下呂温泉のある下呂市はなぜ「ゲロ」か?
岐阜県下呂温泉。東海地方屈指の人気を誇る温泉地で、日本三名泉のひとつにも数えられるほど、歴史と人気を誇っています。
現在は、岐阜県下呂市として「市」の名前になっている「下呂」ですが…ちょっと変な名称ですよね?あんまりキレイな音でもないし…。「ゲロオンセン」うん…カタカナで書くとちょっと…ねえ?
これ、知る人ぞ知る謎知識なんですが…実は「下呂温泉」の近くには「上呂」や「中呂」なんていう地名もあるって…ご存知でしたか?
筆者紹介
こちらは本業の傍ら全国47都道府県を旅して年間平均35泊!旅行プランナー/ブロガー「旅人サイファ」が執筆運営しております。
旅人サイファ実績
・スキルマーケット「ココナラ」にて旅行お出かけカテゴリ売上実績No1
・グルメサイト「ニッポンごはん旅」公認ライター
・スマートニュース/Yahoo!ニュースほかメディア掲載実績多数
・「にほんブログ村」国内旅行カテゴリPVランキング1位を記録
こちらは【地理コラム】から記事をお届けしています。
下呂駅の3つ先には上呂駅がある!?
鉄道好きな方には既にご存知かと思いますが、下呂温泉の最寄り駅であるJR高山本線「下呂駅」を高山方面に行くと…3つ先にあるのが「上呂駅」!地名だけでなく、ちゃんと駅名にも採用されているんです。
そもそも、この「下呂」や「上呂」は、古代街道に作られた宿駅の名前でした。
かつて日本の東西を結んだ街道のひとつが「東山道」です。この道は、京都から現在の滋賀県、岐阜県、長野県、群馬県、栃木県、そして東北地方へと続く、東海道と並ぶ東への大動脈です。
畿内→近江国→美濃国→(飛騨国)→信濃国→上野国→下野国→陸奥国
下呂温泉のある飛騨国へは、美濃国で東山道から支道が枝別れして、飛騨国府へと伸びていました。この道を飛騨街道と言います。
こう言った古代の街道には、ポイントポイントごとに宿駅が置かれていました。飛騨街道が作られた当初は、南部に「菅田駅」、北部に「伴有駅」が置かれていましたが、この両者は距離がはなれている上に、渓谷沿いで道も険しかったことから中間駅が作られました。
この時に作られた駅が、「下留駅」で、当時は「しものとまり駅」と呼ばれていたようです。
やがて時代が下ると…この「下留駅」は省略されて「げる駅」と呼ばれるようになります。日本人は昔から略すの好きですよね(笑)
この「下留(げる)」がなまって、現在の「下呂」へと変化したというのが定説になっています。
一方、そもそも「伴有駅」だった駅は、南部の下留駅と対応して「上留(かみのとまり)駅」に名前が変わり、やがてこちらも「上留(じょうる)」→「上呂」へと変化した…とされています。
え!?まさか中呂もあるってホント!?
え。ウソでしょ。
なんと上呂駅と下呂駅を結ぶ国道41号線を走っていると…こんな標識まで登場します!上呂と下呂の間にあるれっきとした地名!それが「中呂」!
JR高山本線の「上呂駅」と「下呂駅」の中間点にある「禅昌寺駅」。その地名はなんと「中呂」という地名も存在しています。駅名は禅昌寺駅ですが…せっかくだから駅名も中呂駅にすれば良かったのに…!
上呂には「上上呂」「中上呂」「下上呂」も!
これだけでも充分面白いのに…実はこの辺りの地名はこれだけに終わりません。
実は「上呂」地区には…
・上上呂子供広場
・中上呂バス停
・下上呂公民館
なんていうものも存在しているんです!
ちなみに、中上呂バス停が置かれている場所の住所は…
『岐阜県下呂市萩原町上呂 中上呂バス停』という…もはや下なのか上なのか中なのか分からない表示になります(笑)いやーもうワケわからん!