東門とJR飯田橋駅側の西門、2つから入場することができます。どちらも駅から徒歩圏内ですのでアクセスしやすいです。
筆者のおすすめは、東門からのアクセスです。こちらからですと…。ダイナミックに庭園鑑賞ができますので、余裕があればぜひ水道橋駅側からアクセスなさってください。
2023年6月に参加しました【Facebook日本庭園グループオフ会報告】をシリーズでお届けしました。次回の旅行記は、【初夏の北海道道東ひとり旅】からのシリーズをお届け予定です!お楽しみに!
『小石川後楽園』の基本情報
アクセス
営業時間
9:00-17:00
定休日
年末年始(12/29-1/1)
入場料金
一般300円
65才以上150円
小学生以下及び都内在住の中学生は無料
駐車場
なし 周辺コインパーキング利用
アドレス
東京都文京区後楽1-6-6
03-3811-3015