NHK大河ドラマ『どうする家康』第36話コラム
こんばんは!旅行ブロガーにして、歴史地理コラムニストの旅人サイファです。毎週日曜日夜は、NHK大河ドラマ『どうする家康』コラムをお届けします。
筆者紹介
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於愛の方
今回は於愛の方(西郷局)目線のお話でしたね。
この於愛の方は、家康の数ある側室のひとり。その出自は、三河の土豪・西郷一族の娘と言われています。築山事件で正室を失った家康にとって、ほとんど正室に近い役割を果たしたのがこの於愛の方とも言われており、実際に、彼女が産んだ長丸は、やがて徳川宗家の跡取りとなり二代将軍・秀忠となります。
この於愛の方は、生来あまり身体が丈夫ではなかったようで、2人の子を成したあとは伏せることも多かったとも言われています。やがて、小田原征伐が目前に迫る1589年に息を引き取っています。
秀忠というと…その妻である江姫が有名です。彼女は織田信長の妹である市姫と近江の大名・浅井長政との間に生まれた姫で、後の世に「織田の血筋が天下を取った」とも言われます。ですが…二代将軍となる秀忠を産んだ於愛の方もまた、天下人を産んだ姫として名を馳せても良いものです。世間的にはあまり知名度が高くないのが…悲しいですね。
鳥居元忠とその妻
三河武士団の要とも言われるのが、鳥居一族です。家康が駿河今川家のもとに人質生活をしてあた際、三河の武士団をまとめていたのが鳥居忠吉で、その息子が元忠です。
彼はこの後、家康の天下取りにおいて大きな役割を果たすことになりますが…それはまた後のお話。
この頃の鳥居は、徳川領として新たに編入された甲斐国東半分を治める代官として活躍していました。
彼には正室がいましたが、子を何人か成した後で失くしています。その後を…なんと武田家の重臣で 武田四天王のひとり「馬場信房」の娘を娶っているのです。
今作『どうする家康』では、この馬場信房の娘を、武田信玄の懐刀であった望月千代女として再登板させていますが…これはかなり無理のある設定かと?
望月千代女は、真田と同族の望月家の娘で、歩き巫女として各地でスパイ活動をしたと言われる女性です。鳥居元忠が馬場信房の娘を側室としたのは記録に残っているようですが、これを望月千代女と同一とする説は聞いたことがありません。
もしかしたら…今後真田との確執の中で、彼女はもうひと働きするかもしれません。この時、同族の誼で真田方となるか?それとも鳥居元忠との縁で徳川方として働くか?ちょっと気になりますね。
稲姫の真田輿入れ
沼田領を巡ってのイザコザが絶えない真田家との交渉の中で、家康はその重臣・本多忠勝の娘稲姫を真田家の嫡男・信幸へと輿入れすることを決めました。
稲姫は、猛将である父譲りの気の強い姫だったと言われています。
関ヶ原の戦いの折りには、敵味方と別れた舅の真田昌幸に対して武装姿で断絶を宣言するなど、男勝りな一面も見せています。
彼女もまた、後に活躍の場がありそうで楽しみです。ちなみに、彼女は大坂の陣のあとまで生き、1620年に武蔵鴻巣にて亡くなっています。
ラスボス・淀殿
そして…今回まさかのラスボスが登場しました。徳川家康の天下取りに最後まで立ち塞がった、秀吉の側室にして唯一の子・秀頼の母である「淀君」です。
なんと、その母・市姫を演じた北川景子が、そのまま娘の淀君まで演じるという演出。幼少期を描いたシーンで、なぜか織田人質時代の家康と市姫の中睦まじい様子を描いていましたが…この伏線でしたか!ちょっと無理のあるキャストとは思いますが…これもまた因縁ですね。今作のラスボスにふさわしい人物かもしれません。
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