『高山陣屋』は全国的にも貴重な陣屋建築!
かつて飛騨国の行政を司った高山の中心地『高山陣屋』は、全国的にも貴重な史跡なんです!かつて全国に置かれた郡代・代官屋敷で現存しているのは…全国でもここだけ!
筆者紹介
こちらは本業の傍ら全国47都道府県を旅して年間平均35泊!旅行プランナー/ブロガー「旅人サイファ」が執筆運営しております。
旅人サイファ実績
・スキルマーケット「ココナラ」にて旅行お出かけカテゴリ売上実績No1
・グルメサイト「ニッポンごはん旅」公認ライター
・スマートニュース/Yahoo!ニュースほかメディア掲載実績多数
・「にほんブログ村」国内旅行カテゴリPVランキング1位を記録
こちらの記事は【GW甲信飛騨旅行記】のシリーズよりお届けしています。
『高山陣屋』の歴史
飛騨高山のシンボルがここ『高山陣屋』です。かつて、高山を含む飛騨国は、織田信長配下の生き残り武将「金森長近」の領国でした。彼は、高山城を築城し、現在に残る高山の町並みの基礎を作った人物です。
その金森長近の子孫は、代々飛騨国を領していましたが、六代目の金森頼旹(よりとき)が出羽国上山藩へと転封になったあとは、江戸幕府が直接支配する「天領」となりました。
江戸幕府は、全国の天領行政を4つの郡代と、60あまりの代官に任せました。
全国に置かれた4つの郡代
現在に残る『高山陣屋』は、その江戸幕府の天領時代、幕府から派遣された代官が政務を執った建物です。全国で4つしかない天領陣屋や60を越える代官所でも主要な建築がそのまま残るのは、全国でもここ『高山陣屋』のみという貴重な遺構なんです!
江戸時代前期の飛騨国は、金森氏を藩主とする高山藩の統治下にありました。
元禄5年(1692)、江戸幕府の命令で金森氏が出羽国の上山に国替となり飛騨国が幕府直轄領になると、金森家家老の屋敷が当初の幕府の支配拠点となります。
その後、金森家の下屋敷があった場所に移転し、そこに高山城三之丸より米蔵が移されました。
ここから、高山陣屋の歴史が始まります。
『高山陣屋』の見どころ
『高山陣屋』は、江戸幕府から派遣された飛騨代官が現地の行政を担った役所です。代官時代と郡代時代を合わせて全25代の代官が、ここを拠点として天領飛騨を治めていました。ここに残る建築物は、そんな江戸時代からそのままの姿で残る貴重な文化財なんです。
江戸幕府直轄の施設ですから、もちろんその紋所は徳川家の三つ葉葵紋!正面玄関に大きく掲げられています。
『高山陣屋』の内部は、公の場である役所部分と、代官とその家族が生活をした奥部分、そして現地代官の最重要任務である年貢管理をした米蔵とに分かれています。
まずは表玄関を入ってすぐにあるのが役所エリアです。下級役人たちが、年貢の管理などをこの部屋で任務に当たっていました。
この辺り…いわゆる「表」という幕府直轄の格式高いエリア。柱や梁に目をやると、このような可愛らしいうさぎを模した飾りが付けられているのが見えます。これは「釘隠し」と呼ばれるもので、建築のために打たれた釘の頭を隠すための飾りです。格式高い建築では、よく目にするもので、様々な意匠のものが使われています。
表の役所部分から奥へ進むと…雰囲気は一変します。ここは「奥」と呼ばれる代官の居住部分。ここからは美しく手入れされたお庭が一望できます。
庭園も、現在残されているのはかつての1/3くらいとか。往時はもっと広いお庭が屋敷の回りに作られていたとされています。
こちらは、この建物で一番偉い、お代官が生活していた空間です。正面は使者の間と呼ばれる間で、幕府から派遣された正式な使者などをお迎えした部屋になります。
この向かい側には…時代劇でも名高い「白州」があります。ここは、判決を言い渡す裁きの場ですが、ここにはいくつもの拷問道具が置かれています。当時から使われていたものなのでしょうか…?
本館を見学を一通りおえると、続いて御蔵へと順路は続きます。ここは、飛騨国一帯から集めた年貢米を治めた土蔵で、飛騨郡代の力の源でした。
内部は、飛騨の歴史や飛騨郡代の資料と共に…原寸大の米俵!レプリカとはいえ、すごい迫力!これだけの米俵が積み重なっていたら…壮観でしょうね。下手な大名よりも多くの年貢を取り扱っていたとされる飛騨郡代、その力の一端を見る思いでした。
『高山陣屋』へのアクセス/駐車場
『高山陣屋』は、高山市街地の中心地に位置しています。JR高山駅からは徒歩10分ほど。駅前通りを西へまっすぐ進むと見えてきます。赤い欄干が目立つ宮川を渡ると、対岸は古い町並みが美しいさんまち通りです。
お車の場合は、東海北陸自動車道の高山ICより20分ほど。専用の駐車場はありませんので、周辺のコインパーキング等をご利用ください。
ただし『高山陣屋』の周辺は、観光客で賑わう高山の中心地近くにある施設で、周辺の道も狭いため渋滞が頻発する地域です。お車の場合もギリギリまで近付こうとせずに、JR高山駅周辺や高山市役所周辺の駐車場をご利用なさる方がストレス少ないかと思います。
まとめ
江戸時代に、幕府直轄の天領であった飛騨国一帯。その天領支配の中心となったのが、『高山陣屋』でした。ほぼ当時のまま残る陣屋建築は、全国でもここだけ!貴重な文化財ですので、ぜひじっくりとご見学ください!
【GW甲信飛騨温泉旅行記】3日目。賑わう飛騨高山の町を散策しています。次回は、この『高山陣屋』からすぐのところにある…食べ歩きグルメをご紹介します。お楽しみに!
『高山陣屋』の基本情報
アクセス
東海北陸自動車道 高山ICより20分
営業時間
8:45-17:00
定休日
年末年始(12/29-1/3)
入場料金
大人 440円
高校生以下 無料
駐車場
周辺コインパーキング利用
アドレス
0577-32-0643