『甲斐善光寺』は武田信玄が作ったもうひとつの善光寺!
善光寺といえば…長野県長野市にある寺院ですよね。しかし「JR善光寺駅」があるのは山梨県甲府市なんです!かつては長野から善光寺の全てがこの地へ移されたと言われる…もうひとつの善光寺とは!?
筆者紹介
こちらは本業の傍ら全国47都道府県を旅して年間平均35泊!旅行プランナー/ブロガー「旅人サイファ」が執筆運営しております。
旅人サイファ実績
・スキルマーケット「ココナラ」にて旅行お出かけカテゴリ売上実績No1
・グルメサイト「ニッポンごはん旅」公認ライター
・スマートニュース/Yahoo!ニュースほかメディア掲載実績多数
・「にほんブログ村」国内旅行カテゴリPVランキング1位を記録
こちらの記事は【GW甲信飛騨旅行記】のシリーズよりお届けしています。
『甲斐善光寺』の歴史
善光寺といえば…長野県長野市のシンボルとして国宝にも指定されています。
しかし…「JR善光寺駅」って、実は山梨県甲府市にあるんです!善光寺といえば長野!なのに…なぜ?
ここ『甲斐善光寺』は、戦国時代の真っ只中、1558年に甲斐国(現在の山梨県)の大名、武田信玄によって作られました。
ことのきっかけは、越後国(現在の新潟県)の大名、上杉謙信との抗争でした。かの名高い「川中島の戦い」は、全5回も行われた武田信玄VS上杉謙信の戦いですが、その現場は善光寺を中心とする「善光寺平」なのです。実は戦いの最中、善光寺本堂が焼け落ちたことすらあったのです。
武田信玄は、この惨状を憂い、大切な善光寺の本尊(善光寺如来)を自らの本拠地、甲斐国甲府で保護することを決定。現在の甲府板垣の地に新たな善光寺を建立し、本尊を安置しました。これが『甲斐善光寺』のはじまりです。
なお、ここ甲斐に移された善光寺如来は、その後も数奇な運命をたどります。
- 織田信長により武田氏滅亡→岐阜へ移される
- 本能寺の変→織田信雄(信長次男)によって尾張国清州へ移される
- 小牧長久手の戦い後→徳川家康によって甲府へ戻される
- 慶長大地震後→豊臣秀吉の命令で京都へ移される
- 秀吉が病にかかると善光寺如来の祟りと噂される→信濃善光寺へ戻される
つまり、秘仏として知られる長野の善光寺のご本尊は、時の権力者によって西へ東へ…あちこち連れ回されている歴史があるんですね。
現在は、信濃の本家善光寺に安置されており、ここ『甲斐善光寺』には鎌倉時代に作られた善光寺如来像が本尊とされています。この像も秘仏として扱われており、国の重要文化財指定を受けています。
『甲斐善光寺』の見どころ
『甲斐善光寺』は、かつて武田信玄によって作られた古刹です。境内に近づくと、まずは迫力のある巨大な山門が迎えてくださいます。この山門は、国の重要文化財に指定されています。
実は、この山門から眺める本堂がまた素晴らしいのです!山門越しにまっすぐ伸びる参道。その再奥に甲斐善光寺の本堂である金堂がそびえ、その向こう側には甲斐の山並み!信州の善光寺では眺められない、甲斐善光寺ならではの風景です。
信州の善光寺と違って、ここ甲斐善光寺の参道はとっても静か。門前の商店も多くありませんので、ゆっくりと神聖な気持ちで参拝することができます。
参道のかたわらにあるのが、信玄餅で有名な桔梗屋。こちらでは、信玄餅のきな粉や黒ミツを使った信玄アイスをいただくこともできます。人気商品ですのでぜひ一度ご賞味ください。
金堂の間近まで歩いてきました。金堂の作りは、信州の本家善光寺とそっくりです。一回り小さくした感じでしょうか。こちらも、国の重要文化財指定を受けている貴重な建築です。
こちら、金堂の内部に入って参拝することができますが、内部は撮影禁止です。参拝は無料ですが、本堂内部での参拝などは拝観料がかかります。金堂地下には、信州の善光寺と同じく、地下の真っ暗な空間を進む「ご戒壇めぐり」や日本一とも言われる「鳴き龍」を楽しむことができます。お時間ある方はぜひ内部拝観もお楽しみください!
金堂左手にある池も必見です。こちらは、わき水を使用した池になっていて、その透明度が素晴らしい!池で泳ぐ魚たちもまるで宙に浮いているかのような透き通った水に、驚かされるはずです!
『甲斐善光寺』へのアクセス/駐車場
甲斐善光寺は、甲府市の中心街から東に3kmほどのところに建つ寺院です。最寄り駅は甲府駅からは1駅、JR身延線の善光寺駅で、徒歩7.8分ほどです。また、甲府駅から路線バスでアクセスすることもできます。
お車の場合は、中央自動車道の一宮御坂ICからおよそ30分。甲府市中心街の方向へ車を走らせるとその手前に大きな山門が見えてきます。
山門の裏手には参拝者用の大きな駐車場がありますのでそちらをご利用ください。駐車料金は無料です。
まとめ
武田信玄公によって開基された『甲斐善光寺』。実は一時期、信州の善光寺の絶対秘仏もここに移されていたと考えると感慨深いですね。歴史を感じさせるスポットでした!
【GW甲信飛騨温泉旅行記】二日目。この日は、山梨県石和温泉のお宿をチェックアウトしてから、甲府周辺のスポットを巡り、長野県へと向かう行程です。次回は甲斐の英雄!武田信玄ゆかりのスポットへ立ち寄ります。お楽しみに!
『甲斐善光寺』の基本情報
アクセス
中央自動車道 一宮御坂ICより30分
営業時間
9:00-16:30
定休日
年中無休
拝観料金
参拝無料
金堂ほか拝観料500円
駐車場
無料駐車場あり
アドレス
055-233-7570