本日放送のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』ざっくり解説記事です。
いよいよ…信長の重要な一幕、『比叡山焼き討ち』が描かれました。
(当時の天台座主・覚如)
比叡山延暦寺、ここは『日本仏教の聖域』として永らくアンタッチャブルな存在でした。
伝教大師・最澄によって開かれた比叡山は、京都の北東(鬼門)を押さえる守りとして、最重視されていました。
戦国時代の比叡山は、その山内に多数の山法師を擁し、大大名に匹敵する勢力を有していました。
山法師とは、あの『武蔵坊弁慶』のような存在。
僧の姿をしながら武器を持ち戦う僧兵です。
寺の権益を守るために朝廷ともたびたび争い、思うようにならない存在=叡山の山法師と言われることもありました。
ちなみに、京都と琵琶湖を繋ぐ出入口である逢坂の関所。
ここを尾根伝いに北上すると比叡山に至ります。
信長にとっては、尾張美濃近江と京都を結ぶ重要ルート。
比叡山が敵対している以上、この京の出入口を押さえられているのと同じ。
このまま捨て置く訳にはいかない存在でした。
ちなみにこの当時、聖地比叡山は女人禁制。
比叡山の当主とも言える天台座主・覚如の側に女性が侍っていましたが…本来許されざる行為なのです。
比叡山焼き討ちは、信長の人生の蛮行として伝わっています。
聖地で行った焼き討ちや殺戮はまさに前代未聞。
この焼き討ちは悪魔の所業と言われ、神仏すら恐れない信長は、無神論者としてイメージされるきっかけになっています。
比叡山はある意味、古い中世権威の象徴。
比叡山を叩くことで、信長は新たな近世の扉を力付くで開けたのです。
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