本日放送のNHK大河ドラマ『青天を衝け』ざっくりコラムです。
ついに勃発した『禁門の変』。
朝廷をクーデターで掌握しようとした長州藩攘夷派が、京都御所の西門である「蛤御門」に押し寄せ、それを阻止しようとした一橋軍と薩摩軍の連合軍が激突した事件です。
天狗党の乱で国力を落とした水戸藩とともに、長州藩もその表舞台から退場させられます。
純粋な尊皇攘夷思想の虜になっていた「水戸藩」と「長州藩」はその勢力を大きく後退。その一方、『禁門の変』で長州藩を撃退した一橋・会津・桑名の同盟軍と薩摩藩は京都における発言力を大いに高めることになります。
この『禁門の変』は、幕末のターニングポイントのひとつ。
この一件をもって、世論の尊皇攘夷派は一掃されます。
『尊皇攘夷』などという妄想は、徳川慶喜のいう「呪いの言葉」に成り果てるのです。
そう考えると…水戸烈公(徳川斉昭)の純粋すぎる攘夷思想によって無駄に死に追いやられた志士たちのなんと多いことか。
先鋭化しすぎた朱子学と攘夷思想は、将来きっと日本にとって有益な存在になったであろう優秀な人材を、次々と死に追いやっていくのです。
しかしこのまま没落していく水戸藩と異なり、長州藩はこの敗北から後に見事に蘇ります。
そして、一橋と結んでいたはずの薩摩藩を仲間に引き入れるウルトラCを起こし、明治維新の主役に返り咲くことになるとは、この時点では誰も予想していなかったでしょう。
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