本日放送のNHK大河ドラマ『青天を衝け』ざっくりコラムです。
『尊皇攘夷』という流行り病が吹き荒れた幕末。
しかし、長州が西洋連合艦隊と争った下関戦争や薩摩がイギリスと争った薩英戦争でのそれぞれの惨敗を経て、徐々に目が覚める人間も増えてきました。
『攘夷など無理』
その現実を見た当時の志士たちの心は揺れ戸惑います。
このままブレずに『攘夷思想』を貫くか。現実路線の『開国思想』へ転換するか。
そもそもはじめから、日本が進むべき道は『開国』一択。
黒船をはじめ、諸外国の科学技術を目の当たりにした幕府中枢による『開国通商』路線の判断は間違いではありません。これこそが日本近代化への近道でした。
しかし、声高に『尊皇攘夷』を唱えた水戸藩とその影響を受けた長州藩らに引っ張られる形で…世間には『攘夷』こそが正義という空気が充満します。
歴史的に見れば、極端な攘夷思想は害悪だったとしか言えません。
この無用な動乱によって数多の優秀な日本人が殺し合い、歴史の表舞台から去ってしまいました。
今回、攘夷思想という流行り病からいち早く脱した尾形長七郎による決死の説得がなければ…渋沢栄一他、明治期に重大な役割を担う優秀な人材も失っていたかもしれません。
こうして『攘夷思想』という流行り病から覚めた人々による、新しい段階へ時代は進むのです。
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