【京都『吉田神社』は日本中全ての神様を集めた神社!?】
こんにちは!本業の傍ら、日本中を旅しては記事を書いている旅行ブロガーの「旅人サイファ」です。
こちらは、5月に訪れた京都の旅行記【新緑の京都ひとり旅】シリーズから『吉田神社』のご紹介です!
あなたは、日本神道の総本山とも呼ばれる『吉田神社』をご存知ですか?
京都旅行に行かれても、なかなか足を踏み入れる機会が少ないかもしれませんね。
ちょうど、京都御所とは鴨川を挟んだ向かい側、平安神宮の北側のエリアって、観光客はほとんど足を向けないエリアです。
なぜか?
それは、この辺りには「京都大学」がでーん!!と占拠しているから!広大な敷地に、各学部のキャンパスや、研究所、京大病院などが置かれており、観光するようなスポットもほとんどないので、観光客が訪れることはほぼありません。
そんな京都大学の西側一画に、こんもりと茂る小山があります。それこそが、今回ご紹介する『吉田神社』が鎮座する「吉田山」です。
吉田神社は京大キャンパスのすぐ裏手
京大のキャンパスを抜けると…正面に大きな鳥居が見えてきました。こちらが『吉田神社』への入り口です。
広い参道を抜けると二の鳥居。この先は小高い山になりますので、少々きつい登りが待っています。
境内に入ると、正面には赤い縁取りが美しい社殿が目に入ります。こちらが『吉田神社』の本殿になります。
清和天皇の御代 貞観元年4月(西暦859年)に中納言藤原山蔭ふじわらやまかげ卿が京の都の鎮守神として吉田山に勧請し創建されました。
この鎮座地である吉田山は、古来より「神楽岡」(神が集いし岡)と呼ばれ親しまれている聖地であり、現在でもその秀麗な山容は東山三十六峰の12峰目に数えられております。
以来、皇室の崇敬極めて厚く、特に神職 吉田兼倶が吉田神道を創設してからは、神道界に絶大なる権威を得て隆盛を極めた社です。
明治時代に吉田流の唯一神道が否定されたことで、一時勢いを失った「吉田神道」。ですが中世には、伊勢神宮をも凌ぐ、神道の最高拠点として機能していた過去があります。
境内にはお菓子の神様を祀る摂社も!
『吉田神社』の境内には、本殿の他にも摂社末社が多数鎮座しています。
中でも面白いのはここ!「菓祖神社」。なんとこちらはお菓子の神様を祭っているんです!参道には、有名なお菓子メーカーから奉納板がずらり!
以前、嵐山でお詣りした「御髪神社」では、美容院や美容学校、シャンプーやかつらメーカーからの奉納板がありましたね。
せっかくなのでお菓子の神様にもご挨拶していきます。こちら「菓祖神社」は、果物の祖とも言われる橘を持ち帰った田道間守命をお祀りしているようですね!
果物の祖と言われる橘を日本に持ち帰ったとされる田道間守命と、日本で初めて饅頭をつくったとされる林浄因命の2神を菓子の祖神として祀る社です。
京都を中心に多くの菓子業界の方々から信仰を集めております。
齊場所大元宮は重要文化財!
吉田山の山頂近くまで登ると…ひとつのお社が見えてきました。実は…こちらが超重要スポットなんです。
こちらは『齊場所大元宮』と呼ばれるお社です。
なんとこちらは、日本中全ての神様を祭ったお社だとか!ここにお詣りすれば、伊勢神宮にも出雲大社にも宇佐八幡にもお詣りしたことになるとか!その数なんと、3132社とか!延喜式に記載されている全ての神社を合祀しているようです。
本殿は重要文化財に指定されていて、神社では珍しい八角形をしています。これは、唯一神道を唱えた吉田兼倶が、仏教や密教、道教、儒教、陰陽道など、全ての宗教の要素を合わせて持つ…としたことに由来するそうです。
齊場所大元宮
吉田神道の教義により宇宙軸を現す大元宮は、始まりの神(虚無大元尊神)を中心に祀り、そこから生まれ来る八百万の神々を祀る事で、全国の神々を祀る社として、様々な御神徳をお授け下さいます。
昔左京室町にあった社を吉田兼倶が後土御門天皇の御代 文明16年(西暦1484年)に現地に造営、同年11月24日奉請の上遷座されました。
吉田神道の根元殿堂として道を説き 教えを設け、神職界の宗家として「宗源宣旨(そうげんせんし)」並「裁許状(さいきょじょう)」を発行するなど、大元宮を神道の中心地として神祇道の振興に貢献しました。
現在でも当社節分祭では大元宮を中心に特殊神事が行われ、厄塚による厄除祈願の参拝者が群集するなど、本宮と並び賞されるご崇敬極めて篤い社です。
吉田神道は、ここ『吉田神社』を総本山として、日本中の全ての神社を統括する存在として隆盛しました。
しかし、明治新政府はこれを認めず、伊勢神宮こそを唯一最高の神社とする「国家神道」を正統とします。
戦後は行き過ぎた「国家神道」絶対史観を改めたことで、穏やかな性質となった神社・神道ですが…ここ『吉田神社』をそんな現代風の緩やかな神道とは一線を画す、より宗教色の濃い神道施設を感じさせる神社でした!
アクセス
京都市バス 201系統206系統 京大正門前より徒歩5分
参拝時間
24時間自由
社務所は9:00-17:00
定休日
年中無休
参拝料金
無料
駐車場
参拝者専用無料駐車場あり
アドレス
075-771-3789
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