本日放送のNHK大河ドラマ『青天を衝け』ざっくりコラムです。
一橋家の末端に列せられた渋沢栄一。この時初めて報錄を得る身となりました。
今回の話の中で、栄一と喜作が初めて白米炊きを成功させていましたが…これどうなんでしょう?元々百姓だった二人が米炊きの方法を知らない?
台所仕事は女性の仕事だったからでしょうか…豪農だったゆえに内向きの仕事はお手伝いさんに任せていたか…。少々解せぬ描写でしたね。
さて今回、京都朝廷の守護職である禁裏御守衛職に一橋慶喜(徳川慶喜)が、京都守護職を会津藩主を兄松平客保、京都諸司代を桑名藩主弟松平定敬の兄弟が担うことになりました。
この三者による京都政治を牛耳る体制は、『一会桑政権(いちかいそうせいけん)』と呼ばれています。
この『一会桑政権』は、徳川幕府と朝廷の協力体制、『公武合体派』の象徴。
徳川家と天皇家が力を合わせて、この国難に立ち向かうという意思表示を全国に見せつけました。幕府と朝廷が一致団結すれば怖いものなし!と思われていましたが…。
これを快く思っていない勢力が、かつて朝廷を牛耳っていた長州藩と、禁裏守護職を逃した薩摩藩。
『一会桑政権』は幕府派にとっては希望の星でしたが、長州藩と薩摩藩は反対に危機感を強めます。
幕府派が体制を整えれば整えるほど、反対勢力も連合を強めていくという皮肉。
こうして、『一会桑政権』への対抗という名目のもと…元来敵対関係にあった長州と薩摩が手を組むのです。いわゆる『薩長同盟』です。
『一会桑政権』の誕生は、幕府派による京都政治を主導する強力な一手になるはずでした。
しかし、結果として『薩長同盟』という幕府にとって致命的な存在を生み出すきっかけになってしまいます。
磐石で強力な政治力の誕生が、そのライバルまで刺激し連合させてしまう…なんという歴史の皮肉か。
『一会桑政権』は、図らずも鬼子『薩長同盟』を生み出して、徳川幕府に終止符を打つ存在になってしまうのです。
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