『旧安田楠雄邸庭園』は週に2回しか公開されない絶景庭園!
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こちらの記事は【春の都内さんぽ】シリーズからお届けしております。
『旧安田楠雄邸庭園』の歴史
東京千駄木の高台は、資産家や銀行の頭取などの邸宅が並ぶ高級住宅街として知られています。そのためこの高台通りは「銀行通り」「社長通り」とも呼ばれたと言われています。
そんな豪奢な邸宅が並ぶ通りのうちの一棟がここ『旧安田楠雄邸』で、東京都指定の名勝に定められています。
旧安田楠雄邸庭園の歴史
邸宅と庭園は、「豊島園」の創始者である実業家、藤田好三郎(ふじたよしさぶろう)によって1919~1920年に造られました。関東大震災後、旧安田財閥の創始者・安田善次郎の女婿である安田善四郎が藤田家からこのお屋敷を買い取り、安田家の所有となりました。そして1995年、当主の楠雄氏が他界した後、夫人により公益財団法人日本ナショナルトラスト(JNT)に寄贈され現在に至ります。
旧安田邸では、大正・昭和期の山の手住宅の庭園を見ることができます。邸宅は雁行形に配され、そのため主庭の景色は見る部屋によって印象が変わります。さらに庭園は邸宅内からの眺めを重視して造られ、奥行きを演出する密度の濃い構成となっています。
『旧安田楠雄邸』は、その見事な邸宅と庭園は1919年に作られた大正時代のお屋敷です。関東大震災や東京大空襲などの被害を免れた、とても貴重な戦前のお屋敷で、現在は毎週水曜日と土曜日の週2回だけ限定公開されています。
『旧安田楠雄邸庭園』の見どころ
『旧安田楠雄邸庭園』は見どころが多数ある素晴らしいスポットですが…中でも最大の見どころは、邸宅から眺める美しいお庭の風景です。
受付のある玄関を上がると、すぐのところにあるのが応接間である洋間です。戦前の浪漫溢れる作りはもう感動すら覚えるほど!そしてそこから眺めるお庭の美しいこと!まるで大正時代にタイムスリップしたかのような美しい風景が広がります。
邸宅は、台所を除いて奇跡的に創建当時のまま残されており、その台所も昭和初期、楠雄氏と夫人の結婚の際に改装されたものです。邸内で唯一の洋間である応接間には、藤田家、安田家当時に使われた家具が並んでいます。庭側には日当たりのよいサンルームがあり、そこから庭を眺めると敷地の奥行きをさらに感じることでしょう。
応接間の置くに作られた縁側はサンルームになっており、左右ともゆがみガラスが張られています。暗いお部屋と明るいお庭のコントラストがまた素晴らしいですね。決して広いお庭ではありませんが、とても広がりを感じる作りになっています。
庭は種々の草木が生い茂り深山幽谷に入り込んだような錯覚を覚えさせます。東京のど真ん中とは思えません。
さらに奥に進むと、そこは和の空間へとガラリと雰囲気が変わります。こちらはお茶室ですね。大きな玄関石の下には戦時中に掘られた防空壕があるようで、年に2回だけ一般の公開されているようです。
順路をたどって2階へ。この2階からの風景が…また素晴らしかった!
2階の広間から庭を見ると…真正面に見事なシダレザクラ!まるで額縁に納められた絵画のよう!これ、1階の応接間からは桜が咲いていることなど全く感じさせないニクい作りになっています。2階の広間に入って初めて、そこに桜の木が植えられていることに気付くという演出!見る場所、見る角度によって全く異なる風景に出逢う…計算され尽くした建築と庭園の粋を見る思いです。
その他、邸宅内は見どころがたくさんあります。細かな技巧を凝らした意匠を…ぜひ、ご堪能ください!
他にも、一間四方の床の間が配された「残月の間」や書院造の客間、シャワーが取り付けられた風呂場、防空壕(年2回公開)や押し入れの中の水屋など、見どころあふれた邸内となっています。また、応接間天井の石膏花飾りや「残月の間」襖に見られる金銀砂子(きんぎんすなご)細工、客間の花狭間欄間(はなざまらんま)など、細かな技巧もあちらこちらで見ることができます。襖の引手や照明器具だけを見ても、その意匠の多様さに驚かされます。
そしてこの日は嬉しいことに、こんな特別な拝観も!
なんと、普段は入ることができないお庭を散策することができたんです!
普段は見ることができない、この角度からの邸宅と庭園。やはり東京のど真ん中だとは思えません…。この日は、邸宅とお庭にシダレザクラまで、大満足の拝観でした!
『旧安田楠雄邸』へのアクセス/駐車場
『旧安田楠雄邸』は、東京メトロ千代田線の千駄木駅より徒歩7分ほどのところに位置していますので、アクセスは良好です。周辺には、根津神社や谷中通り商店街など散策するのも楽しい町が広がっているので、合わせてお楽しみください。
お車の場合は、周辺道路はやや狭く駐車場もありませんのでご注意ください。お車は周辺のコインパーキング利用になります。
まとめ
『旧安田楠雄邸庭園』は、あまり知られていない穴場の絶景です。毎週水曜日と土曜日の2回しか一般公開されていませんので、訪れたことがある方はレアかもしません。大正時代に作られた素晴らしい建築と美しい庭園を愛でに、ぜひ一度足をお運びください。
【春の都内さんぽ】次回は、都内屈指の日本庭園の夜間ライトアップイベントをレポートします。お楽しみに!
『旧安田楠雄邸庭園』の基本情報
アクセス
JR山手線 日暮里駅より徒歩15分
営業時間
10:30-16:00
公開日
毎週水曜日土曜日のみ
入場料金
一般500円
中高生200円
小学生以下無料
駐車場
なし 周辺コインパーキング利用
アドレス
東京都文京区千駄木5-20-18
03-3822-2699