【米国の日本庭園専門誌のランキングで常に上位!足立美術館や桂離宮に次ぐ高評価を受けている日本庭園『山本亭』鑑賞レポート!】
寅さんの町「葛飾柴又」に、こんなに美しい日本庭園があったとは…!もしかしたら東京都民でも知らない人が多いかもしれません!
こんにちは!旅人サイファです。
近年、全国各地の日本庭園の美しさに魅了されている筆者。春から初夏にかけて、東京都内にある庭園めぐりをしてきましたので、それらを【都内絶景庭園めぐり】と題して、先週からシリーズでお届けしています。
今回訪れた『山本亭』は、葛飾柴又のランドマーク「帝釈天」の裏手に位置する、旧個人宅の日本庭園です。
いつも人が賑わう「帝釈天」や参道商店街とは対照的に、ここ『山本亭』の辺りはひっそりとしています。うーん!実にもったいない!
ここ『山本亭』は、日本でも屈指の評価を受ける、素晴らしいと日本庭園を有しているんですよー!
アメリカで発行されている日本庭園の専門雑誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」は、毎年、「日本庭園ランキング」を発表しています。島根県の「足立美術館」が19年連続第1位というニュースを耳にされた方も多いかもしれません。
先日、2021年版の最新ランキングが発表されましたので見てみましょうー!
最新2021年のランキング
第3位 山本亭 (東京都)
第4位 皆美館 (島根県)
第5位 京都平安ホテル (京都府)
なんと驚き!「足立美術館」や「桂離宮」という超有名スポットに肩を並べる第3位が『山本亭』!
この年の他にも、第3位に過去8回もノミネート(最多)されているという、まさにワールドクラスの日本庭園なんです!
珍しい石造りの長屋門を抜けると、既に邸内はこの雰囲気!とても丁寧にお手入れがなされているのが分かりますね。
玄関を入ってすぐのところで受付を済ませます。こちらは、かつて浅草でカメラ部品を製造していた「山本栄之助」氏が、関東大震災後にここに居を移し整備したものです。
山本亭の特徴は、近代和風建築と純和風庭園が見事に調和しているところです。母屋は書院造り風の古風な日本建築ですが、昭和8年頃までの増改築により、廊下には近代に流行るガラス戸を巡らして野外と室内を仕切り、鳳凰の間と呼ばれる応接間を増築、さらに洋風にアレンジした長屋門など洋風の造形も加わりました。
我々も受付を済ませて邸内へお邪魔します。受付の裏手に回ると…早速絶景が目に飛び込んできます!
この大広間からの眺めが素晴らしい!広々と取られた縁側から、キラキラ輝くお庭が眩しいくらい!
正面に立てば、こんな額縁庭園のような風景!
いかがですか?この奥行きを感じる空間!手前に刈り込み、奥に樹木を立たせることで、遠近感が際立つのが良く分かりますね!
お隣にはもうひとつの大広間が。こちらにはウッドデッキのような鑑賞台がついています。
大玄関がこちら。お客様があった際の出入りはこちらが使われていたようですね。当時のものでしょうか?人力車も置けるほど広々とした玄関!
この大玄関の脇には、増築された洋風の応接室「鳳凰の間」があります。こちらもまた見事!大理石を使った暖炉なんかも置かれています。
なお、こちらでは喫茶サービスも受けられます。お抹茶や珈琲、ぜんざいなんかを頂けます。季節限定の冷やし甘酒なんていうメニューもありました。
朝ごはんを食べていなかったので、ぜんざいを頂きました。可愛い白玉の入ったほのかな甘味が美味しかった!
こちらは限定メニューの抹茶甘酒!暑い日にはぴったりのメニューですね!
色合いも美しいので良く映えます!
庭は、面積こそ他の著名な庭園に比べ小さいものの、その狭さを、奥に滝を配して奥行きを持たせ、池の岸にアクセントをつけて広がりを持たせるなど、日本の伝統的な荷造りの工夫が見られます。
すぐ裏手にある江戸川土手から俯瞰して見ても、その敷地は決して広くはありません。しかも、その周りには道路や民家、マンションなどが立ち並び、決して静かな環境とは思えません。
しかし!その狭いながらも敷地を巧みに使った作庭は見事の一言!
何せ、母屋から眺めても、周囲にあるはずの建物はほとんど視界に入らないのです!まさに異世界に飛び込んだかのような見事な没入感!
その美しい日本庭園を…ただボーッと眺めていられる。これなんて贅沢な時間の使い方でしょう!
テーブルにカメラを寄せてみると…ほのかにリフレクションも楽しめましたよ!あまりくっきりしすぎないところが素朴で良いですね(笑)
いかがでしたか?東京都民でもあまり知られていない秘密のスポット『山本亭』!ランキング上位の常連なのも頷ける、見事な邸宅と庭園でした!
柴又は「帝釈天」だけでなく、映画「男はつらいよ」の寅さんミュージアムなんかもあり、半日は楽しめるスポットです。ぜひ『山本亭』にも足を運んで、世界が認めた絶景庭園を楽しんでください!
山本亭
アクセス
営業時間
9:00-17:00
定休日
毎月第3火曜日
入場料金
大人 100円
中学生以下 無料
駐車場
なし 周辺有料駐車場利用
アドレス
東京都葛飾区柴又7-19-32
03-3657-8577
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