『出雲大社』は日本を代表する神社!おすすめ参拝ルートも紹介!
伊勢神宮と並んで、日本を代表する神社『出雲大社』。広大な敷地には見どころいっぱい!おすすめの穴場スポットもご紹介します。
筆者紹介
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『出雲大社』の歴史
日本を代表する神社『出雲大社』。ここは、出雲神話で語られる、大国主尊(オオクニヌシノミコト)を祀る神社です。
一般の方にはあまり知られていませんが…実は日本の神様には2つの系統があるんです。
天津神(あまつかみ)
天照大神(アマテラス)を主宰神
高天原(天界)の神々
天皇家の祖
ある時、天界に住む天照大神は、地上界「葦原中つ国」が繁栄しているのを見て使者を派遣することにしました。
派遣された使者をは日本の国土を完成させた大国主尊と交渉し、地上界を天津神の子孫へ譲ることを約束させます。(国譲り神話)
国譲りが成立した後、天照大神は自らの孫・瓊々杵尊(ニニギノミコト)を地上界へと派遣します。(天孫降臨神話)
この、ニニギの子孫が初代神武天皇。そして現代まで続く天皇家へと脈々と血統が続いています。
国津神(くにつかみ)
大国主尊を主宰神
葦原中つ国(地上界)を完成させた神々
出雲国造家の祖
一方、国津神は、日本列島である「葦原中つ国」を開拓し繁栄へと導いた神々です。
その祖は、天津神の一員であったスサノオ。彼が天界で乱暴狼藉を働いたことで、一時期、天照大神は姿を隠してしまったほどの厄介者でした。(天岩戸神)
スサノオは、やがて地上界へと追放されます。そして、地上で暴れる邪龍を退治し、国土を開拓。地上界を繁栄へと導きました。(八岐大蛇神話)
そんな地上界の開発を完成させたのが大国主尊です。彼は、スサノオの直系子孫とも、スサノオの娘を娶った婿殿だったとも言われています。若き日のオオクニヌシは、ワニザメを騙して懲らしめられていたウサギを助けるなど、優しい神様であったと言われています。(因幡の白兎神話)
天津神と国津神。天界と地上界に別れて住んでいた頃はいさかいはありませんでしたが…天照大神がオオクニヌシへ地上界を譲るように要請してきたことで事態は大きく変化します。
天照大神の使者と面談したオオクニヌシは、紆余曲折ありながらも国譲りを認めます。そして、以後は地上界を明け渡し、自らは幽冥界の支配者となることを承諾しました。
その際オオクニヌシは、天照大神の使者たちに「我が住処を、皇孫の住処の様に太く深い柱で、千木が空高くまで届く立派な宮を造っていただければ、そこに隠れておりましょう」と要請しました。
その約束を受けて、天照大神は出雲に「杵築大社」と呼ばれる大きな社を造営します。
この社は、高さ96mという古代としては類を見ないほど巨大な社!96mといったら、現代のビルで30階建てに相当します。
これは古代では常識だったようで、京都の子供たちは「雲太和二京三」と習っていたほど。これは「出雲大社が一番、大和東大寺が二番、京都大極殿が三番」という意味!それだけ、出雲大社の大きさは古来有名だったんでしょうね!(平安時代当時の出雲大社は高さ48mほど、現在は24mほど)
つまり…ここ『出雲大社』は、国譲りに同意してくれたお礼として天照大神ら天津神から送られた…オオクニヌシのための、日本一大きな宮殿なんです。
しかし…オオクニヌシは国譲りによって幽冥界へ隠れてしまっています。
これは後述しますが、ここ『出雲大社』は死を連想させる部分がいくつかあります。
もしかしたら『出雲大社』は、力ずくで地上界から追い出した(殺した?)オオクニヌシの怨霊を鎮めるために、その魂を閉じ込めた「檻」なのかもしれません。
『出雲大社』の見どころ
さて!いよいよ今回の旅行の目的のひとつ『出雲大社』に参拝します!
まずは、勢溜の鳥居からスタート!ここは、出雲大社の正門的な存在で、道行く参拝者たちも皆さんここで写真を撮られていました。
筆者が訪れたこの日は11/10。旧暦で9/29でした。2日後の旧暦10/1からは、出雲で最も重要なお祭り「神在祭」が行われる神在月に入る直前!残念!もう1週間遅らせていれば…!
さて、鳥居で一礼をして境内へとお邪魔します。ここ『出雲大社』の参道は面白いもので、鳥居をくぐった先は、ぐーっと坂道を降りていく形になります。神様は高いところに鎮座していることが多いので、登り参道はたくさんありますが、下り参道はあまり例がありません。
ちなみに下りきったところには川が流れています。ここで橋を渡ることで…禊と同じ効果を生んでいるのかもしれませんね。
川を渡ると、松の参道へと入っていきます。歩道は左右両側に付けられており、真ん中を歩くのは少々憚られました。ここは、左右どちらへ進んでも良いのですが、おすすめは左側の西参道です。
穴場①西御苑のうさぎちゃん!
西参道を進むと、左側に公園のような広場があるのが分かります。ほとんどの参拝者は素通りしてしまうのですが…ちょっと待って!
ここ西御苑には、オオクニヌシゆかりのうさぎちゃんの像がいっぱい!めっちゃ可愛いポイントなので、ぜひ立ち寄ってくださいー!
うさぎちゃんたちは、ひとつひとつ表情やしぐさが違うので、自分のお気に入りを見つけてみてはいかがでしょう?
ちなみに、中にはハート型の石を抱えているレアうさぎもいますから、ぜひ探してみてください!
なお、反対側の東参道には有名なオオクニヌシ像があります。こちらもぜひお帰りの際に立ち寄ってみてくださいね。
穴場②本殿前の赤丸に注目!
さて、参道を抜けて…いよいよ本殿へと向かいます。ここから先は聖域!ご無礼の無いように。入り口の銅鳥居で一礼して内部へお邪魔します。
正面に見えてきたのが拝殿です。まずはこちらでお参りをしましょう。
ここ『出雲大社』の参拝方法は少々変わっています。
通常、神社の参拝は「二礼二拍手一礼」です。しかし、ここ出雲大社の参拝方法は「二礼四拍手一礼」。なんと、拍手を通常の倍も行うんです!
これ…諸説ありますが、一説には「四=死」を象徴しているとか。本殿で祀られるオオクニヌシや魂を、四拍手=死で呪いをかけさせている…という説もあるようです。
先ほど「出雲大社の歴史」で軽く触れましたが、国譲り神話は、現代に伝わるほど円満ではなかった可能性があります。
もしも無理矢理に力付くで国土を奪ったのならば…オオクニヌシは怨みを抱いて死んでいったことが推測されます。
その場合、その魂は怨霊になる可能性が高い。
そんなオオクニヌシの魂を鎮めるため…天津神たちはここにオオクニヌシの怨霊を閉じ込める檻として『出雲大社』を作ったという説もあるんです。
さて。拝殿での参拝を終えたら…いよいよ本殿へと足を進めます。本殿は拝殿の真裏にあります。
本殿はこの八足門のさらに奥。雨が降っていたのですが…それがより重みのある雰囲気にしてくれていました。なんだろう?山陰は雨が似合う。
ふと足元を見ると…赤い丸が3つ。これがいくつ作られています。なんだこりゃ?
大多数の参拝者は気にも止めないだろうこの印。家紋?神紋?
実はこれ、家紋でも神紋でもない超重要なポイント!2000年に見つかった世紀の大発見の痕跡なんです!
これも「出雲大社の歴史」で触れましたが…かつての『出雲大社』は、高さ96mという途方もない高さがあったとされています。現代のビルでいうと30階建てに相当!え。タワマンじゃん!
実はこの赤い丸は、それを裏付ける重要な遺跡なんです。
それが…これ!!
こちらは『出雲大社』のお隣にある「島根県立古代出雲歴史博物館」にある当時の出雲大社とされる模型。この巨大な神殿を支える三本一組の柱こそが…この本殿前にある三つの赤丸なんです!
この柱は、発掘調査で実際に巨大な柱の根元部分が実際に発見されています。作り話だと思われていた古代の巨大神殿が、実際に存在したものだと…裏付けられたんです。驚き!
ちなみに、この「島根県立古代出雲歴史博物館」も、絶対に立ち寄るべき超おすすめスポットですよ。(次回レポートします)
さて、いよいよ本殿へと参拝にいきます。八足門からはその奥の楼門、そのさらに奥にわずかに本殿が見えています。さすが日本を代表する神社!容易に近付けませんね…!
こちらでも「二礼四拍手一礼」で参拝します。
本殿前での参拝を終えたら…ぐるりと本殿の周りを一周しましょう。おすすめは左回り(反時計回り)。裏手に回ると、先ほどわずかしか見えなかった本殿がバッチリ見えますよ!
穴場③本殿真裏の素鵞社は最大のパワースポット!
本殿をぐるりと回った真裏には…出雲大社でも最大とされるパワースポットがあります。それが「素鵞社」。オオクニヌシの祖先ともされる素戔男尊(スサノオ)を祀るお社です。
実はここ素鵞社では、事前にとある場所で準備をしておくことで、特別な砂を授かることができるんです!
その事前準備が…これ!『出雲大社』の西にある海岸線「稲佐の浜」で集める砂!これを集めて素鵞社で納めることで、代わりに素鵞社のパワーを受けた神の砂「御砂」を授かることができるんです!
まずは素鵞社できちんとお参りを済ませましょう。
実はここ『出雲大社』は一時期、オオクニヌシではなくスサノオを主祭神としていた時期があったようなんです。ですので…ここ素鵞社は『出雲大社』の本質と言っても過言ではない場所!ぜひこちらでもお参りを欠かさないようにしてください。
さて「御砂」は…というと素鵞社の軒下にあります。参拝者が持ち寄った砂が、ここでパワーを与えられ、また別の参拝者へと渡される。パワーのバトンリレーが、ここで行われているんですね。
「御砂」はご覧の通り。きちんとスコップも置かれていますので、ありがたく頂戴してください。あ。感謝の気持ちを忘れちゃいけませんよ。これもご縁ですからね!
穴場④本殿の西側こそがオオクニヌシ正面!
さて、本殿の参拝も終えたし…御砂もいただいたし…これでおしまい!と思いきや!まだまだありますよー!
今度は、本殿の裏をぐるっと回って西側。本殿を正面に見て右手へと回ってください。このにらひっそりと祭壇が置かれています。
ここ『出雲大社』本殿には、ご存じの通り主祭神オオクニヌシの魂が安置されています。
しかし!…なんと驚くことに、その魂は西を向いているんです!これはつまり、正面(北向き)から参拝したら、オオクニヌシの横顔を拝んでいるということ!
これもまた、出雲大社鎮魂説の根拠のひとつにもなっているんですが、わざわざ主祭神を横向きに安置するなんておかしな話ですよね。
ちなみに、本殿を正面(北向き)から拝んだ場合、相対するのはオオクニヌシを守護(監視?)する随神たち。
そのため、オオクニヌシの魂を正面から参りするには…ここ本殿西側の祭壇へ回らねばならないのです!
穴場⑤日本一の注連縄は本殿にはない!
そうそう。『出雲大社』で忘れてはならないのが…日本一の太さともされる大注連縄(しめなわ)。
拝殿にも比較的大きな注連縄が掲げられているので多くの方が勘違いなさっていますが…実は日本一の太さの大注連縄は、『出雲大社』の本殿拝殿にはありません!
日本一の大注連縄があるのは「神楽殿」という建物で、一度荒垣を出てすぐ西隣にある建物です。
いかがですか!この巨大な注連縄!実はこの注連縄、天照大神が天岩戸に隠れた後、もう二度と閉じ籠らないように…と岩戸に張り巡らしたものがルーツと言われています。
現在の注連縄は、2018年に作られたもの。長さは13.6m、重さ5.2t、胴回り8mという…途方もない大きさ!
実はこの大注連縄、通常の神社の注連縄と左右逆に張られています。
これもまた、出雲大社鎮魂説の根拠のひとつとなっており、オオクニヌシの怨霊を閉じ込めるために、注連縄を逆向きに張ることでその魂を封印しているという説も唱えられています。
広い境内に見どころがたくさんの出雲大社!日本人として、一度は参拝しておきたい特別な神社です。穴場スポットを見逃さないように、ぜひ予習をして足をお運びください!
『出雲大社』へのアクセス/駐車場/所要時間
『出雲大社』への最寄り駅は、一畑電車の出雲大社前駅で、駅からは徒歩10分かからずに到着できます。大社まで一本道の参道が伸びていますので、お店を覗きながら歩くのも楽しいはずです。JRご利用の場合は、山陰本線の出雲市駅から路線バスでのアクセスになります。
お車の場合は、山陰自動車道の出雲ICから20分ほど。境内の西側に参拝者用駐車場がありますので、そちらをご利用ください。駐車料金は無料です。
境内はかなり広く長い時間歩き回ることになります。足元は歩きやすい靴でお越しください。参拝の所要時間は60分ほど。じっくり各所を見て回る場合は90分ほどみておくと良いでしょう。
【サンライズ出雲で行く出雲神社めぐり旅行記】2日目。日本を代表する神社『出雲大社』への参拝を無事に終えました。この後は…お隣にある博物館へ向かいます。ここがまたスゴかった!出雲に来たら絶対に立ち寄るべきスポットです。次回お楽しみに!
『出雲大社』の基本情報
アクセス
山陰自動車道 出雲ICより15分
参拝時間
6:30-19:00
定休日
年中無休
参拝料金
無料
駐車場
参拝者用無料駐車場あり
アドレス
0853-53-3100