皆さんこんにちは!旅人サイファです。
今回も東京都の変遷のお話から派生して…市外局番の話です。
先日、facebookにこんなコメントが届きました。
『東京03』…というとお笑いトリオになってしまいますかね(笑)でも今回はそちらではなく、本家本元の市外局番『東京03番』のお話です。
※本記事で使用させて頂いる地図は全て『市町村変遷パラパラ地図』様より拝借しています。
最近はテレビCMでも電話番号を宣伝することはほとんど見なくなりましたね。
『続きはウェブで!』『詳しくHPへアクセス!』が当たり前。
一昔前のテレビCMでは、必ず末尾は電話番号がでーん!と大きく表示されていたものです。
イメージとしては…昨今改めてフィーチャーされている『タケモトピアノ』のレトロなCM(…でもタケモトピアノですら0120のフリーダイヤルだしな)
そのようなテレビCMで良く耳にしていたのが『東京03!』という市外局番です。
当たり前のように『お問い合わせは東京03!○○○の○○○○へ!』と電話番号を呼びかけていました。
この『東京03番』ですが、東京23区の専用市外局番です。
同じ東京都内でも、市部へいくと市外局番は『042✕』ですし伊豆諸島の島々は『049✕』が割り振られています。
そんな『都心の象徴』ともいえる『東京03』。
かつては憧れの市外局番だった時代もあるようですが…実はこの市外局番『03番』、本当は『東京23区専用』じゃないってご存知でしたか?
市外局番検索のページを見て見ると…
03
↓
東京
狛江市に至ってはその全域が『市外局番東京03』!
なぜこんなことになったか…というと、先日記事にあげたこの地図がヒントになります。
これは昭和7年、東京に35区制が敷かれた直後の地図です。
これを同年の都内全域に広げてみます。
それがこちら。
今回問題に挙げた狛江市(この当時は狛江村)は、砧村のすぐ西隣に位置していますね。
この位置関係がキーポイント!
実は、狛江村役場に初めて電話回線が引かれた時、その回線は砧村の電話局から引かれていたのです!なにせ狛江村も砧村も同じ南多摩郡。
お隣のよしみで電話回線が引かれるのは当たり前のことでした。
しかし昭和11年になって、その関係に変化が起きます。
しかし…それ以降も電話回線はそのまま砧局の管轄区域として引き継がれます。
昭和36年に、NTTが市外局番を導入した際、電話局ごとに番号を割り振りました。
23区内である砧局の市外局番も03番。
結果、砧局の管轄区域である狛江も03番として引き継がれることになったのです。
ちなみに、市内全域が03番とされた狛江市はまだ救いがありました。
それ以上に実害を受けたのが『調布市と三鷹市の一部』にお住まいの世帯。
これらも、現世田谷区内の電話局から回線を引いているため市外局番『03番』です。
例えば、桐朋大学仙川キャンパスは、調布市内にも関わらず市外局番は『03番』。
そのため、なんとこのエリアから同じ調布市内の調布市役所に電話をする場合、市外通話扱いになってしまうのです!市外通話の料金は、市内料金のおよそ3倍!
三鷹市の場合はもっと悲惨です。
三鷹市内で市外局番『03番』なのは、中原1丁目のみ。
同じ町内にも関わらず、中原1丁目に電話をかけるだけで市外通話料金がかかってしまう!
『1丁目の●●さんには電話しちゃダメよ?』なんていういじめのきっかけにもなりそうな…。
一時はこれを是正しようとNTTと交渉した自治体もあったようですが…結局頓挫しています。NTTにすると、市外通話料金は貴重な収入源。
簡単に手放す訳にはいかなかったようです。
現在は携帯電話が普及したため、固定電話での通話料金を気にする機会はほとんどなくなりました。
しかし、実は現在も『同じ市内なのに市外通話』状態は続いているのです。
また、今回の話とは逆に、県境を跨ぐのに大阪市と同じ市外局番『06番』が付けられている市もあったりします。…兵庫県尼崎市って言うんですけどね。
※本記事で使用させて頂いた地図は全て『市町村変遷パラパラ地図』様より拝借しています。
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