NHK大河ドラマ『どうする家康』第14話コラム
こんばんは！旅行ブロガーにして、歴史地理コラムニストの旅人サイファです。毎週日曜日夜は、NHK大河ドラマ『どうする家康』コラムをお届けします。
筆者紹介
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越前朝倉攻めで大ピンチ！
今回も面白い描きかたをしていましたね。
この時、信長の妹婿であった近江の浅井長政も、織田勢に加わるために国を出立し、合流地点である越前敦賀へと向かっていました。
敦賀は、近江からひとつ峠を越えたところで、越前の入り口に当たる場所です。
浅井長政は、信長の義理の弟ということもあり、当時は誰しもが織田軍に加わるもの…と信じて疑っていませんでした。
しかし…だからこそ、裏をかくことができたのでしょう。
元々、浅井家と越前の朝倉家は深い同盟関係にありました。しかし、尾張から美濃を経て勢力を拡大してきた織田信長の圧力に屈する形で、浅井長政は信長の妹・市を嫁に迎え、織田家との同盟に踏み切ったのです。
しかし、この織田－浅井同盟は堅固とは言い難いものだったようです。浅井長政の父・亮政は、古くからの朝倉との同盟に重きを置き、織田との同盟には反対していたと言われています。
この、浅井家中の勢力争いもあったのでしょう。また、劇中で描かれていたように、将軍を立てるという信長の大義名分に疑問もあったのかもしれません。
浅井長政は、織田軍が敦賀に滞在中なのを見計らって、反信長の旗幟を鮮明にするのです。
この裏切りは、効果的でした。
なにせ信長は、妹婿である長政を実の弟のように可愛がっていました。そんな長政が、まさか裏切る訳がない。信長は、そう高を括っていた節があります。
浅井の裏切りは歴史を大きく変えていたかもしれない！？
この浅井の裏切りは、歴史を大きく変えていた可能性があります。なにせ、敦賀には、信長、家康の他にも、羽柴秀吉、明智光秀、柴田勝家といった織田家の重臣たちも勢揃いしていました。
もしも、浅井の裏切りに気付かずに、南下する朝倉勢との挟み撃ちが成功していたら…！後の歴史を動かすはずの人物たちがことごとく敦賀の地で命を落としていたはずなのです。
こう考えると…浅井の裏切りを知らせた市の功績も多大だったことになりますね。彼女が送った「あずき」のメッセージこそが、信長→秀吉→家康へと繋がる歴史のラインを導いたとも言えるのです。
今作では「小豆」ではなく、侍女の「阿月」がその、役割を担いました。
そして、信長と家康との関係にも…わずかに変化が生じましたね。
信長に向かって「アホたわけ！」と罵る家康は今まで無かったこと。そしてさらに、秀吉に向かって「クズ野郎」とも(笑)
結局、ここ敦賀での朝倉浅井による挟み撃ちは失敗に終わります。この時、殿(しんがり)を任されたのは羽柴秀吉と徳川家康。のちに天下を争うことになる両者にとって、この敦賀金ヶ崎撤退戦は、その命運を左右する大きな岐路でもあったのです。
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