こんにちは。旅人サイファです。
今回は古都・京都の鉄道のお話。
現在、京都市内には全部で7本の私鉄鉄道が走っています。
近鉄線、阪急線、京阪線、市営地下鉄、叡山電鉄、京福電鉄(嵐電)、嵯峨野鉄道
遠方から京都へ観光に行かれる方は、皆さんJR京都駅からスタートする方がほとんどかと思いますが…
JR京都駅から電車で移動しようとする時…違和感を覚えることはありませんか?
我々関東に居住している人間の感覚からすると、非常に強く感じる違和感。
あれ…。京都駅から阪急線に乗れないの?京阪線に乗れないの?
そうなんです。
先に挙げた7本の私鉄のうち、JR京都駅と接続しているのは、近鉄線と市営地下鉄のたった2本のみなんです。
残りの5本は…JR京都駅には乗り入れません。
例えば阪急京都線。大阪梅田を発した阪急線は、京都駅なんて視界に入っていないかのように四条河原町へ直進します。
同じく大阪から発する京阪線はもっと酷い。
京都駅のすぐ東側を通過するにも関わらず、無視して祇園方面へ直進します。
その他の京福電鉄や叡山電鉄はそもそも京都駅から遠く離れた四条大宮や出町柳からさらに遠方へ延びています。
ここまで露骨に無視されるJR京都駅。
東京の私鉄は、基本的に全てJRのターミナル駅から延びていますので、その差は歴然!
関東民からすると違和感ありますよね。
なぜこんなにもJR京都駅は冷遇されるのでしょう?
その原因ポイントは2つあります。
ポイントのひとつ目は、開業当時の鉄道がどんなものであったかを想像すれば分かるかと思います。
当時の列車はSL。蒸気機関車です。石炭を燃やして煙を吐いて走ります。
そんな蒸気機関車が、木造家屋や貴重な寺社が並ぶ京都のど真ん中を走らせたらどうなるか?
飛び火からの火事を恐れて、京都は繁華街中心部への鉄道乗り入れは拒否。
と、いうことで…京都の中心地からはるか離れた、現在の八条通り付近に旧国鉄の京都駅は作られたのです。
そしてもうひとつ。
それはJR(旧国鉄)とその他私鉄の役割の違いです。
JRは『他地方と京都を結ぶ路線』です。一方、阪急線、京阪線、近鉄線は『関西圏(主に大阪)の人を京都の繁華街へ運ぶ路線』です。
関西圏の人々は、京都駅にはほとんど興味ありません。
はじめから三条や四条の繁華街中心地にさえ行ければ良いのです。
また、その他の京福電鉄(嵐電)、叡山電鉄、嵯峨野鉄道は観光用。
市営地下鉄は市民の足。
それぞれ役割が異なるため、わざわざ『京都の外れ』に作られたJR京都駅に繋げる必要性が低いのです。
私鉄の中では唯一、近鉄線だけが京都駅へ乗り入れをしています。
これは、昭和天皇即位の式典に合わせるために作られたそうです。
しかもそもそもの計画では、京都駅を越えて京都御所近くまで繋げる予定だったとか!
と、いうことで結論!
大手私鉄が京都駅と接続しないのは、関西私鉄の乗客が京都市街地の外れに位置する『京都駅に興味がないから』!
でした!