沖縄県の第2都市はどこ!?
全国には47の都道府県が置かれています。その47の都道府県内には、行政の中枢として機能する県庁所在地が置かれていますよね。
そのうち、ほとんどの県では、県内で人口最多の都市に県庁が置かれています。
そんな県庁所在地や最大都市(人口最多都市)は比較的有名ですが、それらに次ぐ第2の都市は?と問われると戸惑う方も多いのではないでしょうか?そう!その県の「第2の都市」って意外と知られていないのです。
そんな、都道府県内の第2の都市に焦点をあてた連載がこの【都道府県No.2物語】!人口ランキングデータを基に、今回は『沖縄県』の第2都市を探っていきます!
こんにちは!全国各地を旅行して、その土地土地のことを考察している旅人サイファです。毎週月曜日は毎回ひとつの県を取り上げた~都道府県No.2物語~をお送りしています。
沖縄県第2の都市はここ!
現在、沖縄県で「那覇市」に次ぐ規模の都市となっているのが『沖縄市』です。
沖縄本島中部に位置する沖縄市は、米軍基地を多く抱えていることもあり国際色が豊かななのが特色です。特にコザの中心街には、ハンバーガーショップなどアメリカンスタイルのお店が並び、米軍人の利用も多いため日本語と英語が入り交じる独特の風景を作り出しています。
元々この辺りは「越来村」と「美里村」という2つの村が存在していました。戦後、米軍統治時代に越来村の胡屋地区を「KOZA」と呼んだことからこれが浸透。越来村が改称し「コザ村」となり、さらに市へ昇格して「コザ市」となりました。やがて、この「コザ市」と「美里村」が新設合併したことで、現在に続く『沖縄市』が誕生したのです。
ちなみに、県名と同じ市名ながら県庁所在地でないのは、ここ「沖縄県沖縄市」と「山梨県山梨市」「栃木県栃木市」のたった3例しかありません。
沖縄県の歴史
沖縄県の歴史は複雑です。そもそも沖縄諸島の島々は、ヤマト朝廷とは別の「琉球王国」という島国として独立していました。
琉球王国は、海の交差点として日本や中国、朝鮮などと広く交易し大いに栄えました。一時は、奄美群島まで勢力下に置いたというから、一大海洋王国ですよね。
その体制が崩れたのが江戸時代初頭のことでした。薩摩藩島津家が、江戸幕府公認のもと突如侵略を開始。当時は戦国時代の真っ只中で、世界屈指の軍事大国であった日本。中でも最も精強だったと言われる薩摩藩兵に琉球王朝は全く歯が立たず、一方的に保護国とされてしまいます。
琉球王国は、中国大陸の王朝へも朝貢してその支配下となっていましたが、薩摩藩は表向きはその体制を維持したまま、薩摩藩からも支配を受けるという…複雑な二重支配を受けることとなります。
この体制が変わるのは明治時代になってから。明治新政府による半ば強引な交渉によって中国(当時は清国)との朝貢体制は打ち切られ、正式に「日本国沖縄県」として成立したのです。清国との交渉の中では、奄美群島は日本国、沖縄本島周辺は琉球国、宮古島八重山諸島は清国のそれぞれ領土とする案も検討されていたというから…歴史の流れが一歩違えば日本の国土の姿も大きく変わっていたかもしれませんね。
太平洋戦争後、一時期米軍統治下に置かれていましたが、昭和47年に日本へと変換され、現在に続く「沖縄県」が再設置され現在に至ります。
沖縄県の県庁所在地
沖縄県の県庁は「那覇市」に置かれています。ですが?元々の沖縄(琉球)の都は、「那覇」ではなく「首里」に置かれていました。現在でこそ同じ那覇市の領域に含まれていますが、本来、「那覇」と「首里」は別の町なのです。
「那覇」は、市域中央を流れる国場川の河口に広がった貿易港として発展しました。元々河口に浮かぶ島だったとも言われています。
政治・宗教の中心「首里」と貿易・商業の中心「那覇」として棲み分けされていたのです。
明治12年に沖縄県が発足した際、その県庁は「首里」ではなく「那覇」に置かれました。明治政府は「那覇」を拠点とすることで、人心一新を図りたかったのでしょうね。(首里城が陸軍の拠点となっていたため県庁を置けなかったという説もあり)
結局「首里市」も、昭和29年に那覇市に吸収されたことから…「那覇市」は首里を含む名実的な沖縄の都へと成長するのです。
沖縄県第2都市候補
・沖縄市
沖縄県第2の都市候補筆頭がここ「沖縄市」です。本島中部の中心都市で、旧コザ市と旧美里村が新設合併して誕生しました。嘉手納基地を始め、米軍基地が多いこともあり、国際色豊かな町が広がっています。
・浦添市
首里に政庁が移る前に琉球王国の首都だったのがここ「浦添市」です。那覇市の東隣で首里からもすぐのところにあります。その市名の由来は「津々浦々を襲う(支配する)」…ということから来ていると言われています。浦添を拠点に本島中部を支配した舜天王や察度王など、旧王朝が都とした歴史の町です。
・石垣市
離島である「石垣市」も有力候補に挙がるか?八重山諸島の中心となる島で、県内では本島、西表島に次ぐ3番目に大きな島となっています。その繁華街は離島とは思えないほど賑わっており、飲み屋街を歩くとどこか地方都市にでも来たかのような錯覚を覚えるほどです。とは言え…県内第2位は少々厳しいか?
沖縄県内人口ランキング推移
1980年~2010年までの、沖縄県内の人口ランキング推移がこちらです。
1位2位は全期間中変わらず!トップ「那覇市」と2位「沖縄市」で変化はありません。
3位はかつては「浦添市」が独占していましたが、近年は新顔「うるま市」が顔を出すようになっています。
最新!沖縄県第2都市はここ!
それでは!2021年10月の人口ランキングから最新の沖縄県内人口データを見てみましょう!
第1位 那覇市 31.5万人(全国80位)
第2位 沖縄市 14.2万人(同191位)
第3位 うるま市 12.5万人(同220位)
第4位 浦添市 11.0万人(同235位)
第5位 宜野湾市 10.0万人(同379位)
やはり『沖縄市』が強かった!人口も14万人強と、九州全土の第2都市と比較しても遜色のないレベルの都市となっていますね!