本日放送のNHK大河ドラマ『青天を衝け』ざっくりコラムです。
ペリー来航によって引き起こされた幕末の動乱。
開国派の揺り返しとも言える反動、井伊直弼らによる安政の大獄が吹き荒れていました。
安政の大獄の内実は、開国し諸外国との交易を行い優れた技術を会得すべきとの革新派の「一橋派」と、これまで通り鎖国を基本とした保守的な「南紀派」の対立。
「一橋派」は、英明な一橋慶喜を時期将軍に推す派閥。
「南紀派」は保守的な紀州家の徳川慶福を時期将軍を推す派閥。
井伊直弼は保守的な南紀派。大老となった井伊直弼は改革論を封じるために、開国派の一橋派を一斉に謹慎処分としました。
これの流れによって死罪とされたのは、長州の吉田松陰、福井の橋本左内といった今後の日本を憂える逸材。
そして、水戸斉昭、松平春嶽、一橋慶喜といった幕府中枢を担う徳川一族の人々は謹慎。
この安政の大獄によって、明治維新は5年は遅れたと言われます。
しかし、一方に行き過ぎた政治は強い反発を産みます。
1860年3月、大雪の桜田門で、水戸浪士らの襲撃を受け死亡します。世に有名な「桜田門外の変」です。
後に明治維新を成し遂げる薩摩長州にとって、敵役となった井伊直弼ですが、方向こそ違うとはいえ、この国を憂えていた憂国の士であることは変わりません。
幕府を盛り立てることで…この日本を守ろうとしていたのです。
桜田門外の変から半年後の8月、水戸の列公徳川斉昭も、この世を去ります。
そして幕末は第2幕へと移るのです。
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