NHK大河ドラマ『光る君へ』コラム
こんばんは!旅行ブロガーにして、歴史地理コラムニストの旅人サイファです。毎週日曜日夜は、NHK大河ドラマ『光る君へ』コラムをお届けします。
筆者紹介
こちらは本業の傍ら全国47都道府県を旅して年間平均40泊!旅行プランナー/ブロガー「旅人サイファ」が執筆運営しております。地理・歴史へも興味が深く、各所で好評を頂いております。
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第17話 うつろい
どんどん専横を強める関白・藤原道隆。
藤原道長の進言した疫病対策を、道隆は一蹴してしまいます。庶民救済など無駄…と!
前回、関白道隆は「疫病など庶民しか罹らない病」と強がりますが…実際は彼らの祖先も含め数多くの藤原貴族が疫病に倒れているんですけど…ね?
悲田院で疫病に倒れた庶民の世話をしていたまひろ。そんなまひろ本人も疫病に感染してしまいましたが、どうにか無事に快方にいたったようですね。
そして…これまで専横の限りを尽くしてきた関白・道隆に異変が。
彼の死因は、糖尿病によるものと言われています。糖尿病とは、血糖のコントロール不良による多臓器不全を引き起こす病。
現在いわれている糖尿病の症状は…
- 口渇
- 多飲
- 多尿
- 視力障害
- 末梢神経障害
まさに、今回描かれた関白・道隆の症状そのものですよね。最後は、視力すら危うい状況でした。
糖尿病には、一型二型のふたつがあります。
一型糖尿病は遺伝的要因が強く、産まれた時から糖を抑制する機能が備わっておらず、現代では注射などでインスリンを補うことで治療します。
二型糖尿病は、後天的な要因が大きいもので、日々の食生活などが大きく影響しているとされています。いわゆる…贅沢病的な側面ですね。
古来、人類は長く飢餓と戦ってきました。現在は飽食の時代のため考えにくいですが、現在のように普段からお腹いっぱい食べられる世になったのは、長い人類史の中でもごくごく最近のわずかな期間のみなんです。
我々人類の体内は、「飢餓」であることが標準であり、「飽食」など想定外。つまり、食べ過ぎ、糖を摂りすぎといった「高血糖」など例外中の例外なのです。
平安時代は、芥川龍之介の描いた「羅生門」の時代です。京の都ですらも庶民は日々食べ物にも困る有り様。そんな状況にも関わらず、糖尿病になるとは…?貴族の生活を窺い知る、ひとつのポイントになるかもしれません。
そして…関白・道隆の寿命は尽きようとしています。
生前、自らの嫡男・伊周に権力の世襲させようと醜い訴えを繰り返した道隆でしたが、結局は生前の悪評も影響したのか?それも叶いませんでした。
こうして、ポスト「関白・道隆」を巡る権力争いが…朝廷で勃発することになるのです。
果たして次の関白は誰の手に?伊周?道兼?はたまた道長?