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【歴史コラム】「熊本」はかつて九州の首都だった!?

九州の首都は「熊本市」になるはずだった!?

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九州最大の都市「福岡市」。古くは「那の津」として大陸交流の玄関口にもなった、日本有数の歴史を持つ町です。

 

現在の福岡市の人口は156万人。これは九州全県の中でも最大で、2位の北九州市(92万人)、3位の熊本市(73万人)を遥かに超える、日本でも有数の大都市となっています。

 

現在は、国の出先機関や九州出張所、また大企業の九州支社など、多くの拠点がここ「福岡市」に置かれており、名実ともに『九州の首都』ポジションを確固たるものとしていますよね。

 

しかし…日本が近代国家として脱皮しようとしていた明治時代、実は日本政府は「福岡」ではなく他の都市を九州の首都と見なしていたことをご存知でしょうか?

 

その都市とは…九州島のほぼ中央に位置する「熊本」!明治新政府は当初、熊本こそを九州の首都とし、育てて行くつもりだった節があるのです。

 

筆者紹介

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こちらは【歴史コラム】シリーズからの記事をお届けしています。

 

 

明治政府は熊本を優遇していた?

九州の首都は熊本!その証拠が、明治政府が熊本に置いた施設の数々です。

  • 全国に4つしか置かれなかった陸軍の拠点『熊本鎮台』
  • 全国に5つしか作られなかったナンバースクール『第五中学校』→後に『第五高等学校』に改称
  • 全国に5つに統合されたうちのひとつ『九州逓信局』

これらは、九州全体を管轄する、もしくは九州にただひとつしかない国の施設です。

 

その他にも『九州財務局』『九州農政局』『九州総合通信局』など、現在でも国の九州統括支所のいくつかは、熊本に置かれ続けているものも多くあります。

 

国の出先機関や大企業の支店が置かれるということは…そこに仕事が生まれます。そしてそれらへ勤務する人々とその家族が住民として流入しますから、必然的に人口も増加します。

 

事実、明治大正期までは、九州の都市人口は「鹿児島市」「熊本市」「福岡市」の順でほぼ拮抗していたようで、地理的にこの3都市の中間点である熊本市に重きが置かれるのも納得のいくものでした。

 

福岡と熊本の立場は戦後に逆転!

しかし…戦後、九州に置ける首都的地位は徐々に熊本市から福岡市へと移って行くことになります。

 

「熊本」は、九州島の中央に近いため「九州を統括する」のみであれば非常に効率の良い立地でした。なにせ熊本県は、九州の他の6県全てと隣接もしくは海接しているためアクセスが容易です。

 

しかし…唯一難があったのが「東京との連携」でした。明治~昭和初期までは、新幹線はおろか旅客飛行機もありません。

 

東京を中心とした国家作りを進めていた政府にしてみれば…東京からのアクセスは非常に重要なポイントのひとつでした。

 

例えば四国の場合でも、四国内の最大都市は「松山市」ですが、それよりも、東京からのアクセスしやすい玄関口「高松市」に国の出先機関は多く置かれています。

 

同じ理由で、かつて熊本に集中していた国の出先機関や大企業の支店は、そのほとんどが昭和期に「福岡市」へと移転してしまっているのです。

 

その結果…かつて九州の首都と目されていた熊本市は凋落し、福岡市の後塵を拝することになったのです。現在、人口では2倍以上の差をつけられてしまっています。

 

とはいえ…近年開通したある交通によって、その関係性も少し変化が起きているようです。

 

その乗り物とは…JR九州が満を持して投入した「九州新幹線」!これに乗れば、福岡市の中心駅・博多駅から熊本駅まで最速でわずか32分!少々お高いとはいえ、これだけ早く到達できれば、ほぼ同一の都市圏と考えても良さそうです。例えば、福岡で仕事を終えてから夕方熊本に遊びに来る…なんていう動きもできる距離感になっているんです。

 

 

 

かつて、明治政府から九州の首都として位置付けられながら…福岡に九州の首都機能を持って行かれてしまった熊本。とはいえ、九州のヘソとして屈指の規模を誇る都市であることには変わりありません。九州全土のどこからでもアクセスしやすい利便性を活かして、存在感を示して欲しいものです。