NHK大河ドラマ『どうする家康』第13話コラム
こんばんは!旅行ブロガーにして、歴史地理コラムニストの旅人サイファです。毎週日曜日夜は、NHK大河ドラマ『どうする家康』コラムをお届けします。
筆者紹介
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「信康と五徳」
家康の嫡男・徳川信康は、織田信長の長女・五徳姫と婚姻を結びます。
2人の婚姻は1567年と言いますから…同い年の信康と五徳姫はわずか8歳で婚姻したことになります。五徳姫は、2人の姫を産みますが、決して仲睦まじい関係ではなかったようです。
この、信康と五徳姫の不仲は、やがて家康にとって生涯忘れられぬ痛恨の事件を招くことになるのですが…もしも今回描かれた「金平糖」を持ち帰っていれば…違った未来となっていたのでしょうか。
なお、五徳姫はその後も長寿を保ち、江戸時代半ばの1636年、隠棲先の京都で死去します。時はすでに三代将軍家光の時代。墓所は父信長と同じく大徳寺総見院に葬られています。
「日の本のありし姿」
さて、信長によって招かれ京の都へと上洛した家康。この時、信長から彼の目指す未来の話を聞かされます。
信長は、若かりし頃から市中を駆け回り「うつけもの」として知られた存在でした。しかし、これは民衆の求めるところを知るための、非常に重要な時間だったのだと思います。
時は戦国の世。天皇の権威も将軍の権威も凋落し、各地方で大名たちが勢力争いをする秩序のない世の中でした。
信長は民衆の求めるものを熟知していました。それは、命や財産を誰にも奪われることのない秩序のある世。そのためにも、天皇や将軍を立て、それらの権威のもとに、民衆が苦しむことない世の中を作ろうとしたのです。
しかし、その理想はやがて頓挫します。残念ながら、現在の天皇や将軍には世の中を建て直す力はない。で、あれば…信長自らが天下を統一し、新しい世を作ろうとしたのでしょう。ですが、全ての敵対勢力を力で捩じ伏せようとした信長のやり方は徹底的すぎました。信長の理想は、その後継者である秀吉によって達成され、さらに家康の手で安寧な世の中が作られるのです。
「家康と茶々姫」
浅井長政に嫁いだ、信長の妹お市の方。彼女は、日本史上で最も有名な三姉妹を産みます。その長女が茶々姫です。やがて「淀殿」として、戦国時代を終わらせるラスボス的ポジションに立つことになる女性です。
今回、家康は産まれたばかりの茶々姫を抱っこする様子が描かれたましたが…これはやがて来る悲劇の伏線でしょう。
茶々姫は成長した後、秀吉の側室となり嫡子・秀頼を産みます。秀頼は、徳川幕府が成立した後も独立した地位を保持し続けます。家康は、ここで非情な決断をします。前天下人の子、豊臣秀頼が健在のままでは、せっかく成立した徳川幕府の世に禍根を残す。秀頼を屈伏させ、徳川の世を安定させなければ、また戦国の世に逆戻りしてしまう。
家康は、あの手この手を使って豊臣秀頼を屈伏させようとしますが…それに最後まで抵抗したのが茶々姫でした。結局、大坂の陣にて茶々姫も秀頼も焼け落ちる大坂城と共にその命を散らします。この悲劇を経過したからこそ…徳川幕府は260年もの長きに渡る安定政権を築き、民衆が安寧の世を謳歌できる時代を作ることができたのです。
戦国の世を終わらせた家康と、そのラスボスとなった茶々姫。わずかな触れあいは…やがて来る悲劇を思わずには居れません。
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